ビジネスプロセス

新電力事業運営のポイント(PDF)

ビジネスプロセス

新電力事業の大まかなプロセスは、「マーケティング、プランニング、電源調達、営業、需給管理、請求・支払・決済、カスタマーサービス」の7段階に大別することができます。それぞれのプロセスの概要について、下記にてご説明いたします。

新電力のビジネスプロセス

①マーケティング~儲かる顧客/儲からない顧客~

新電力のビジネスプロセス

負荷率が低いほど、事業の収益性は高くなる傾向にあります。

負荷率が低いケースとは、例えば設備規模が大きいにも関わらず、実際の電力使用量が少ない場合を指します。

②プランニング~収益を左右するさまざまなドライバー~

新電力のプランニング

新電力事業の収益性は、電源調達費用、小売価格・販売量、社内部費用など非常に多岐にわたる要因に左右されます。

これら収益に関わる要因を分析・改善し、収益性を高めていくことが重要です。

③電源調達~さまざまな調達方法の組み合わせ~

電源調達には、自社保有の発電所を利用するだけではなく、市場から調達するなど、様々な手法があります。新電力事業者の状況により、安価かつ安定的な電源確保の手法は異なりますが、複数の調達方法を組み合わせることも可能です。

電源調達方法の一覧

■自主電源

・自社または関係会社(SPC等)で電源を建設、保有、運用
・新規建設だけでなく既存電源の売買による取得や共同出資による部分的な獲得

■PPA

・他社が運営する電源との電力購入契約を締結
・契約期間は1年~複数年まで個別の相対交渉が一般的

■常時BU

・一般電気事業者より、販売需要の一部供給
・価格等の諸条件は電力会社により異なる

■市場調達(JEPX)

・日本卸電力取引市場(JEPX)に入札/落札することで電力を調達
・スポット、先渡しでの売買が可能、今後、1時間前市場等、商品、メニューの
 バリエーションが広がる予定

④営業~プライシング/タリフ~

料金プラン等の設計を工夫することにより、顧客の獲得に加え、流出を防止します。例えば、通信(携帯)事業は料金の制度設計に様々な工夫が施されており、新電力事業においても参考となります。

料金プラン(auの事例)

■複数年契約 (毎月割、誰でも割)

・長期契約(2年間)を前提として割引を設定
・途中解約の際には違約金が発生するなど、顧客の流出に対する歯止め

■定額制 (通話カケ放題、データ 定額)

従量料金としての課金をできるだけ少なくして一定額の支払い
消費者側はいくら使っても請求が一定額という安心感
(コスト構造的に変動費率が大きいビジネスではあまり向かない)

■セット割引(スマートバリュー)

・携帯と固定回線を同時に契約することで、請求をまとめ、割引を設定
・その他、ISP、ケーブルTV等他のサービスとのセット
※他にも、アプリ系のサービスへの加入による割引なども考えられます。

■複数契約割引(家族割)

・2回線、3回線と複数の契約を結ぶことで割引
・定額制と組み合わせて、通話料はパケットを分け合えるサービス
・同一住所でなくても割引が受けられるサービス

⑤需給管理~需給管理の実態~

新電力の需給管理

新電力事業において、需給管理は非常に重要です。

需給計画により予測を立て、必要な電源容量を確保し、さらにインバランス対策として需給状況の監視が必要になります。

⑥請求・支払・決済~電力固有ルール・制度への対応~

新電力の請求・支払・決済

電力会社からのデータ・顧客情報・その他調整項目等、電力固有のルールを含めた項目から請求書を作成し、発送します。

今後の制度変更に従い、請求書の内容も対応させる必要があります。

⑦カスターマーサービス~B2BとB2Cの違い~

B2CとB2B向けのカスタマーサービスでは、それぞれに別のノウハウが必要です。カスタマーサービスは顧客満足度に繋がるため、これまでと異なる分野に事業進出する場合、ノウハウを身に着ける必要があります。

新電力のカスタマーサービス