太陽光発電の価格は2010~2017年で73%減少、2020年以降は全ての再エネ技術が化石燃料より安価に

2018年01月25日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

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IRENAは1月、世界中の再エネプロジェクトによる設備コストと入札価格のデータに基づいて、包括的なレポートを発表しました。レポートによると、太陽光発電の平準化された電力コスト(LCOE)は、2010年から2017年の間に73%減少しました。

2010~2017年の間に73%減少した太陽光発電の価格

入札など競争的調達が牽引し、世界的な再生可能な発電コストは低下し続けています。こうした中、IRENAは世界中の再エネプロジェクトによる設備コストと入札価格のデータに基づいて、包括的なレポートを発表しました。

IRENAのRenewable Cost Databaseには、世界中の再エネプロジェクトのLCOEが登録されており、発電容量は1000ギガワット以上に達します。また、入札のデータベースには、約300GWの容量を持つ、7000を超えるプロジェクトが登録されています。

IRENAによると、太陽光発電の平準化された電力コスト(LCOE)は、2010年から2017年の間に73%減少しました。同期間において、住宅用太陽光発電システムについては2/3ほどの価格となりました。そのためIRENAは、先進国において太陽光発電のコストが最新の原子力発電より安くなっていると指摘しています。また、陸上風力については、同期間において18%低下しています。

再エネと同様に電力を生み出す化石燃料の発電コストは、2017年のG20諸国において0.05〜0.17USドル/kWhの範囲と推定されています。

一方で商業規模の再エネ発電については、例えば水力発電の場合、2017年のプロジェクトは0.05USドル/kWhです。太陽光発電は0.10USドル/kWh、陸上風力は0.06USドル/kWh(洋上は0.14USドル/kWh)、バイオマスと地熱は0.07USドル/kWhとされています(図1)。これらから、再エネ発電は既に、化石燃料発電コストと比較しても高い競争力を保持していると考えられます。

世界における商業規模の再エネ電源価格、2010年と2017年の比較

図1 世界における商業規模の再エネ電源価格、2010年と2017年の比較

最安水準の価格では、化石燃料発電を上回るコスト効率を達成しています。2016年と2017年において、太陽光発電の最安水準価格を記録したのは、ドバイ、メキシコ、ペルー、チリ、アブダビ、サウジアラビアの案件です[関連記事]。これらの案件では、LCOEが0.03USドル/kWhにまで抑えられています。

また、 陸上風力は最も競争力のある再エネの1つですが、最近の入札において、ブラジル、カナダ、ドイツ、インド、 メキシコ、モロッコではLCOEが0.03USドル/kWhと低い水準にあります。

2020年には全ての再エネ技術が化石燃料よりも安価に

IRENAは、2020年までに、全ての再エネ電源が化石燃料よりも安価になる可能性を指摘しています。 現在では価格の高い太陽熱発電や洋上風力についても、2020年には0.06~0.10USドル/kWhになると推定されています(図2)。前述の通り、化石燃料発電コストは0.05〜0.17USドル/kWhの範囲とされているので、競争力のある価格水準であるといえます。

太陽光と風力における発電コスト予測

図2 太陽光と風力における発電コスト予測

再エネ発電の設置が加速するにつれて、コスト削減も加速していきます。2010年から2020年の学習削減率については、洋上風力14%、陸上風力21% 太陽熱30%、太陽光35%と試算されています。学習削減率は、累積設置容量が倍増するたびに発生するコスト削減率のことです。つまり、累積設置容量が倍増すると、洋上風力は14%のコスト削減が期待できます(図3)。

2010~2020年における再エネ発電の学習曲線

図3 2010~2020年における再エネ発電の学習曲線

再エネのコスト削減を牽引したのは3つの要素

再エネのコスト削減を牽引したのは、1)技術革新、2)競争的調達、3)豊富な開発実績を持つロジェクト開発者の台頭です。歴史的に、技術向上はパフォーマンス改善に不可欠でした。加えて、競争力が必要な市場が整えられ、それに伴い、経験豊かな中規模から大規模プロジェクトの開発者は、積極的に新しい市場を求めて世界へ進出しました。

技術革新について、例えば新しい太陽電池セルアーキテクチャは、より高い変換効率を提供するようになってきています。また、リアルタイムデータとビッグデータが強化され、予測保守とメンテナンス(O&M)コストが改善しつつあります。

蓄電については、IRENAのレポートによると、現状ではコストに与える影響は軽微であるとしています。しかし、変動型再エネが増えるにつれ、対策の必要性が増します。そのため、IRENAは「Power-to-X」技術の経済的可能性を指摘しています。Xは、例えば、水素やアンモニアなど、エネルギー密度の高い保存可能な媒体です。そのほか、電気自動車の普及は再エネの蓄電資産になるとしています。

再エネ発電には、個々の技術(太陽光や風力等)およびセグメント(住宅、商業等)により、金融支援が受けられる枠組みがあります。これらの制度は、競争力のある調達を促すような仕組みに変化しつつあります。そのほか、国のエネルギー需要を満たすための枠組みや、環境と開発政策の目標を実現するため、世界各地で新たな政策の検討が進められています。

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