エネルギーデジタル化の最前線 第1回

2021年11月22日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

エネルギーデジタル化の最前線 第1回の写真

今回よりエネルギー情報の可能性についてお伝えしていきます。 これまでエネルギー情報は、ほとんど利用されることがなく、バナナの皮のような存在でした。 しかし、これからはエネルギー情報が生活のあらゆる面で利用され、ビジネスとしては宝の山になる可能性があります。 第1回目は、私たちの生活を取り巻く「情報」について整理していきます。

執筆者:一般社団法人エネルギー情報センター
理事 江田健二

富山県砺波市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア株式会社)に入社。エネルギー/化学産業本部に所属し、電力会社・大手化学メーカ等のプロジェクトに参画。その後、RAUL株式会社を起業。主に環境・エネルギー分野のビジネス推進や企業の社会貢献活動支援を実施。一般社団法人エネルギー情報センター理事、一般社団法人CSRコミュニケーション協会理事、環境省 地域再省蓄エネサービスイノベーション委員会委員等を歴任。

記事出典:書籍『IoT・AI・データを活用した先進事例8社のビジネスモデルを公開 エネルギーデジタル化の最前線2020』(2019年)

「情報」をめぐる変化の波

「明日から1週間、パソコンもスマートフォンも利用禁止!」と言われたら―――私は、驚きのあまり頭が真っ白になるかもしれない。私だけではない、ほとんどの人が「困る」のではないだろうか。「いつでもどこでも」インターネットにアクセスするようになってから、かれこれ10年以上が過ぎようとしている。朝、目覚めてから眠りにつくほんの少し前まで、スマートフォンやタブレットを手放さなくなった。同僚と仕事の打ち合わせをしている時も右手でスマートフォンをいじっている。カフェで友人と会話をしながらも、遠くにいる他の友人とチャットをする。そんな習慣を持つようになった読者も少なくないだろう。

「なるほど、そんな方法があるのですね!」。新入社員だった頃、混雑した電車内で上手に4つに折りながら新聞を読む方法を先輩から教わり、「さすが!」と感心した。当時、電車内は新聞、週刊誌、マンガ雑誌を読む乗客であふれていた。20年後の今はどうか?駅のホームで電車を待つ間も吊革につかまって電車に揺られている時も多くの人がスマートフォンの小さな画面をのぞき込んでいる。LINEで連絡を取る人、Youtubeで動画を視聴している人、Googleカレンダーでスケジュールを確認している人と様々だ。先輩から、せっかく教わった新聞の4つ折り方法を後輩に得意げに教えることは、残念ながらなさそうだ。スマートフォンでネットニュースを見る方が断然、便利だからだ。周りを気にせず好きなタイミングで知りたい情報を調べられるし、気になった情報のURLをコピーして、その場で同僚に送ることもできる。今は、仕事でもプライベートでもパソコンやスマートフォンが不可欠である。

私たちは、インターネットを中心に増え続けていく情報を柔軟に受け入れ、対応してきた。デスクトップPCからノートパソコン、スマートフォンへとデバイスを進化させ、それを駆使することで「情報」をうまく使いこなし、生活やビジネスをより豊かにしてきた。「情報」の取扱いにはだいぶ慣れてきた感がある。しかし、この「しっかりとコントロールできているはずの情報」に、私たちが知らない大きな変化が起きているとしたら――私は、エネルギービジネスにおける情報・サービス産業への可能性を伝えるには、まず「情報」の未来について再認識することが大切だと考えている。その理由からこれから「社会の大きな変化」「ビジネスの世界において、これまで以上に情報が価値を高めていく理由」「情報が持つ独自の経済特性」などについて改めて共有していく。

これまでは、○○が情報をデジタル化してきた

手書きのメモやアルバムの写真。これまでアナログに管理されていた情報は、パソコンやスマートフォンの利用と共に「デジタル化(データ化)」されてきた。例えば、GmailやLINEで友人にメッセージを送る、その過程で文章や写真は「アナログ」から「デジタル」に変換される。私もこれまで大量の情報を「デジタル化」してきた一人だ。

