亡国のエコ – 今すぐやめよう太陽光パネル

2023年1月23日
ワニブックス

杉山大志

亡国のエコ – 今すぐやめよう太陽光パネルの写真

本書は、太陽光パネル論争を足掛かりにして、「脱炭素政策」の矛盾や歪んでしまったエネルギー政策に問題を投げかけ、本当に環境にいい方法を伝えます。

著者情報

キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

杉山大志氏

東京大学理学部物理学科卒、同大学院物理工学修士。
電力中央研究所、 国際応用システム解析研究所などを経て現職。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)、 産業構造審議会、 省エネルギー基準部会、NEDO技術委員等のメンバーを務める。 産経新聞「正論」欄執筆メンバー。
著書に『「脱炭素」は嘘だらけ』(産経新聞出版)、 『中露の環境問題工作に騙されるな! 』(かや書房/渡邉哲也氏との共著)、『メガソーラーが日本を救うの大嘘』(宝島社、編著)、『SDGsの不都合な真実』(宝島社、編著)、『地球温暖化のファクトフルネス』など。

解説

■小池先生、太陽光パネル義務化はジェノサイド(大量殺戮行為)につながります。
「太陽光パネル義務付け」というあまりにも愚かな政策 に待った!
レジ袋だけじゃない、大間違いのエコ政策

■環境プロパガンダにダマされるな!
日本人が知っておくべき本当のファクトフルネス

■本当に必要なのは脱「脱炭素」問題はあくまでも中国である。

■気候変動で異常気象が頻発という偽情報

■「何が環境にいいか」なんて2~3年でコロコロ変わる

■本当に環境にいい方法を伝えます。

本書の内容

  1. 第1章 経済・環境・人権・安全保障……問題だらけの太陽光発電
  2. 「太陽光パネル義務付け」というあまりにも愚かな政策
    負担のツケは全て、一般国民へのしかかる
    ジェノサイドへの加担を義務付ける非道
    そもそも太陽光発電は本当に環境に優しいのか?
    中国製メガソーラーはCO2回収に10年もかかる
    太陽光パネルによる二次災害の恐ろしさ
    「太陽光パネル義務化反対」の請願を小池都知事に提出すると……

  3. 第2章 ウクライナ侵攻が予言する「脱炭素」の未来
  4. ウクライナ侵攻で激変した世界のエネルギー事情
    プーチンを〝暴走〟させた「脱炭素」
    曲がり角に立つESG投資
    開発途上国を蝕む「気候植民地主義」
    「化石燃料」を禁じられた開発途上国の悲劇
    エネルギー価格高騰で大打撃を受けた欧州の非鉄金属産業と肥料産業
    やり過ぎな「エコ推進」が世界に独裁主義の台頭を招く

  5. 第3章 プロパガンダにダマされるな!
  6. 日本人が知っておくべきファクトフルネス
    堂々とまかり通る地球温暖化の〝ウソ〟
    率先して印象操作を行っている「環境白書」
    温暖化対策推進に不都合なデータは無視なのか?
    「気候変動による災害が50年で5倍」は本当か?
    気候変動で異常気象が頻発という偽情報
    小学生でも計算できる「カーボンハーフ」の成果
    日本の電力不足が常態化したカラクリ
    政府目標を実現しようとすれば、8年後の電気料金は5倍に!?
    「炭素税で経済成長」は根本的に間違い
    再エネ大量導入は日本の製造業にとって有害無益
    洋上風力も中国依存への道
    「EV先進国」ノルウェーの実態
    「環境教育」にこそ求められるファクトフルネス

  7. 第4章 これからは脱・脱炭素だ
  8. 「脱炭素」の誤りを認めようとしない欧州の〝偽善〟
    「新冷戦」時代に求められるのは安全保障と経済成長
    環境政策が途上国を〝亡国〟に導く
    途上国から先進国へ、年間140兆円の〝請求書〟
    エネルギー優勢を確立せよ
    日本が世界に貢献できる「戦時」のエネルギー政策
    独自の石炭戦略で活路を見いだせ
    〝亡国〟のグリーン成長戦略をいますぐ見直せ!
    「気候危機説」が〝万が一〟本当だとしても
    原子力の活用と電化でクリアできる
    核融合は「乾坤一擲」の前倒しプランで中国に勝て
    政府が目論む「環境債」の憂鬱
    グリーン成長戦略が招く日本の高コスト体質
    イノベーションの阻害要因は「政府」
    日本が本当に投資すべきものは何か?
    いま日本に必要なのは、
    論理破綻している「環境債」ではなく「日本製造債」

  9. おわりに

著者インタビュー

 東京都は太陽光パネル義務付けを条例化することを目指している。(2022年12月8日現在)しかし仮に条例になったとしても、それで終わりではない。(中略)太陽光パネル義務化に特に重きを置いている理由は、もちろんこれ自体が重要なこともあるが、もう1つある。それは、日本のエネルギー・環境政策の抱える大きな問題の縮図になっていることだ。
 菅義偉政権の「2050年CO2ゼロ」宣言以来、日本のエネルギー政策はすっかりおかしくなった。2050年CO2ゼロなどにする必要もないし、出来るはずがない。欧州はそれを目指してエネルギー危機とウクライナの戦争を招いてしまった。日本はこの教訓に学ぶこともなく、相変わらず小泉・河野大臣が押し込んだ「再エネ最優先」を掲げ、政府は光熱費がますます高くなるような政策ばかり実施している。
 太陽光パネル論争を足掛かりにして、これまで同調圧力に支配され、「物言えば唇寒し」の状態だった「脱炭素政策」の矛盾を公けに論じよう。日本人を不幸にし、中国を利するだけの、すっかり歪んでしまったエネルギー政策を正そう。高い光熱費と慢性的な電力不足に別れを告げ、安くて安定したエネルギーを国民の手に取り戻そう。本書がそのような国民運動を起こすための、ささやかな一歩になることを祈っている。