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丸紅・バイオ燃料技研工業・田渕海運、国産バイオ燃料の高圧式LPG船での使用でCO2排出低減を実現

丸紅・バイオ燃料技研工業・田渕海運、国産バイオ燃料の高圧式LPG船での使用でCO2排出低減を実現の概要写真
(発表日:2023年7月7日)

世界初、グリーンメタノールとバイオマス系廃液を活用した国産バイオ燃料の高圧式LPG船での使用について

丸紅株式会社(以下、「丸紅」)、バイオ燃料技研工業株式会社(以下、「バイオ技研」)および田渕海運株式会社(以下、「田渕」)の3社は、高圧式LPG船(※1)での世界初の取り組みとして、丸紅とバイオ技研が共同保有するバイオ燃料製造技術(以下、「本技術」)により、日本で製造したバイオ燃料(以下、「本バイオ燃料」)を通常のバンカー重油(低硫黄重油、VLSFO)に対して約24%混合した船舶用バイオ燃料を、田渕が運航、丸紅が用船する「Buena Reina」に給油することで、一航海あたり約19%のCO2排出低減を実現するとともに、田渕の保有する様々な知見の活用により安全航行に成功しました(※2)

*参考画像(1)は添付の関連資料を参照

本バイオ燃料は、廃食用油を原料としたバイオディーゼル(脂肪酸メチルエステル)の製造時に副生されるバイオマス系廃液と、木材パルプ製造時の副生物から回収精製されるグリーンメタノールを使用しています。通常であれば産業廃棄物となることが多い廃液を無駄なく活用することでリサイクルを徹底し、従来の化石資源由来のメタノールではなくグリーンメタノールを用いることで、実質的にCO2の排出がないリサイクル型完全グリーン燃料(※3)です。

*参考画像(2)は添付の関連資料を参照

また、Buena Reinaへの給油を実施した京浜エリアは、取扱貨物量で日本最大の港規模を誇りますが、このエリアで外航船へのバイオ燃料の給油を行ったことも初めての事例です。さらに、給油に当たっては、旭タンカー株式会社が再生可能エネルギーを活用して運航し、丸紅が用船している世界初のピュアバッテリー電気推進タンカー「あさひ」を用いることで、給油時の温室効果ガス(以下、「GHG」)をゼロエミッション化しました。

国際海運業界では、IMO(国際海事機関)が2050年までにGHG排出量を2008年比で半減する目標を設定しており、日本では、2050年までにカーボンニュートラルを目指しています。また、本年より開始されたCII燃費実績制度(※4)に対応するため、様々なGHG排出削減策の検討が進んでいます。中でもバイオ燃料は、有効な削減策の一つとして流通量の拡大が期待されています。

丸紅とバイオ技研は本技術の国内外での販売を推進し、丸紅が調達手配するグリーンメタノールや環境配慮型メタノール(※5)の活用を提案し、丸紅と田渕はバイオ燃料の使用を継続的に検討していきます。今後3社は、各々の知見やノウハウを活用し、CO2を含むGHG排出量の削減に繋がる様々な手法を取り入れ環境負荷の低減に資する取り組みを推進し検討していきます。また丸紅は、今回の取り組みのように各業界関係者と協力し、低炭素化・脱炭素化など様々な顧客ニーズに応じた持続可能性の高いサービスを提供していきます。

(※1)常温気体の貨物に圧力を加えることで液化し運搬する輸送船。

(※2)「Buena Reina」に積載したプロピレンは中国の大手ポリプロピレンメーカーである浙江三園石化有限公司(以下、「三園」)に販売し、三園はこの取り組みにかかる費用を負担。

(※3)産業廃棄物をリサイクル・再生し、グリーンメタノールと合成することで、通常のバイオ燃料よりもさらに環境に配慮し、GHG排出を抑えたもの。

(※4)Carbon Intensity Indicatorの略で燃費実績の格付け制度のこと。IMOで採択された、船舶の年間燃費実績に基づいた格付けを行い、国際海運全体の燃費改善を促進する枠組み。2019年の船種ごとのCII平均値に対しCII値を2023年に5%削減、2024年7%、2025年9%、2026年11%と年々削減率を増やすことが求められる。またIMOは、用船者、港湾、保険会社、金融機関、水先案内人など、すべての海運関係者に対して、CII格付けの高い船舶にインセンティブを与えることを奨励している。

(※5)回収したCO2と水素を原料に製造するCCU(Carbon dioxide Capture and Utilization)に分類されるメタノールなど環境負荷の小さいメタノール。化石燃料から製造するメタノールとはメタノール中の炭素の由来が異なる。

*以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

参考画像(1)

https://release.nikkei.co.jp/attach/658829/01_202307071713.jpg

参考画像(2)

https://release.nikkei.co.jp/attach/658829/02_202307071713.jpg

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach/658829/03_202307071713.pdf
会社名 丸紅株式会社
所在地 〒100-8088
東京都千代田区大手町一丁目4番2号
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会社URL https://www.marubeni.com/jp/