環境・CSR投資
三菱重工業
環境 (33点) |
社会 (33点) |
ガバナンス (34点) |
合計 (100点) |
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30 | 26 | 31 | 87 |
三菱重工業を選んだ理由
経済産業省の資源エネルギー庁が発行した「エネルギー白書2020」によると、日本のエネルギー消費のうち46.6%が産業部門によって消費されているそうです。ですので、環境クライテリア・レーティングを行うにあたっては製造業に携わる企業を対象にしようと考えました。その際、製造業の中でも特にエネルギー消費が激しいであろう重工業について調べようとし真っ先に思い浮かんだ企業が三菱重工業株式会社でした。
三菱重工グループの定める5つの重要課題
- 脱炭素社会に向けたエネルギー課題の解決
- AI・デジタル化による社会の変革
- 安全・安心な社会の構築
- ダイバーシティ推進とエンゲージメントの向上
- コーポレートガバナンスの高度化
三菱重工業の主な取り組み
環境分野
- 具体的なCO2削減目標と、その取り組み・成果の公表
- 具体的な水使用量削減目標と、その取り組み・成果の公表
- 具体的な廃棄物削減目標と、その取り組み・成果の公表
- 生物多様性の保全活動 など
社会分野
- 2%を超える障害者雇用率
- 多数の社会貢献活動やその支援活動
- 労働安全衛生に注力している など
ガバナンス分野
- ISO9001認証の取得
- 組織図や役員の紹介がなされている
- 盤石なリスクマネジメント体制
- コンプライアンス委員会の設置 など
評価
総合得点は87点を獲得しており、高い水準でCSRに積極的に取り組んでいる優良企業であると言えます。三菱重工グループが定めた5つの重要課題を解決するために具体的行動を行うことができています。項目ごとで見ると、環境分野・ガバナンス分野が30点台に到達している中、社会部門が26点と比較的点数が低くなっているのが特徴的です。
主な減点対象としては、環境会計の作成・公表がなされていなかったこと、芸術・文化活動への支援が見られなかったこと、JIS Q 15001の採用とプライバシーマークの取得が行われていなかったことなどでした。
最後のプライバシーマークといった個人情報保護の点については、三菱重工が基本的にB to B企業であることから致し方ない点かもしれません。けれども、環境会計の作成・公表か芸術・文化活動への支援など社会分野の2項目が実施されていたら総合点数90点台を達成できていました。特に、環境会計については既に取り組み成果が公表できているため、活動にかかったコストさえ集計すれば環境会計を作成・公表することは容易だったと思われ、実施されていなかったことが惜しまれます。
感想
重工業のような一般に温室効果ガス排出の温床と思われがちな業界の企業であっても、全くの無策でいるのではなくむしろたくさんの環境保全に向けた取り組みを行っていることを知ることができました。加えて、今回調査するにあたって参照した三菱重工業のHPにあるCSRの項目は、訪問者が閲覧しやすいようにレポートのpdfファイルだけが配布されているのではなくしっかりとそれぞれの項目ごとにHP上で分類されて表示されていたので参照しやすかったです。
また、初めて環境クライテリア・レーティングを実施するにあたって、無知ゆえにまずCSRや環境会計とはなにかから学ぶ必要がありました。しかし、環境クライテリア・レーティングの実施にあたって必要となった知識は環境について考えるにあたって重要となる事柄であることを今回の経験でよく理解することができました。このことはこれからの学習にも活かしたいと思います。
出典元
https://www.mhi.com/jp/finance
https://www.mhi.com/jp/csr/library/pdf/esgdatabook2020_all.pdf