HEMSの未来を創るテスラ社がエアコン事業へ参入

2021年01月31日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

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2020年9⽉22⽇、米テスラ社が開いた株主総会に伴うイベントで、CEOであるイーロン・マスク氏は、「家庭⽤エアコン事業を来年始めるかもしれない。「より静かで効率が⾼く、省エネ性に優れたエアコンを作れると思う」と発言したことが注目されました。HEMSの未来を創るテスラ社がエアコン事業へ参入した背景について考えます。

EVで搭載していたヒートポンプ式エアコンの技術を家庭用に転用か

テスラ社は、「電気自動車はガソリン車よりも優れていて、速く、楽しく、運転に妥協する必要がないことを証明したい 」という想いから、2003年創業されました。2019年発売の中型SUVである「Model Y」には、EVの暖房では一般的であるヒートポンプ式のエアコンを搭載しており、イーロン・マスク氏は「⼩さくて効率的。暑い夏や寒い冬、どのような状況でも動作する」と発言していました。今回、この技術を転用し、家庭用のエアコン事業を2021年に開始するということです。

同年9月に自身のTwitterで「テスラのEVに搭載されているHEPAフィルターを使った高性能家庭用空調システムをいつか開発する」と発言もしていました。HEPAフィルターと通常の活性炭によるフィルターの二重構造で、花粉、バクテリア、ウイルス、汚染物質を車内に侵入させないということで、この技術がエアコンにも応用されるという期待もあります。

しかし、エアコンは⾃動⾞⽤と家庭⽤では冷媒の種類も設計も異なることや、⼯事や保守など販売網も不可⽋のため、他社との提携なども視野に入れながらの事業が進められていくことが予想されます。国内のエアコン大手企業では脅威を感じながらも、一部報道では、「ビジネスチャンスと思いテスラと組むことも考えないといけない」との見方もあるようです。

同じく9月に注目を集めたテスラ社の蓄電池戦略の説明会では、これまで複数の電池メーカーを使い分けて調達量の確保や性能向上、価格低減を行っていたが、ノウハウの吸収を経て、「電池の航続距離54%増、価格56%減」を掲げて内製化へ舵を切ったことが伝えられました。
空調業界でもどのように各社がシナジーを生んでいくのか注目されます。いずれにしてもテスラ社のEVからエアコンへの事業拡大は、エネルギー業界全体の将来にも大きく影響を与えることになりそうです。

地球上のエネルギーマネジメントの未来、そして火星での生活へ

HEMS(ヘムス)とは「Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)」の略で、家庭で使うエネルギーを節約するための管理システムです。「住宅のエネルギーを見える化」し、消費者が自ら把握し管理するための画期的なシステムです。日本政府は、2030年までにすべての住まいにHEMSを設置することを目指しています。

これまでテスラ社は、2LDKに住む家族の1日分の電力を確保することが可能で壁や床に設置する「パワーウォール2」という蓄電装置を2015年に販売し、2016年には⽶ソーラーシティを買収し、太陽光発電パネル「ソーラールーフ」の販売するなど、近年エネルギー事業を強化してきました。ソーラールーフとパワーウォール2が連携して電気を補給し、EVに充電するという、環境保護に特化しエネルギー効率のよい、新しい住まいのカタチを提供しています。ここに⼀般家庭で使⽤する電⼒の3〜4割を占めるエアコンを加えることで、HEMSの覇権をさらに強いものにしていく戦略がみてとれます。

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