12年前からメールサービスとしてGoogleのGmailを愛用しているが、調べてみたところ、これまでの送信メール数は3万6000件を超えていた。平均しても1年間で3000件。1日8~10件程度のメールを送信していることになる。メール以外にも2010年頃からFacebookやLINEなども活用しているから、インターネットを利用して誰かに送ったメッセージは、1年間に5000件を超えている。少なくとも毎年、5000以上の「情報」をデジタル化してきたことになる。これまでは、私たち人間が中心となって、パソコンやスマートフォンを使って、情報を「デジタル化」してきた。

新たなプレイヤーの出現

「誰が情報をデジタル化するのか?」ここに大きな変化が起きている。最近、情報を集めてデジタル化する新たなプレイヤーが出現した。人ではなく、機械だ。「えっ!機械がどうやって情報を集めてくるのか?」と疑問に思う方も多いだろう。この変化には、複数の新しいテクノロジーが活用される。新しいテクノロジーとは、センサーテクノロジー、IoT(モノのインターネット化)、5G(第5世代移動通信システム)、クラウドコンピューティング、AI(人工知能)等だ。

機械が情報を集めてデジタル化していく一連の流れを、家庭のリビングを例に紹介する。デジタル化の入り口は、家庭にいくつものセンサーやIoT機器、カメラを設置することから始まる。それらが情報を収集する最初の機械といえるだろう。センサーやIoT機器がリビングから集める情報は、多種多様だ。例えば、部屋の中の気温、湿度、部屋の明るさ、話し声やテレビの声、画像、電化製品の利用状況などになる。

この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。

無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
電力の補助金

補助金情報

再エネや省エネ、蓄電池に関する補助金情報を一覧できます

電力料金プラン

料金プラン(Excel含)

全国各地の料金プラン情報をExcelにてダウンロードできます

電力入札

入札情報

官公庁などが調達・売却する電力の入札情報を一覧できます

電力コラム

電力コラム

電力に関するコラムをすべて閲覧することができます

電力プレスリリース

プレスリリース掲載

電力・エネルギーに関するプレスリリースを掲載できます

電力資格

資格取得の支援

電験3種などの資格取得に関する経済支援制度を設けています

はてなブックマークGoogle+でシェア

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

世界に先駆け検討が進むワイヤレス給電の制度化検討、3パターンの周波数による運用が実現する可能性の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2020年01月31日

新電力ネット運営事務局

世界に先駆け検討が進むワイヤレス給電の制度化検討、3パターンの周波数による運用が実現する可能性

今後IoT化が進み、各種センサの利用の増加が予想されるところ、空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムがより重要になってくると考えられます。空間伝送型WPTシステムについては、各国とも制度化には至っていない状況であり、本記事では無線給電の実現可能性について見ていきます。

国内で2016年頃から進められるエネルギー分野でのブロックチェーン活用の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2019年08月27日

新電力ネット運営事務局

国内で2016年頃から進められるエネルギー分野でのブロックチェーン活用

日本でのエネルギー分野でのブロックチェーンの活用は、2016年頃から徐々に進められています。

ブロックチェーンのウィークポイントと超えるべき3つの壁の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2019年07月08日

新電力ネット運営事務局

ブロックチェーンのウィークポイントと超えるべき3つの壁

ブロックチェーン固有のウィークポイントとは別にエネルギー業界特有の壁があります。こちらについても越えていかなくては、エネルギービジネスでのブロックチェーンの活用は拡がりません。ここでは、大きな3つ壁を紹介します。

2030年以降のエネルギーとブロックチェーンの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2019年06月27日

新電力ネット運営事務局

2030年以降のエネルギーとブロックチェーン

サードステップの2030年以降は、今までに存在しなかったもの、無理だと考えられていたものが、ブロックチェーンを活用することで、ビジネスとして花開きます。現時点では不可能なことや概念的に飛び過ぎに思えることが、どんどん実現する時代ともいえます。

デマンドレスポンスの費用対効果を最大化、制御技術を新開発、北大など3大学が発表の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2019年06月11日

新電力ネット運営事務局

デマンドレスポンスの費用対効果を最大化、制御技術を新開発、北大など3大学が発表

北海道大学、名古屋大学および東京理科大学は、発電コストの1日の変動に着目したデマンドレスポンスの解析・制御技術を開発したと発表しました。各大学の発表によると、この制御技術は、デマンドレスポンスの費用対効果を最大化するためのものであり、1日の発電コストと需要の予測に基づき、最適な電力使用量を求めることができるとしています。