「ブロックチェーン」はインターネットの再来
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2019年02月15日
一般社団法人エネルギー情報センター

「エネルギー」と「ブロックチェーン」――このコラムでは、インターネットの再来と言われているブロックチェーンがエネルギー業界にどのような影響を与えていくかについて考えていきたいと思います。
執筆者:一般社団法人エネルギー情報センター
理事 江田健二
富山県砺波市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア株式会社)に入社。エネルギー/化学産業本部に所属し、電力会社・大手化学メーカ等のプロジェクトに参画。その後、RAUL株式会社を起業。主に環境・エネルギー分野のビジネス推進や企業の社会貢献活動支援を実施。一般社団法人エネルギー情報センター理事、一般社団法人CSRコミュニケーション協会理事、環境省 地域再省蓄エネサービスイノベーション委員会委員等を歴任
(2019年3月4日、一部修正)
注目されるブロックチェーン
ビジネス界では今、「ブロックチェーン」が注目を集めています。ブロックチェーンとは、「これまで1つの場所で集中的に管理していたものを分散させて管理しよう」という考え方のもとにつくられたテクノロジーです。
このブロックチェーンが注目されるようになったきっかけは、「ビットコイン」などの仮想通貨です。世界最初の仮想通貨であるビットコインは、10年前の2009年に生まれたばかりですが、すでに世界中で1000万人以上が保有しています。
2016年7月にベトナムの仮想通貨取引所を視察に行く機会に恵まれました。視察訪問するまでは、正直なところ仮想通貨に対しては投機的なイメージが強く、一般への普及に対して懐疑的でした。
しかし、現地の担当者が平然と「この仮想通貨取引所では、1日150億円の取引が行われています」との言葉に耳を疑いました。知らない間に世界では、仮想通貨が一定のポジションへと成長を続けていたのです。
国や地域が発行する通貨に円やドル、ユーロなどの種類があるように仮想通貨にも種類があり、2009年以降、すでに500種類を超えます。
仮想通貨が、システムトラブルなく1000万人以上の人が取引や決済ができるのは、ブロックチェーンのテクノロジーのおかげです。
仮想通貨とともにブロックチェーンのテクノロジーは、他の業界でも応用できるのではないかと検討が進んでいます。ここまで読んで、「そのうち理解する必要があるだろうが、今のところは、まだだいぶ先の話」と感じられたビジネスマンの方は、多いのではないでしょうか。
確かにブロックチェーンは、テクノロジーのひとつです。非常に興味をもっている私自身も1990年代は、自作でパソコンを制作し、社会に出てから両手両足では数えられないほどのIT関連のプロジェクトに従事してきました。新しいテクノロジーには、敏感なほうです。
やはりブロックチェーンは、一部のエンジニアに理解しておいてもらえれば充分な話題。第一線のビジネスマンにはさほど関係ないと結論を出してよいのでしょうか。それは違います。ブロックチェーンは、インターネットにひけをとらないほどビジネス領域に影響を与えます。
なぜならブロックチェーンが実現する「契約締結・信頼構築・価値の証明や交換」はビジネスの根幹にかかわることだからです。この3つの大切さを心から理解しているのは、他ならぬ第一線のビジネスマンの方々でしょう。
拡がるバーチャル世界 必要とされるブロックチェーン
「日本は今日、雨。ロンドンは?」「ロンドンは快晴!」メールやメッセンジャーのおかげで、いとも簡単に世界中の人といつでもコミュニケーションがとれます。
知りたい海外の情報もホームページを検索すればすぐに見つかります。いつの間にか目の前の人と話すリアルな時間が減り、インターネット上のバーチャル空間で友達と会話する時間が増えています。
バーチャルな空間での「情報」のやりとりが増えれば増えるほど、それ以外の取引も行いたいというニーズが生まれています。それを実現してくれるのがブロックチェーンです。例えば、先ほどご紹介した仮想通貨は、ひとつの例です。バーチャル空間でのお金のやりとりを実現してくれています。
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執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センター
EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。
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