アルカリマンガン乾電池
アルカリマンガン乾電池とは
いわゆるアルカリ電池のことです。プラス極に二酸化マンガン、マイナス極に亜鉛を用い、電解液に水酸化カリウムを用いる一次電池の1種です。同じ一次電池でマンガン乾電池がありますが、そのマンガン乾電池の材料や中の構造を変えて進化したものがアルカリマンガン乾電池(アルカリ電池)になります。
歴史
乾電池そのものの発明者として、1888年頃にドイツのガスナーという人が現在の電池によく似た電池を発明したという説がありますが、1885年頃に日本で屋井先蔵という人が発明したという説もあります。その後1959年にカナダでルイス・アリーという人がアルカリマンガン乾電池(アルカリ電池)を発明し、1964年に日本でアルカリマンガン乾電池の販売が開始されました。
アルカリマンガン乾電池の特徴
アルカリマンガン乾電池はマンガン乾電池と同じ一次電池ですが、アルカリマンガン乾電池はマンガン乾電池の約3~5倍のパワーがあり、その分長持ちするため、デジタルカメラやCDプレーヤー、携帯ラジオや模型自動車などの大きな電流を必要とする機器に向いています。
マンガン乾電池との違い
マンガン乾電池もアルカリマンガン乾電池(アルカリ電池)も同じ一次電池で、電池の中でもよく知られている種類です。
使われている材料も共通しているものがあり、プラス極の材料に二酸化マンガン、マイナス極の材料に亜鉛を使っていますが、より大きなパワーを出し、長持ちさせるために二酸化マンガンや亜鉛の量を増やしたり、中の構造をマンガン乾電池と違うものにしたり、電解液が酸化亜鉛を飽和近くまで溶解させた水酸化カリウムに変えて作られたりしています。
アルカリマンガン乾電池はマンガン乾電池よりもパワーがあり、長持ちするという特徴に対して、マンガン乾電池は材料である二酸化マンガンや亜鉛の量がアルカリマンガン乾電池よりも少なく、中の構造が違うため、アルカリマンガン乾電池にパワーの面で劣りますが、休み休み使うと電圧が回復するという特徴があります。
デジタルカメラやCDプレーヤーなどの大きな電流を必要とする機器に使うとアルカリマンガン乾電池を入れて使った状態よりも電池の減りが早く、すぐに無くなってしまうため、不向きですが、懐中電灯や時計、リモコンなどの小さな電流で休み休み使う機器に向いています。
二次電池との違い
アルカリマンガン乾電池などの一次電池は一度使い切ると処分する使い切りのものですが、二次電池は使い切っても充電することによって繰り返し使うことが出来ます。
コストパフォーマンスなどを考えた時に、一見二次電池の方が良さそうに見えますが、災害時などに安定した電力をコンセントから得られず、二次電池の大きな特徴である再利用が出来ない。二次電池は繰り返して使うため、故障しやすい場面では気軽に使えないというデメリットがあります。
それに対してアルカリマンガン乾電池などの一次電池は充電出来ない場面でも使え、使い捨てなので壊れても気軽に買い直せるというメリットがあります。
アルカリマンガン乾電池のメリット
- マンガン乾電池の約3~5倍のパワーがあり、長持ちして大電流に対応している
- 電化製品売り場から100円ショップやコンビニなどに置いてあり、入手しやすい
- 一次電池で使い捨てという特徴があるため、故障しやすい場面でも気軽に使える
アルカリマンガン乾電池のデメリット
- 液漏れした時の成分がアルカリ性で、皮膚のかぶれや目の失明を起こす危険性がある
- マンガン乾電池が向いている懐中電灯や時計、リモコンなどの小さな電流で休み休み使う機器に使うと、アルカリマンガン乾電池の寿命が本来よりも短くなる場合があり、アルカリマンガン乾電池としての力を発揮出来ず、その分経済的に無駄が出る
- 一次電池で使い捨てであるため、処分に手間が掛かり、使い切った後の保存も気を付けなければならない