マイクロ水力発電

マイクロ水力発電とは

水力発電と同様に、水が落下する力を利用して発電用水車を回転させる発電方法です。出力が1,000~10,000kW規模の水力発電を「小水力」、100k~1,000kWを「ミニ水力」、100kW以下を「マイクロ水力」と呼びます。近年ではすべてを総称して「小水力発電」と呼ばれる場合が多いです。

特徴

ダムを利用した大規模な水力発電に比べ規模が小さく、河川 下水処理 農業用水といった水流を利用して発電できます。高層ビル 学校 病院の排水、洗面台 トイレの洗浄水までも利用できることからマイクロ水力発電は高いポテンシャルを秘めています。

マイクロ水力発電のメリット・デメリット

メリット

  1. 大規模な施設を必要とせず、省スペース・短時間でどこにでも設置可能
  2. 大規模水力発電所に比べ、生態系へ影響を与える可能性が少ない
  3. 太陽光発電風力発電に比べ、天候の影響が少なく安定した電力を得られる
  4. CO2の排出量が少ない

デメリット

  1. 法的な手続きに手間がかかり複雑
  2. 土砂や落ち葉などのゴミを取り除くメンテナンスを要する
  3. 製造設置の費用がまだまだ高い
  4. まとまった発電量の確保が難しい
  5. 景観を損なう恐れがある

普及への取組

マイクロ水力発電の知名度は低く、2015年時点では普及していなのが現状です。マイクロ水力発電を普及させる上で環境省や農林水産省は、設置手続の簡易化、迅速化、低コスト化に取り組んでいます。平成23年3月11日の東日本大震災をきっかけに、エネルギー政策は見直され、再生可能エネルギー導入への意識は高まりました。

経済産業省資源エネルギー庁は新エネルギー政策として、水力発電をはじめとした再生可能エネルギーの導入促進に力を注いでいます。

岩手県農林水産部 岩手県土地改良事業団体連合会は平成24年9月に「農業用水を活用した小水力発電導入のポイント」と題し、岩手県の起伏に富んだ地形を生かして小水力発電の導入を促し普及させる試みを行いました。

将来

今後マイクロ水力発電が近所の川や用水路で見かけるような存在となれば、現在よりもコストは下がり、より優れた発電機が開発され、地球温暖化防止に貢献をもたらすと考えられます。

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