GXフィフティーン:脱炭素起業家たちの挑戦
発売日:2023年1月19日
出版社:エネルギーフォーラム

本書では、11名の起業家の志や事業の成長の軌跡を紹介するとともに、投資家の視点で、社会課題解決を目指すスタートアップの成長を促すエコシステム、具体的には、スタートアップ投資の環境変化、起業家人材の特性、ビジネス成功のカギなどを探りました。また、カーボンニュートラルで先行する欧州の投資家にも取材を行い、サステナビリティ領域に特化した先鋭的なベンチャーキャピタルの創業者に独自の起業観を伺っています。
著者情報

環境エネルギー・モビリティ分野に特化した日本で唯一の独立系ベンチャーキャピタル。脱炭素社会の実現に資する次世代のエネルギー領域やモビリティ・物流領域を中心に出資を加速中。
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本書のコンセプトと構成/目次
- 第1章 カーボンニュートラルビジネス早わかり 大阪大学大学院工学研究科 招聘教授 西村 陽
- 第2章 GX起業家の実像 【イントロダクション】起業家の頭の中を覗いたら 株式会社環境エネルギー投資 取締役マネージング・ディレクター 細谷賢由
- 第3章 スタートアップは社会課題解決の主役になれるか ‐キャピタリスト座談会‐
- 第4章 スタートアップ最強の武器とは ‐海外ベンチャーキャピタリストインタビュー‐
- おわり
【インタビュー①】アスエネ株式会社
ビジネスを通じて大きな脱炭素ムーブメントを起こす 西和田浩平(にしわだ・こうへい)Co-Founder 代表取締役CEO
【ひとくち解説】
【インタビュー②】サステナブル・ラボ株式会社
非財務情報から「良い企業」に光を 平瀬錬司(ひらせ・れんじ)代表取締役CEO
【ひとくち解説】
【キーワード解説①】「カーボンニュートラル2050」概説
【インタビュー③】Nature(ネイチャー)株式会社
テクノロジーで自然との共生を求めるDNAを呼び覚ます 塩出晴海(しおで・はるうみ)Founder
【ひとくち解説】
【キーワード解説②】DR(デマンド・レスポンス)
【インタビュー④】株式会社シェアリングエネルギー
連続起業で社会に貢献し続ける 上村一行(うえむら・かずゆき)代表取締役
【ひとくち解説】
【キーワード解説③】定置型蓄電池
【インタビュー⑤】株式会社プラゴ
「続けたくなる未来」をEVでデザインする 大川直樹(おおかわ・なおき)代表取締役CEO
【ひとくち解説】
【インタビュー⑥】株式会社EVモーターズ・ジャパン
福島で培った電池のノウハウをEVバスに 佐藤裕之(さとう・ゆうじ)代表取締役社長
【ひとくち解説】
【キーワード解説④】EVがもたらすインパクト
【インタビュー⑦】株式会社メディオテック
ユーザーのニーズに応え再エネ普及の先駆者へ 松本 秀守(まつもと・ひでもり)代表取締役
【ひとくち解説】
【インタビュー⑧】株式会社エコスタイル
子供たちの未来のために「できるまでやる」 木下公貴(きのした・まさたか)代表取締役 社長執行役員
【ひとくち解説】
【インタビュー⑨】株式会社クリーンエナジーコネクト
企業の「RE100」導入の頼もしい味方でありたい 内田鉄平(うちだ・てっぺい)代表取締役社長
【ひとくち解説】
【キーワード解説⑤】コーポレートPPA(太陽光設置手法の多様化)
【インタビュー⑩】中央電力株式会社
持続可能なマンションで社会課題の解決へ 丹治保積(たんじ・ほづみ)代表取締役社長
【ひとくち解説】
【インタビュー⑪】ふるさと熱電株式会社
眠る宝「地熱」を生かし「地域」を元気に 赤石和幸(あかいし・かずゆき)代表取締役社長
【ひとくち解説】
【キーワード解説⑥】海外からの示唆――カーボンニュートラルを加速させる欧州のスタートアップ
鎌田富久(かまだ・とみひさ)TomyK Ltd. 代表
沼田朋子(ぬまた・ともこ)ジャフコ グループ株式会社 チーフキャピタリスト
河村修一郎(かわむら・しゅういちろう)株式会社環境エネルギー投資 代表取締役社長
Rene Sevelsberg(レネ・サベルスバーグ)SET Ventures マネージングパートナー
著者インタビュー
環境エネルギー投資は、2006年の創業以来、環境エネルギー・モビリティ分野におけるベンチャー投資を通じて、社会課題解決に挑戦してきました。社会課題解決とパフォーマンスの両立を目指してファンドを運営する過程で、著者らは、サステナビリティ、とりわけカーボンニュートラルという困難な課題をビジネスで解決しようとする起業家との出会いを重ねてきました。
著者らにとって、彼らはとても魅力的でした。高い志を持つと同時にそろばん片手にビジネスの損得勘定を考えつつ、従業員とともに笑い、泣く。そんな魅力的な起業家の実像を世の中に伝えたいという気持ちから、本書を刊行しました。
本書では、11名の起業家の志や事業の成長の軌跡を紹介するとともに、投資家の視点で、社会課題解決を目指すスタートアップの成長を促すエコシステム、具体的には、スタートアップ投資の環境変化、起業家人材の特性、ビジネス成功のカギなどを探りました。また、カーボンニュートラルで先行する欧州の投資家にも取材を行い、サステナビリティ領域に特化した先鋭的なベンチャーキャピタルの創業者に独自の起業観を伺っています。11人の起業家と4人の投資家が登場するので、タイトルが『GXフィフティーン』という訳です。
カーボンニュートラルに挑戦する日本の起業家にとって、大きな飛躍の時代が到来しています。日本政府は「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を掲げて、世界中の環境関連の投資資金を呼び込み、雇用と成長を生み出す取り組みを始めました。また、2022年を「スタートアップ創出元年」と位置づけ、今後5年間でスタートアップを10倍に増やすと宣言しています。カーボンニュートラルの現場は今、熱く盛り上がっており、その熱気を本書の起業家のインタビューから感じ取っていただけるのではないかと思います。また、インタビューだけにとどまらず、この領域の起業に関心を持ち、これから起業を目指す方々向けに、カーボンニュートラルビジネスの全体像や主要キーワード解説も盛り込みました。カーボンニュートラルビジネスとスタートアップの今を知るガイドブックとしても、お役に立てていただけますと幸いです。
著者らにとっての主役は常に起業家です。起業家が不断のイノベーションによって新しい産業を創造し、世界をより良い方向に一変させる可能性がなくならない限り、著者らは起業家を支援し、起業家が続々と登場するエコシステムの構築に力を注ぐつもりです。本書には、そのような気持ちを込めています。