風力発電とその電力システムへの連系

2020年8月7日
コロナ社

七原俊也

風力発電とその電力システムへの連系の写真

風という気象現象から、風力発電装置という機械装置、電力システムまで多岐にわたって解説。

著者情報

愛知工業大学 教授・東京工業大学 名誉教授

七原俊也氏

名古屋市で生まれ、大阪府などで育つ。1979年3月に京都大学大学院(電気工学専攻)の修士課程を修了し、一般財団法人電力中央研究所に入所。その後、大学に移り、2015~2020年には東京工業大学工学院電気電子系教授、2020年からは愛知工業大学工学部教授を務める。
専門分野は、風力・太陽光発電の電力システムへの影響評価、分散型電源の系統連系、電力システムの需給計画・運用・制御など。

解説/内容

本書は風力発電の概要とその電力システムへの影響を論ずるため、風という気象現象から、風力発電装置という機械装置、さらには電力システムまで多岐にわたる内容をそれぞれの初学者に理解してもらえるよう解説した。

本書のコンセプトと構成/目次等

風力発電は、地球環境問題への関心の高まりなどを背景として世界的に導入が進んでいます。風力発電は基本的に電力システムに接続して利用されることを考慮し、本書では、特に電力システムへの接続に焦点をあて、風力発電技術の基礎について解説しています。

風力発電は、気象現象である風から、風車などの機械装置を用いてエネルギーを取り出し、それを電気エネルギーに変換し電力システムに送電します。このため電力システムへの影響に焦点をあてた場合でも、気象学、機械工学、電気工学など様々な専門分野の知識が必要となります。また風力発電では、たとえば誘導発電機のように、他の発電方式ではあまり利用されていない技術も中心的な役割を果たしています。本書は、これら様々な分野や技術について、できるだけ平易に説明するようにしました。

一方、風力発電の電力システムへの影響については、世界的に導入量が増加する中、様々な技術課題が現れ、それへの対策が講じられつつある状況です。これについては、本書では技術開発段階の技術も含め、できるだけ最新の状況を紹介するように努めました。

本書が、今後さらに重要性を増すであろう風力発電技術について、皆様のお役に立てば幸いです。