SDGs

SDGs(持続可能な開発目標)とは

持続可能な開発目標(SDGs)とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。

持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。

また、COP21で採択されたパリ協定や2015年7月に国連に提出した「日本の約束草案」を踏まえ、日本の地球温暖化対策を総合的かつ計画的に推進するための計画である「地球温暖化対策計画」が閣議決定されました。

計画では、2030年度に2013年度比で26%削減するとの中期目標について、各主体が取り組むべき対策や国の施策を明らかにし、削減目標達成への道筋を付けるとともに、長期的目標として2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指すことを位置付けており、我が国が地球温暖化対策を進めていく上での礎となるものです。つまり、SDGsはSDGsを達成することがゴールではなく、あくまでも先を見据えての2016年から2030年までの国際目標でもあり、中期目標です。

SDGsの背景

私たちが住んでいる世界は、さまざまな脅威(気候変動、野生生物の過剰利用、貧困・飢餓、格差拡大、地球の限界を超えた生産・消費活動等)にさらされています。

人に関する最近のデータは、1日1.9ドル以下の生活をしている人約7.67億人(2016年)、飢餓人口再上昇2015年の7億7700万人→2016年に8億1500万人(2017年)、安全な飲み水を入手できない人約21億人(2015年)、児童労働に従事させられている子ども約1.52億人(2016年)、世界の難民・避難民は過去最高の6560万人(2017年)、世界の現代奴隷数(強制労働と強制結婚)約4000万人(2016年)と、悪化している状況も少なくありません。

環境と開発に関連した国際動向は、1972年にストックホルムで行われた国連人間環境会議から始まりました。先述したMDGsもその中の一つです。MDGs(ミレニアム開発目標)とは、2000年に採択された国連ミレニアム宣言をもとにまとめられた開発分野における国際社会共通の目標です。達成期限は2015年で、8つの目標、17のターゲット、60の指標からなっています。MDGsプログレス・チャート2014では改善の一方で、地域間・目標間格差が見受けられます。

21世紀の国際社会の目標として貧困削減などを目指す「ミレニアム開発目標(MDGs)」。2015年にその期限を迎えるにあたり、それに変わる新たな国際目標としてポスト2015アジェンダ(のちの2030アジェンダ)が作成されました。開発アジェンダ(ポストMDGs)、持続可能性アジェンダ(SDGs)が合わさり、2030アジェンダとなりました。

SDGsの概要

SDGsは17ゴール・169ターゲットを踏まえつつ、各国政府が国家目標を定め、国家戦略等に反映していくことを想定しており、民間セクターの役割・責任に言及し、指標を開発して、成果をはかっています。SDGsには重要な5要素(5P)があります。

5P
  1. People(人間):世界の貧困をなくす
  2. Prosperity(繁栄):「つづく経済」をつくる
  3. Planet(地球):環境を守り育てる
  4. Peace(平和)
  5. Partnership(協働):SDGsを実現の、資金と協力関係

17の目標

People(人間):世界の貧困をなくす
  1. 目標1 貧困をなくそう
    あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
  2. 目標2 飢餓をゼロに
    飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
  3. 目標3 すべての人に健康と福祉を
    あらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活を保障し、福祉を促進する。
  4. 目標4 質の高い教育をみんなに
    全ての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を保障し、生涯学習の機会を促進する。
  5. 目標5 ジェンダー平等を実現しよう
    ジェンダー平等を達成し、全ての女性及び女の子のエンパワーメントを行う。
  6. 目標6 安全な水とトイレを世界中に
    全ての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を保障する。
Prosperity(繁栄):つづく経済
  1. 目標7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
    全ての人々に安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを保障する
  2. 目標8 働きがいも経済成長も
    包摂的かつ持続可能な経済成長及び全ての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい仕事(ディーセントワーク)を促進する。
  3. 目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう
    災害に強いインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
  4. 目標10 人や国の格差をなくそう
    各国及び国家間の格差と不平等を是正する。
  5. 目標11 住み続けられるまちづくりを
    まちや人々が住んでいるところを、誰もが受け入れられ、安全で、災害に強く、持続可能な場所にする。
  6. 目標12:つくる責任つかう責任
    生産と消費の形態を持続可能なものにすることを促進する。
Planet(地球):環境を守り育てる
  1. 目標13 気候変動に具体的な対策を
    気候変動とその影響を軽減するための緊急対策を講じる。
  2. 目標14 海の豊かさを守ろう
    海と海洋資源を守り、持続可能な利用を促進する。
  3. 目標15 陸の豊かさを守ろう
    陸の生態系を保護・回復し、持続可能な利用を促進し、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地の劣化、生物多様性の喪失を止める。
目標1~15の達成に必要
  1. 目標16 平和と公正をすべての人に
    持続可能な発展のための平和で包摂的な社会を促進し、全ての人に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。
  2. 目標17 パートナーシップで目標を達成しよう
    目標達成のために必要な行動を強化し、持続可能な発展に向けてグローバル・パートナーシップを活性化する。

