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通信自由化から電力自由化を考える(1)

株式会社ICTラボラトリー

代表取締役 鈴木浩之

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2016年春、競争産業へと移行する電力事業では、これから何が起きるのであろうか。ここで起きることを、同じく1980年中旬まで規制産業であった通信産業を振り返ることで予測していきたい。

1. 序

1980年代前半、米国でAT&T分割・競争環境整備がはじまった。これに端を発して、欧州や日本でも通信サービスは、国による独占事業・規制事業から民間による競争原理が働くサービス・事業に変わった。それから30年経ち、通信サービス・事業は自分自身もガラリと変えたし、世界もガラリと変わった。

日本では電力サービスの完全自由化を2016年に春に控え、電力サービス、ひいてはエネルギーサービスの今後を考える上での通信産業・事業の変化を参考にすることが増えている。

これから、何回かに分けて通信自由化の軌跡とインパクトを考察しつつ、エネルギー自由化の行方を考えていく。第一回目は、タイムテーブルについて考察を行う。

通信自由化・通信発展が与えたインパクト

2. 1985年~2000年

この時代は、機器ビジネスの時代であったと言える。
第一の原因は新規参入業者が多数現れたことであり、これらの新規参入事業者の通信網が、既存通信網との相互接続・利用を要求したことである。これにより、民営化以前、通信網といえば、電電公社の電話網一つであったが、以降、いくつもの全国網が構築されることになった。(最終的には、NTT、KDDI、ソフトバンクの3面に統合されたが)。又、NTTは、他社接続のために既存網の改造を要求され、それにより、大規模な設備投資を強いられた。
第二の原因は、インターネット・携帯電話という新しい通信サービス・通信網の出現である。これによって、携帯電話網、インターネット網という新しい全国網が出現した。
第三の原因は、オフィスでのPC/LAN普及により通信量が急速に増大し、通信網の容量拡大が強く求められた。
これらの相乗作業により、この時代は膨大なヒト・モノ・カネが通信産業 (サービス事業者・機器ベンダ)に流れ込み、非常な活況を呈することになった。そして、それは、2000年頃、日本のITバブル、米国での光バブル・ネットバブル、欧州での3G携帯バブルにとつながり、崩壊することにもなる。

3. 2000年~2010年

バブル崩壊により通信事業者と通信機器ベンダは大きな痛手を受けた。しかし、その一方、ブローバンドインターネット・携帯電話により、ネットワークユビキュタスが実現され、それを前提とした事業者が出てきた。それが、ネットショップであり、リスティング広告であり、コンテンツ配信 (雑誌・ニュース・音楽・動画)である。
又、SNS、CRM、SFAという今まではなかった交流形態が生まれ、事業化されてきた。これらに牽引される形で、宅配事業、セキュリティソフト、オンラインゲームといった事業が活況を呈している。
この10年間、物事はウェブサーバの上でマネタイズされ、発展している。
その一方、郵便事業、小売業、広告・宣伝事業、出版業、音楽レコード事業、新聞事業、放送事業といった既存事業はその事業領域をネット事業に侵食され、ビジネスモデルの一新を迫られつつある。

4. 2010年~2015年、そして今後

そして、今、我々は、Apple, Google, Amazonに代表されるエコシステム、あるいは、楽天が言うところの経済圏を眼にしている。そして、既存事業者は従来型のビジネスモデルに行き詰まり、実店舗ビジネスとネットビジネスの統合を進めている。今、物事は、プラットフォーム・エコシステムの上でマネタイズされ、展開されている。
さて、通信の進化、ICTの進化は、これから何が引き起こすであろうか?一つのステージが進化し成熟することで、その上のステージが進化を始め成熟していく。その繰り返しである。次の進化のキーワードとしては、IoT, O2O、FinTechをリストアップしておきたい。

サービス・ビジネスモデル

5. 通信産業の軌跡から予想されるエネルギー産業の行方

通信自由化の軌跡から類推すると、タイムテーブルは以下のように動く。

  1. 第一ステージ:機器ビジネスの時代 (~2030年頃)
  2. 第二ステージ:エネルギーユビキュタスがもたらす新サービスの時代 (2025年頃~)
  3. 第三ステージ:エコシステムの時代 (2035年頃~)

第一ステージにおいては、新電力事業者による発電所・送配電網の構築、既存送配電網の改造、事業者間接続ポイント構築等により、旺盛な機器需要がある。但し、実際のタイムテーブルは、以下の要因により前後すると思われる。

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