東京ドーム282個分の森林から伝えるカンボジアの現在

2017年08月24日

所属:多摩大学

インターン生:S.Kさん

東京ドーム282個分の森林から伝えるカンボジアの現在の写真

調べた経緯 自分は2017年の3月にカンボジアに行ってきました。その時に感じたのは、発展途上国ならではの、川の汚染問題やごみの処理問題、調べてみたら森林の伐採問題など環境問題が山積みでした。実際に行って感じた事と共に解決策を考えたいと思います。

カンボジアとは

国民の 80~90%がクメール族(カンボジア人)で,おもに米作を中心とした農業を営んでいます。

  1. 国の面積18.1万平方キロメートル(日本の約2分の1弱)
  2. 人口は1576万人(2016年政府統計)

地球温暖化とは

大気中の二酸化炭素(CO2)やメタン、フロンガスなどのいわゆる「温室効果ガス」が増加することによって起こると考えられています。その二酸化炭素は、電気を利用したり、車を運転したり、何かのエネルギーを利用する度に発生します。

現在、至るところで「省エネ」と叫ばれていますが、これには「二酸化炭素の排出量を減らしましょう」という意味あいも含まれています。また、温室効果ガスのなかでも、石炭や石油などの化石燃料を燃やす際に出るCO2の影響が大きいです。

産業革命の頃から今に至るまで進んだ工業化の主なエネルギーとして化石燃料が使われてきたことから、大気中のCO2濃度は、産業革命以前の平均的な値である280ppmに比べて、約4割増加しました。

また、地球の人口が飛躍的に増加し、エネルギーの消費量が飛躍的に増加したことも、温室効果ガスの排出を増大させています。20世紀における温暖化の度合いは、過去1000年のいかなる世紀と比べて最も大きかった可能性が高いです。

カンボジアの環境問題になるまでの歴史

1960年代当時のカンボジアは、国土の70%、約1,320万haが森林に覆われ、世界にも稀な野生動物の豊富な国といわれています。しかし、1970 年以降、約 20 年に及ぶ内戦により国土は荒廃し、1997 年の森林野生生物局の発表によると、森林面積は 1,050万 ha に減少してしまいました。

環境問題に対する市民の意識度

市民は基本的にゴミもたくさん残っているのに気にせず家の近くに置きっぱなしにして置いてあったり、田舎の方に行くと虫が湧くぐらいゴミがたまっていました。また、川も汚いのが当たり前のような川ばかりで綺麗な川はみられませんでした。

環境に対する国の政策方針

1998 年、政府は、1,000 年以上にわたる歴史の中で、最近の 1993 年から 1997 年の 5 年間における森林の荒廃が最も急激であるとし、世界銀行、UNDP、FAO 等からの支援を得て、持続可能な森林経営のための森林政策の見直しと新しい法体系の整備に着手しました。

かくして、2002 年 7 月 26 日、政府は、国家森林政策に関する政府声明(Statement of the Royal Government on National Forest Sector Policy)を発表するに至りました。声明は、この政策の目的として、

1. 持続的な社会・経済開発のために森林資源を保全し持続的に森林を管理すること

2. 永続的森林財産として現存森林資源を管理すること

3. 食糧の保障、貧困減少及び経済社会開発のため、地域住民及び私企業を最大限に参画させること

4. 異なる認識、種々の利害・目的等を調和する多角的な関係者関与プロセスを実施すること

5. 耕地の造林支援とこの植栽木の保護を持続すること

この5つを掲げています。

環境問題の現状

近年経済成長率7%前後と著しい発展を遂げるカンボジアですが、その一方で毎年12万ヘクタールの大規模な森林減少が起こっています。2001年から14年にかけて、年間14.4%のペースで森林伐採が進み、14年間の総伐採地域は144万ヘクタールに達しました。

豊かな熱帯雨林はゴム植林地に変貌、伐採された森林は材木として売り払われました。カンボジアの伐採ペースは、他国を上回る勢いです。2001年の森林の年間消失地域は2万8500㌶だったが、2010年には10倍近い23万8000㌶の消失となっています。森林消失の目立つ他の国では、シェラレオネが年率12.6%、マダガスカル8.3%、ウルグアイ8.1%、パラグアイ7.7%とされ、カンボジアは群を抜いた伐採ペースといえます。

森林伐採の原因

違法伐採の横行、農地への転用、森林火災などが考えられますが、脆弱な行政運営能力、地方の貧困、人口増加などがその遠因となっています。森林減少・劣化の抑制などによる温室効果ガスの排出削減の効果が高いです。

カンボジアは国土全体に低地が続いており、アクセスの良い道路さえあれば簡単に伐採が進んでしまう状況にあります。カンボジアでの森林保護を大きく妨げている要因の一つは、土地の区画整備が成されていない事と思いました。

森林伐採問題解決策

東南アジア10カ国の年間天然林の消失面積が合計324万haであることはすでに述べました。この損失を補うために、各国では人工造林による森林造成に力をそそいできました。天然林に依存してきた熱帯林業が、木材生産効率のはるかに高い人工林主体型の林業へと新たな動きをはじめつつあります。

