国内排出量取引制度 (Domestic emissions trading system)

国内排出量取引制度とは

政府が企業に温室効果ガス排出量の上限を設定し、企業はその枠に収まるように排出量をコントロールして、必要に応じて市場で排出枠を売買する制度です。

In this system, companies control their level of global warming gas emissions so as to not exceed the cap set by the government and trade emission permits on the market as needed.

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排出量取引制度において、政府にとっては「全体の排出量を見通しやすい」というメリットがあります。企業は、排出削減の負担に応じて自社で排出を削減するか、他社から排出枠を購入するかを選ぶことができます。そのため、「社会全体で排出削減コストを最小化できる」というメリットがあります。

一方デメリットは、算定方法のルール決めや業界ごとの特徴・事情を踏まえて公平な制度とすることが難しい点にあります。加えて、国内では仕組み化するための行政のコストもデメリットといわれています。

EUは先行して排出量取引制度を導入しており、世界の排出枠取引量の約9割を占めています。欧州委員会は、EU域内の対象事業者が出すCO₂が、2005年と比べて35%減少した(2019年時点)と報告しています。

「キーワードでわかる! 脱炭素と電力・エネルギー[中級編]」より
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