図解でわかるエネルギーDX~デジタルで効率化する電力システム大転換技術~
発売日:2025年1月23日
出版社:技術評論社

カーボンニュートラルを実現するために必要な電力システムのDX、GX技術がよくわかる!
著者情報
東北大学大学院・環境科学研究科・特任教授
東京大学工学部物理工学科卒、東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。環境省自動車環境対策課長、港区副区長等を経て、2023年まで京都大学大学院経済学研究科再生可能エネルギー経済学講座特任教授、現職に至る。
慶應義塾大学経済学部訪問研究員、英国機械技術者協会(IMechE)日本名誉代表、日本工営株式会社環境技術顧問
北海道大学工学部資源開発工学科卒、同大学院工学研究科資源開発工学専攻修士課程修了。日揮株式会社、カルテックス石油(CaltexCorp.)、テキサコジャパン代表、イーレックス顧問。
解説/内容
2050年カーボンニュートラル達成に向け、エネルギー産業も大転換期を迎えている。 欧米ではDXをうまく活用して需給バランスを決め、効率よく電力を供給している。アジア諸国でも、欧米の送電オペレーションシステムを導入し、電力の効率的な送配電をおこなっている。それにならい、日本でもDXを取り入れた電力システムの改革に乗り出した。 本書では、現状の日本の電力システムの問題点を挙げ、DXその先のGX(再エネの大量導入電力網)を本格的に行う上で、これからどのようなシステムを構築していかなければならないかを技術面、ビジネス面から解説する。
こんな方におすすめ
・エネルギー産業に携わっている技術者、事業者の方
・GX(再エネ)を見据えたDXで電力システムを構築しようとしている産業関係者の方
本書のコンセプトと構成/目次等
- 第1章 エネルギ-分野で進むDX 1.1アナログの世界だったエネルギ-
- 第2章 ヨーロッパの天然ガスの歴史とDX 2.1DXのはじまり:天然ガス需要拡大によるパイプラインの導入
- 第3章 北アメリカの天然ガスの歴史とDX 3.1アメリカのガス事業の自由化
- 第4章 イギリスとヨーロッパのガス市場改革 4.1イギリスのガス事業改革と市場化
- 第5章 ガスエネルギー取引市場の発展 5.1ガス取引市場の設立
- 第6章 産業を支えるLNG 6.1日本のLNG導入の背景
- 第7章 アメリカのパイプライン事業者 7.1アメリカのパイプライン事業
- 第8章 電力のDX:なぜエネルギー分野でDXは進んだのか 8.1DX前のエネルギーは中央集権型
- 第9章 電力のDX:再生可能エネルギーの出現とDX 9.1再生可能エネルギーは面的に分布する膨大な供給源
- 第10章 電力のDX:どのように需給調整するか 10.1電力の公平性と効率性の原則
- 第11章 電力のDX:電力会社・市場でさらに進むDX 11.1コンピューターで行う市場価格のリアルタイム監視
- 第12章 貯蔵をコントロールするDX 12.1国内外のガス貯蔵施設
- 第13章 スマートエネルギーとDX 13.1欧米のガスのスマートメーター
- 第14章 日本の総合取引所 14.1日本の総合取引所が設立された経緯
- 第15章 再生可能エネルギーを評価するシステム 15.1再生可能エネルギー価値取引の経緯
1.2ネットワ-クの自然地域独占
1.3エネルギー需要と供給の課題
1.4地域自然独占の悪用と対応策
1.5世界に発展するDX技術
1.6欧米のエネルギ-改革「ガスから電気へ」
1.7コンピューターで管理するエネルギーDX
1.8エネルギー配給事業者レベルのDX
1.9ガスグリッドに組み込まれるバイオエネルギー
2.2国境をまたぐパイプラインの枠組み
2.3ロシアのウクライナ侵攻によって表面化したエネルギー問題
2.4EU加盟国ドイツのガス価格と市場化
2.5EUのガス指令とガス事業の自由化
2.6ノルドストリームとエネルギー憲章条約
2.7エネルギー憲章条約の役割終焉
2.8ロシアを経由しない天然ガスの導入
3.2巨大パイプライン事業者エンロンの登場
3.3ガス供給を最適化するHubPricingProgram
3.4ガス銀行の創設とSPC
3.5ビジネスを拡大するファイナンシャル取引
3.6デリバティブ商品の開発
3.7エンロンのマーケットと終焉
4.2NBPの仕組み
4.3オランダ天然ガスの仮想取引所の仕組み
4.4イギリスの市場運営とAPXGasUK
4.5ドイツのガス市場と日本
5.2ガス先物の上場
5.3ガス取引市場の契約システム
5.4先物市場の清算機構
5.5ガス市場の運営会社
5.6エネルギー取引市場のDX:電子プラットフォーム
6.2LNG開発の仕組み
6.3LNG価格の決定プロセス
6.4日本のLNGインフラの課題
6.5韓国のガス事業とLNGターミナル
7.2第三者によるガスインフラ施設へのアクセス
7.3パイプライン使用料金の設定とサービス
7.4需給のマッチング
7.5パイプライン輸送容量の解放
8.2変動する需要に合わせた中央集権的な出力調整
8.3分散エネルギー源の出現
8.4市場の変化と市場独占
8.5中央集権と地域分散の熾烈な争い
8.6電力の民主的な流通とは
9.2再生可能エネルギーには出力が自然変動するものが多い
9.3地場資源の再生可能エネルギーを最大限利用
9.4膨大な再生可能エネルギーと需要のマッチングにはDXが不可欠
9.5需要も再生可能エネルギーも天気予報と連携
10.2エネルギー源を経済的に選択
10.3電力の送電制約
10.4経済的選択と送電制約の調整:計算機で潮流シミュレーション
10.5経済的選択の結果を微調整するリ・ディスパッチ
10.6DXで管理する電力管理システム
11.2地域ごとのWEB市場価格設定ノーダルプライシング
11.3電力の地産地消とDSO
11.4自立した地域電力とは?
11.5需要を管理するDX
12.2再生可能エネルギーの季節による活用
13.2イギリスのスマートエナジー政策
14.2日本のガス先物市場設立の課題
14.3ISO・TSOの運営する電力市場
15.2再生可能エネルギー価値取引の位置づけの変化
15.3属性トラッキングシステム
15.4RE100技術基準でのトラッキングシステム