人工林面積 1990年(千ha) 1980~90年の年間植林 年平均面積(千ha) 年平均増加率%
国名
バングラデシュ 335 17.5 7.7
ブータン 5 0.3 9.6
インド 18900 1441.4 15.5
ネパール 80 6.1 15.5
パキスタン 240 6 2.9
スリランカ 198 8.6 5.9
カンボジア 0 0 0
ラオス 6 0.2 4.1
ミャンマー 335 27.9 19.6
タイ 756 42 8.5
ベトナム 2100 70 4.1
ブルネイ 0 0 0
インドネシア 8750 474 8.1
マレーシア 116 9 16.1
フィリピン 290 -1 -0.3
シンガポール 0 0 0
パプアニューギニア 43 2.1 6.8
合計 32153 2104.1 11.2

アジア・太平洋地域における人工林の造成 出典:地球人間環境フォーラム

天然林の消失と人工林造成の面積比を比較してみると、ベトナムがもっとも高く51%です。これは100の天然林消失に対して51の人工林を造成している、という意味です。けれど図を見てもらえればわかると思うのですが、肝心のカンボジアの人工林の造成は0です。

原因の一つとしては、自然環境条件に適合した樹種の選択はもとより、植栽材料の遺伝形質の優良なこと、必要な苗木の数が生産供給できること、植栽後の育林技術が確立していることなど、現在の体制と技術水準ではまだまだ不十分なことばかりである事です。

これからの人工林問題

人工林の造成事業でむずかしいのは、だれの土地に、なんの目的で、どんな樹種を植え、だれが管理し、それに必要な資金をどう調達し、最終的な利益をどう分配するのか、というもっとも基本的な点を明確にすることです。

そのうえで、はじめて造林事業計画の立案と実行が可能になるのです。これを怠ると人工林造成事業は失敗します。ましてやカンボジアでは、土地の区画整備もろくにされてない、人工林問題は0からのスタートと言ってもおかしくありません。

森林伐採問題を調べてきて痛感したのは、この問題が林業だけの問題ではなく、農業、畜産、水産といったほかの第一次産業分野と深く関連した、広い意味での地域開発問題だという点です。人間がいて、社会があって、それらをつつむ熱帯の環境がある。問題は、経済や社会制度、あるいは文化、習慣にまで及ぶさまざまな要素の調和をどのようにとって発展させていくかにあると思いました。

熱帯林を傷めつけず、そこで生活する人々にも犠牲を強いないで、地域社会の全構成員が豊かに生活できるような条件をいかに備えるかが、熱帯林問題を解決するカギになるのです。熱帯林の持続的管理と利用も、こうした条件のなかでこそ実現できるのだと思いました。

高度に発達した科学技術文明に裏打ちされた大量生産、大量消費の資本主義経済社会システムのなかに生活する日本や、欧米諸国の人々の夢とは多少違った、その意味では新しいスタイルの人間の暮らし方を、熱帯に暮らす人々は実現するかもしれません。

森林問題だけじゃ終わらないカンボジア環境問題

カンボジアは森林伐採問題も目を背けられないのだけども、川汚染問題も今、カンボジアでは大変なことになっています。実際見た川たちはどれも、ゴミで埋まっているか、黒くにごっているかのどちらかでした。リバーサイドの川は他の川より大きいのだけれども、日本と比べ物にならないくらい濁っていました。

筆者撮影

川汚染問題

  1. 水質汚濁→生活用水不足
  2. 魚の種類減少
  3. 感染病の感染(マラリア、デング熱など)

川汚染問題の基本的な原因

  1. 生ごみや汚物などの廃棄物をそのまま湖に捨ててしまっている
  2. 湖にポイ捨てすることがカンボジア人は悪いことだと思っていない
  3. メコン川から流れてきた堆積物(泥など)や廃棄物
  4. 森林伐採(建築木材、生物の繁殖地の減少)
  5. 工業廃水、都市排水(首都プノンペンからのもの)

川が汚染してると影響するデメリット

カンボジア人は無類の魚好きで、動物性たんぱく質の70%を淡水魚で摂取しています。水質汚染は魚を好むカンボジア人にとってカンボジア人の身体を汚染するのと同じです。

カンボジアが行っている対策

支給された浄水器を利用して、飲料水や汚い水を綺麗な水に変換しています。また、株式会社リードネット(排水処理の会社)の横田岳史さんという人が、カンボジアのためにクラウドファンディング活動を行っています。

水環境の劣悪な地域における健康被害をなくすために、現地でも低コストで運用できる排水処理技術の実証試験費用を、クラウドファンディングによって募集したりなど日本でも、活動している人がいました。

まだまだ止まらないカンボジアの環境問題

森林と川に引き続きゴミ問題、自分はプノンペンに1か月滞在していて、ゴミの山が裏路地などにすごい置いてあり、すごいなと現地で実感していたがアンコールワットを見に行った時のシェムリアップのポイ捨ての量にはびっくりしました。

