蓄電池×エネルギーマネジメント 第6回
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一般社団法人エネルギー情報センター

EVと並んで蓄電池と大きな関わりのある「エネルギーマネジメント」にテーマを絞って、蓄電池の今と未来を全6回に渡ってご紹介していきます。
執筆者:一般社団法人エネルギー情報センター
理事 江田健二
富山県砺波市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア株式会社)に入社。エネルギー/化学産業本部に所属し、電力会社・大手化学メーカ等のプロジェクトに参画。その後、RAUL株式会社を起業。主に環境・エネルギー分野のビジネス推進や企業の社会貢献活動支援を実施。一般社団法人エネルギー情報センター理事、一般社団法人CSRコミュニケーション協会理事、環境省 地域再省蓄エネサービスイノベーション委員会委員等を歴任。
記事出典:書籍『2時間でわかる 蓄電池ビジネスの未来: ウィズコロナ時代に拡大する20兆円市場に注目せよ!』(2020年)
国内蓄電池メーカーの取り組み
家庭向け定置用蓄電システム、学校や消防署などの非常用電源など幅広い用途に向けて製品を提供している村田製作所も、電池事業の展開を本格化させています。
同社は2019年8月、ソニーから買収した電池事業の拠点である郡山事業所を報道関係者に公開し、技術融合による初製品「家庭用蓄電システム」など、電池事業に関する最新の取り組みを説明しました。現在同社は、蓄電事業のキーとなる円筒形のオリビン型リン酸鉄リチウムイオン二次電池「FORTELION」や、幅広い市場に展開を進める蓄電システムに力を入れています。
同社が提供している家庭用蓄電システムは、FORTELIONを利用した蓄電ユニットにDC-DCコンバーターやパワーコンディショナーを一体化したものであり、「村田の電源技術と旧ソニーの電池技術を組み合わせることで実現した初の製品」と発表しています。同社は、この蓄電システムによって卒FIT市場を開拓し、「年間1万台」販売の早期実現を目指す方針とのことです。
パナソニック(株)ライフソリューションズ社は、2019年10月、住宅用蓄電池の新製品「【住宅用】創蓄連携システムS+」を発売開始しました。この製品は、太陽光発電と蓄電システムの連携により、平常時も停電時も安定的に電力供給ができるというものです。
さらに同社は2020年3月、家庭内の様々な家電や住宅設備機器をインターネットにつなげて連携させる「HOME IoT」の中核機器「AiSEG2(アイセグ2)」のバージョンアップ・発売を開始しました。今回のバージョンアップでは、業界初となる窓センサー送信器との連携により、外出先からスマートフォンで窓の開閉や施解錠の状態が確認できるようになりました。同社は今後もIoTやAIなど最先端の技術と、これまで蓄積してきた配線器具や開閉センサー等の技術を融合した製品・サービスの提供を行っていくとのことです。
蓄電ソリューションの提供、コンサルティング等を行っているサーキュラー蓄電ソリューションでは、戸建て住宅の太陽光発電システムに鉛蓄電池を組み込む事業を進めています。これは卒FIT世帯の電力自家消費を支援するためです。一般的に太陽光発電に使われているリチウムイオン電池と比べて、鉛蓄電池は蓄電池システムの価格を3分の1程度に抑えることができます。また、当事業では使用済み電池の国内リサイクルも想定しています。
運輸・交通業界の取り組み
NTN株式会社は、短時間で発電や電力供給が行えるコンテナ収納移動型の独立電源「N3エヌキューブ」を開発しました。これは、貨物輸送用コンテナに太陽光・風力・水力による発電装置と蓄電池を格納したものです。停電が発生した被災地などに、トラックやヘリコプター、船などで運んで設置することができます。
JR東日本は、燃料電池(固体分子型燃料電池)と蓄電池(リチウムイオン電池)を組み合わせたハイブリッドシステムで駆動する鉄道車両の開発に取り組んでいます。トヨタ自動車が車両開発に協力しており、2021年度に完成予定とのことです。
このように、私たちの生活におけるエネルギーマネジメントと、エネルギー産業界におけるエネルギーマネジメントの両面において、蓄電池活用の領域が大きく広がっています。また蓄電池技術の進歩によって新たな製品やサービスが生まれています。そこには無限のビジネスチャンスが存在するといってもよいでしょう。特にEVとスマートハウスがセットになったV2H市場が拡大していけば、IT業界、情報産業、建築業界など様々な関連領域の業種に、さらにビジネスチャンスが創出されていくはずです。大いに期待したいところです。
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