これ以外に17目標それぞれに平均10個ずつくらい同じようなターゲットが存在し、合計169個あるので169ターゲットと言われています。169のターゲットのさらなる詳細版である具体的な数値目標が書かれた全244の指標(重複を除くと232の指標)も策定されています。

出典:日本ユニセフ協会

出典:日本ユニセフ協会

世界におけるSDGsと達成状況

SDGsが強力なところは、この数値目標を定期的にモニタリングしていくことです。その進度をモニタリングしていく枠組みとして、国連ハイレベル政策フォーラム(HLPE:High Level Political Forum)というものがあります。

具体的にはSDGs達成に向けての進度状況を各国が自分たちで報告を行うというものです。そのレビューが毎年7月頃に行われています。そして「実際のSDGsの達成状況の見える化」がされていて、前国連事務総長であるパンギム氏が立ち上げたNPO団体によって以下の進度状況がまとめられています。

この表では緑が達成で、赤にいくほど未達成を意味します。このように世界の現状を一覧で見ることで、OECD各国とアフリカには大きな差があることが分かります。そして、一覧で見ることで自分たちがやらなければならないことを明確にできます。2016年から2030年までの達成目標であるため、現段階ではまだ未達成が多いことが分かります。

出典:SDSN

出典:SDSN

日本におけるSDGs

日本では2016年5月20日に安倍総理が本部長、すべての国務大臣がメンバーになり、第1回「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部会合」が開催されました。多くのものがこれまで取り組んでいたものを改めてSDGsの枠組みで表現しなおしているのだと思いますが、日本のSDGsに対する姿勢を表しているものだと言えます。

また、SDGsに関して政府主導でいろいろな取り組みが行われています。2019年年初に発表した「SDGsアクションプラン2019」に沿って代表的な取り組みの見てみます。SDGsアクションプラン2019の大まかな内容は3つになります。

1.SDGsと連携する「Society(ソサエティー)5.0」の推進
2.SDGsを原動力とした地方創生、強靭かつ環境にやさしい魅力的なまちづくり
3.SDGsの担い手として次世代・女性のエンパワーメント

出典:官邸HP

出典:官邸HP

1は経済やビジネスの観点から、2は地方創生の観点から、3は女性活躍推進、高校無償化、高齢化など主に人にまつわる観点から推進されています。 1については、2017年11月に経団連が7年ぶりに行動企業憲章を改定したことです。Society(ソサエティー5.0)というコンセプトのもとSDGsに本気で取り組む、と述べています。経団連は一部上場企業の7割が加盟していて経済界で最も影響力がある団体であり、ビジネスの力を使ってSDGsを実現していこうというものです。

2については、SDGsが合意されて以来、各地域ではSDGsを活用して地方創生を実現していこうという流れになっています。2019年7月1日に発表されたSDGs未来都市はその1つの象徴的な動きです。31の都市が選ばれ、10都市には予算を付けて推進しています。ちなみにこの取り組みは2018年から実施されています。SDGs未来都市とは、持続可能な都市・地域づくりを目指す自治体を選定し政府として予算もつけてサポートしていこうという取り組みです。

3は、1の経済やビジネス、2の地方創生でカバーしにくい部分、特に人にフォーカスした内容になっています。③でカバーされるキーワードの例を挙げると、「働き方改革」、「女性の活躍推進」、「ダイバーシティ・バリアフリーの推進」、「子供の貧困対策」、「次世代の教育振興」、「健康経営の推進」、「感染症対策等保健医療の研究開発」などそれぞれが膨大な内容をカバーしています。