カンボジアゴミ問題

プノンペンでは 1 日に排出されるゴミの量は約 1,400 トンあるが、「ゴミ山」と呼ばれるゴミ集積所は、広さが東京ドーム約 0.7 個分にあたる約 32,000 ㎡、深さは 9mと、約 170 万トンのゴミしか収容できず、排出されるゴミに比べゴミの埋立地が不足しています。

また、場所によっては10日に1回しかゴミ収集車が来ないところもあり、ゴミ収集車の通る場所は決まっているものの、10日分のゴミが1カ所に集積されていると考えると、子どもも多く、ゴミもたくさん出やすい環境であるのに。日本ではありえないと思いました。

さらに、プノンペンの中心部では、道端にゴミを捨てるケースが目立ち、雨季の激しい雨の際は排水溝が詰まり、市内の一部地域では床上浸水などの洪水被害がもたらされている。街中にあるゴミ収集所においても、ゴミの腐臭が酷く住民の健康に悪影響を与えています。

ゴミ問題の原因

カンボジアにはゴミ処理施設がなく、首都プノンペンでは民間の業者が収集を請け負っていわゆる「ゴミ山」にゴミを運びます。ゴミ問題は様々な原因からもたらされています。原因のひとつとしてゴミの分別が徹底されていないことが挙げられます。

カンボジア人はゴミを捨てるときに分別を行うという習慣が無いです。一般的な家庭ではペットボトル、家庭ゴミ、燃えないゴミ及び燃えるゴミなどを全てまとめて廃棄します。そして廃棄時もゴミ袋を適切に結ばないため、ゴミ収集の際に散らばってしまいます。

また別の原因として、マナーの問題があります。ゴミをゴミ箱に捨てず、たとえ道にゴミ箱が設置されていたとしても、適当にゴミを廃棄する人が多いのが現状です。また、カンボジアにはゴミ箱を設置するという習慣がなく、一般的な家庭では外に山積みにしてゴミを燃やしています。

燃やしてるならゴミは増えない?と思ったのですが、実はカンボジアはプラスチック大国で路上にある店でさとうきびジュースを買うと、プラスチックバックに氷とジュースを入れてくれ、それにプラスチックのストローがついてきます。

お昼におかずを買いにいっても、プラスチックにいれてくれます。カンボジア人はそれを飲んだり食べたりしたら、道にポイっとしたり山積みにします。だから、毎日の掃除のゴミは、ほぼプラスチックです。 プラスチックを燃やすとダイオキシンが発生します。一般家庭では、プラスチックを燃やしてる所もあります。燃やしてしまうと

  1. 催奇形性、発がん性、内分泌撹乱作用、長期毒性
  2. 代謝、排泄されにくい:高蓄積性
  3. 環境下で分解されにくい:難分解性
  4. 都市ゴミ燃焼の際に生成され、環境汚染

これだけ害になることが起こりえます。プラスチックは800度以上燃やすとダイオキシンが発生はしないのですが、こんな高温の焼却炉がカンボジアにあるわけがありません。

ゴミ問題解決行動

カンボジアの住民はゴミ処理が環境に与える影響を明確に理解していないので、政府はテレビ、新聞及びラジオなどの公共放送で繰り返しゴミ問題に対して啓蒙活動を広げています。また、政府は公共事業として、道に捨てられているゴミの回収業務を行い、街の見栄えを良くし、健康にも悪影響を与えないよう、プノンペンのゴミ収集及び清掃をカナダの Cintri社に一任する決定を下しました。Cintri 社は、2002 年にプノンペン市役所と契約を結び、49 年間プノンペン市内のゴミ収集及び清掃を受託しています。

社員数は 2014 年時点で約 1,200 人にまで成長しており、社員は毎朝の道路清掃及び週 2 回のゴミ回収サービスを提供しています。その市役所ではゴミについて報告するためのウェブサイトも作成しており、近年は他の先進国のゴミのリサイクル方法を学び、リサイクル活動を行うことに対しても国として注力しているところです。

そして、アンコールワットのあるシェムリアップではゴミを拾う活動を実際に行っています。また、「ゴミをここに捨てないでください」と書いてある看板をたくさんゴミが落ちてるところに設置してりして、住民に注意を促しています。この活動を通して、知ってもらうこと少しでもゴミに対する意識、捨てる場所のことなどを考えて見せることが大事と思いました。

ゴミ問題のこれから

決められたところに分別されて捨てられていればまた拾って分ける必要もなく、リサイクルできるものをほじくり返さなくても済むし、捨てるときに何か対処できていれば、毎日一人ひとりがちょっとした意識を持てが少なくともここまでの状態にはならないこともあるのではと思いました。

国民たちがゴミによってカンボジアの景観が失われている、環境が失われているということに気づくこと。あとは大事なのはゴミをどうやって減らすか、どうやって環境に対して、生活環境に対して健康被害が少なくなるようにするかにはルールというものが必要だと強く感じました

環境問題を見つめて見えたもの

シェムリアップにある世界遺産のアンコールワットはカンボジアにとって大切な観光資源です。だからこそ守っていかねばならない自然がカンボジアにはあると調べて思いました。