植物工場の魅力 ~LED照明で植物を作ることの大切さ~

  • 更新日:2020/08/28

所属:明治大学

インターン生:S.Sさん

植物工場の魅力 ~LED照明で植物を作ることの大切さ~の写真

LED照明で植物を育てられることを知っていますか?近年ではテレビや広告などでも取り上げられており、1度は聞いたことがあるかもしれません。今回はその代表例となり私の通う大学にもある植物工場の魅力について皆さんにご紹介します。

植物工場とは?

植物工場とは光や温度、二酸化炭素濃度などの環境条件を保ち、藩種から収穫、出荷までを周年で生産できるシステムのことです。ほとんどの植物工場は、土を使わずに肥料を水に溶かした培養液によって栽培する養液栽培によって植物を生産します。土壌病害を回避できること、耕起や施肥、除草の手間を省くことができる、という特長があります。

植物工場の種類として、太陽光を一切使わずにLEDの光の下で栽培する「完全人工光型」と、太陽光を基本とし補光に人工光を用い、夏期の高温抑制技術を使用する「太陽光利用型」があります。全国に植物工場は50か所ありますが、そのうちの34か所は先に述べた「完全人工光型」です。この方法を用いて植物を生産すると、約40日間で収穫することができます。近年では農業のみならず、流通、製造・販売、福祉、建設・土木などの企業にも植物工場が導入されています。

植物工場で生産されたもの

代表例はフリルレタスです。特長として、エグミが少なく、必要な栄養分が含まれていて食べやすいことがあげられます。その他にバジル、クレソン、グリーンリーフ、からし水菜、ルッコラ、ペパーミント、コリアンダーなどの葉野菜やイチゴなども生産されます。

SHIGYO法

ここで大学の講義で学んだSHIGYO法を皆さんに紹介します。昭和電工と山口大学農学部の執行教授と学生が共同開発したLEDの色を活用した栽培法です。赤色のLEDは植物に養分を蓄えさせ、青色のLEDは組織を形成させる働きがあります。もともとの栽培法では、赤色と青色のLEDを同時に12時間当て、その後の12時間は明かりを消して植物を“睡眠”させ、この一連の流れを繰り返す方法でした。

ある日、山口大の学生がLEDのスイッチのタイマー設定を誤って、赤色のLEDを12時間、青色のLEDをその後12時間と交互に当ててしまいました。しかし、誤った方法で育ったレタスは予想外にも本来の栽培法で生長したレタスよりも重量が重く、背丈の長いものが収穫できました。この新たな方法はSHIGYO法と名付けられ、現在他の植物工場にも導入されています。

植物工場のメリット

植物工場で栽培するメリットとして、閉鎖空間内で栽培するため天候に左右されることはありません。また、病害虫の被害を受けることがないので無農薬栽培で行うことができます。よって、完全人工光型の植物工場では、新鮮で苦味が少なく、安心で安全な植物を供給できます。閉鎖空間内でさらに手間が省けることにより、高齢者や障がい者の方、パートやアルバイトの雇用も可能であることです。たとえ、農業に関する知識が乏しくても、労働環境が過酷でないので働くことができます。

また、水の再生利用ができることです。養液栽培のうちで固形培地を必要としない水耕栽培では廃液から水を回収し、空調機から排出した水を再生利用します。植物は、1日当たり自身の重量の10倍近い水を葉から蒸散します。この蒸散水は再び空調機から回収されます。つまり、植物工場での水の使用量は収穫された植物に含まれる水の量となり、再生利用が可能といえます。

そして、二酸化炭素排出削減にも貢献できます。植物工場が、消費地付近に位置し、近傍の販売店や消費者に生産物を販売する地産地消をすることで、運搬に係わる燃費の消費を削減し、二酸化炭素排出削減につながります。環境破壊を防ぐことができます。先にも述べたように、植物工場ではLED、つまり赤外線を含まない光で栽培します。こうして周年生産が可能になり、使用する土地の面積が少なくて済みます。植物工場と露地栽培を同じ日数で同じ量の収穫量が必要になると、露地栽培では植物工場よりも多くの土地を必要とします。よって、これは環境破壊につながってしまいます。植物工場では自然破壊をせずに栽培できます。

植物工場の課題

しかし、多くのメリットがある反面、デメリットもあります。植物工場を導入したことによる赤字があげられます。同じ養液栽培としてビニールハウスなどの施設と植物工場でのコストを比較すると、以下のようになります。

  施設 植物工場
設置コスト(万円) 1,800 31,000
運営(光熱費)コスト(万円) 40 1,860

表1 施設と植物工場での養液栽培のコスト(10aあたり、2009年4月)

表から見てもわかるように、明らかに植物工場で栽培をすると、コストがかかってしまうことがわかります。特に野菜は単価が安いため、採算を取るのは非常に難しいです。実際にあるホームページで紹介されていた植物工場の生産物は、数年前に赤字となり導入した企業はすでに植物工場の稼働を撤退していました。

取り組み

政府は近年、積極的に植物工場への取り組みを発展させています。例えば、補助金についてです。コストが高いために2009年以降、農林水産省や経済産業省から補助金が援助されています。これは植物工場の導入によって、地域経済の活性化や施設園芸のさらなる高度化を目指しています。また、植物工場の栽培法や、LED菜園を一般の方にも親しんでいただくために、植物工場の一般公開や、飲食店や企業のオフィス内でLED菜園を行っている場所もあります。例えば、東京ドームシティではLEDで栽培されているイチゴの展示をイルミネーションと題して展示されていました。

終わりに

私は、植物工場のようなLED菜園は推奨すべきだと考えます。育て方も手間が省けることで将来の高齢社会化による雇用者の問題も解決できるし、環境対策に大きく貢献できます。結果的に美味しい植物が出来ることも良い点です。コストが高くかかることは良くないかもしれませんが、補助金の支援を受けているので頼って導入するしかないと思います。皆さんもぜひ、植物工場やLED菜園について実際に知ってみてください。

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エコモ博士
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