沈黙の春 (Silent Spring)

沈黙の春とは

Silent Spring is a book published by American marine biologist Rachel Carson (1907-1964) in 1962. In this book, Carson warns of environmental pollution caused by pesticides and other chemicals through a description of a spring season when birds stopped chirping.

アメリカの海洋生物学者レイチェル・カーソン(1907〜1964)が1962年に著した著書のタイトルです。カーソンは本書の中で、農薬など化学物質による環境汚染を、「鳥たちが鳴かなくなった春」という出来事を通して警告しています。

DDTなどの有機塩素系農薬が大量に空中散布されると動植物が被害を受け、農薬を蓄積した動植物を人が食べることになります。しかし、「農薬が生態系の連鎖で多くの生物に害を及ぼす」と考える人は当時少数でした。

カーソンは、「地球が汚染されて、春が来ても世界が沈黙に包まれる、ということにならないよう、薬品の使用を規制すべきだ」と、本書で初めて警告し、発売後半年で100万部のベストセラーとなりました。

アメリカでは、1964年に「殺虫・殺菌・殺鼠剤規制法」を改正するなど、本書をきっかけに30もの農薬関連法が制定されました。本書は、30ヵ国以上で翻訳出版され、現代エコロジー運動の発展に貢献しています。

「キーワードでわかる! 脱炭素と電力・エネルギー[初級編]」より
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