原子力発電の産物

2016年10月14日

所属:法政大学

インターン生:K.Iさん

原子力発電の産物の写真

原子力発電が世間の誰もが知るきっかけとなったのは2011年3月11日に起こった東日本大震災がきっかけだと思います。東日本大震災の影響により福島第一原発所で原子力事故が起こり大きな問題となりました。では今回、そんな原子力発電について述べていきたいと思います。

皆さん、原子力発電というものをご存知でしょうか。原子力発電はウランが核分裂したときに生じる熱エネルギーを利用し、水を蒸発させることによりタービンを回し発電するというシステムです。火力発電と仕組みはほとんど変わりませんが火力発電では化石燃料を燃料に使うのに対し、原子力ではウランを使用するところが大きく異なります。10年も前までは原子力発電というものを知らない人も少なくはなかったと思います。

ですが次第に環境に優しいクリーンエネルギーとしてテレビコマーシャルなどで推進運動がされるようになっていきました。私自身も子供の頃、頻繁にCMでそれを目にし、おそらく初めてその存在を知ったのはテレビコマーシャルからでしょう。

しかし、原子力発電が世間の誰もが知るきっかけとなったのは2011年3月11日に起こった東日本大震災がきっかけだと思います。東日本大震災の影響により福島第一原発所で原子力事故が起こり大きな問題となりました。では今回、そんな原子力発電について述べていきたいと思います。

日本における原子力発電の起源

原子力発電が日本で初めて施行されたのは1963年のことです。原子力発電とよく聞くようになったのは最近なだけに今から50年以上も前には原子力発電があったとは驚きです。1950年代後半には原子力発電の施行に向けて研究が始まっていたようです。ではなぜこれまでの火力発電があるにも関わらず原子力発電の開発に取り組んでいたのでしょう。次にその理由を見ていきます。

なぜ原子力発電をつかうのか?

原子力発電が使われるようになった理由はそれを遣うことによってかなりのメリットが得られるからです。ではそのメリットとはどんなものでしょう。

  1. 安定して大量の電力を供給できる
  2. 発電量当たりの単価が安く、経済性が高い
  3. 事故が起きなければ国の技術力の高さの証明となる
  4. 補助金などにより、原子力発電所周辺の地域経済が潤う
  5. 発電時に地球温暖化の原因となる温室効果ガスを排出しない
  6. 酸性雨や光化学スモッグなどの原因となる酸化物を排出しない

これらのメリットにより原子力発電は以前国を挙げて推進されてきました。

原子力発電のデメリット

しかし、これらのメリットがあるのに対し、同様にデメリットもあります。

  1. 放射線の厳しい管理が必要
  2. 毒性のある放射性廃棄物を排出する
  3. 発電停止から廃炉解体まで時間がかかる
  4. 事故が起こった場合、周辺地域に大きな被害を及ぼす恐れがある
  5. 事故により放射線が外部に流出すると、人が発電所に近寄るのが困難となるため故障箇所の修復が困難となる

今回は原子力発電のメリットではなくデメリットに主に注目したいと思います。

高レベル放射性物質

なぜ放射能の厳しい管理が必要なのでしょうか。その理由はデメリットの2にあるように発電の後には毒性のある放射能廃棄物が排出されるからです。この廃棄物は高レベル放射性廃棄物と呼ばれています。ではもしその高レベル放射性物質の放射能が漏れ出し私たちの体に触れる放射能レベルが高い場合、放射能に触れて数秒足らずで被爆し亡くなってしまうほどの恐ろしい力を持っています。

それゆえ、デメリット4と5のように事故が起こった場合、発電所周辺に大きな影響を及ぼす可能性があり、人が近づくのも困難となってしまうのです。事実東日本大震災の際に事故が起こり福島第一原発所周辺は多大な被害を被り今もその傷後は痛々しく残っています。

高レベル放射性物質の処理

皆さん高レベル放射能物資の放射能が人体に影響を及ぼさなくなるまでに必要な時間をご存ですか。それは少なくとも十万年と言われています。十万年と言われてその年月がどれほどのものかぱっとする人はほとんどいないと思います。とにかく途方もくれるほど長いということだけはわかります。

では十万年という途方もなく長い年月の間どのように高レベル放射性物質を保管するのでしょうか。それは地層処理、という方法です。地下深い層は石油や石炭などの化石燃料が何百万年という期間にわたり保たれ続けてきました。それと同様に高レベル放射性物質の地下深くに埋めて十万年後まで保管しておこうというわけです。地下深くのため人間や他の地上の動物たちが影響を受けることは考えにくいです。

しかし、それは今現在の話です。十万年となると話は別だと私は思います。高レベル放射性物質を地下に埋めるとなるとやはり、何らかの施設が必要です。現在残っている建造物で最古のものは法隆寺と言われていますが法隆寺が建てられたのは今からたった1400年前の話です。つまり、1400年以上老朽化や自然の災害の中を耐え抜くことのできたものはないのです。そう考えると十万年という月日を高レベル放射性物質を保護するための施設を保ち続けるということは可能なのかと懐疑的に思えてきます。

さらに私が言及したいのは原子力発電のメリット4に記されている「補助金などにより、原子力発電所周辺の地域経済が潤う。」は、果たして本当にメリットなのだろうか、それを望んでいる人がどれほどいるのだろうか。

私は某大学の学部生で以前原子力発電の講義について聞いたことがあり、その講義の教授は以前イギリスで高レベル放射性物質の地層処分の研究に携わっていました。それは20年前のことであり、まだ原子力発電が広く知れ渡っていないときです。教授自身もまだ原子力発電の安全性などを把握していなかったようで以前からそこに勤めていた仕事仲間に高レベル放射性物質の安全についてこう質問したそうです。「高レベル放射性物質って地下に埋めれば安全なんだよね?」

するとその仕事仲間は「とんでもない。お前はこんなものが自分の家の裏に埋められてもへいきなのか。」と、答えたそうです。高レベル放射性物質を処理し、安全に保管するために携わっている人々ですら寄せ付けないものを誰が求めるのでしょうか。以前ニュースでも高レベル放射性物質の地層処分反対のデモを見たことがあります。このようにメリットであるはずのことですらそれをメリットとして見ない人々もたくさんいるのです。

まとめ

原子力発電には経済面からも環境面からもメリットがあり、画期的で使い勝手が良いものに一見みえるでしょう。しかし、そのうらには高レベル放射性物質という恐ろしいものがみを潜めているのです。そしてその恐ろしい怪物と私たちは少なくとも十万年という長い年月をかけ闘っていかねばなりません。

十万年後、果たして人間がこの世に存在しているかはわかりません。それを知ることは誰もできません。もし存在していたとしてその入ってはいけない領域に本当に入らないという保障はありません。人間は好奇心の塊であり4000年前に誰も入るはずのなかったピラミッドにもしっかり入っているのです。その好奇心の塊である人間にどうやって侵入しないように伝えるのでしょうか。

今からたった1500年前の平安時代の文字ですら現代使われている文字とは大きく異なります。それゆえにただ単に文字を残すだけには行きません。また、もし人間以外の知的生物が存在していた場合も同じです。このように原子力発電の廃棄物、高レベル放射性物質にはいくつもの課題が残っており、将来それが生命に危機を及ぼさないという保証もない今現在、原子力発電というものを考え直すべきではないかと私は思います。