新型コロナウイルスの影響により、蓄電池への注目が高まる
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2020年10月23日
一般社団法人エネルギー情報センター
災害時などで注目を集めた蓄電池ですが、コロナ禍でも使いやすい蓄電池の開発が進んでいます。最近では持ち運べる蓄電池や仮設トイレとして活用できる蓄電池などがあります。
蓄電池について
蓄電池は電気を充電して何度でも使用できる電池のことです。単三電池などは放電のみで使ったら再利用できません。このような電池は一次電池といいます。蓄電池は二次電池といわれるものになります。
蓄電池の種類はいくつかあり、リチウムイオン電池、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、NAS電池、レドックスフロー電池があります。電池によって、車に使われることが多い電池やパソコンや携帯などに使われている電池、大規模電力貯蔵施設に使われている電池など種類によって異なります。
例えばリチウムイオン電池はモバイル機器のバッテリーに使われることが多く、他の電池と比べて寿命が6~15年と長い点や、コストが高いといった特徴があります。
蓄電池は電気を貯めておけば使いたいときにいつでも使えます。2011年の東日本大震災をきっかけに、蓄電池は非常用電源としてその注目が集まりました。現在、新型コロナウイルスの影響により改めて蓄電池が注目されています。
最近のコロナ禍対策蓄電池
ソーシャルディスタンス型リチウムイオン蓄電池「GUARDIAN3.0」
株式会社これからが、持ち運びができるソーシャルディスタンス型リチウムイオン蓄電池「GUARDIAN3.0」を発売しました。同社は防災商品の開発・輸入・販売や防災デジタルマーケティングを行い、ネット・ゼロ・エネルギーを促進している会社です。「GUARDIAN3.0」は三元系高分子リチウムイオン電池が使われ、蓄電の容量は2,693Wとなっています。重量は27kgでキャリーバッグ型となっており持ち運び可能となっています。専用のソーラーパネルを使えば何度でも充電可能です。
災害時の電源確保やBCP対策などに活用できます。BCPとは事業継続計画のことで、企業が自然災害などの緊急事態において事業資産の損害を最小限にとどめ、中核事業の継続や早期復旧を可能とするため、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法などを取り決めておく計画のことです。
オフグリッドコンテナハウス「トランスホームα(アルファ)」
JHS株式会社がオフグリッドコンテナハウスの「トランスホームα」を発表しました。同社は再生可能エネルギー関連事業などを手がけており、2020年3月に日本住宅サービス株式会社から社名を変更しました。「トランスホームα」はSunMan社製のガラス不使用・超軽量モジュールのeArcheを、トランスホームジャパン社のオフグリッドコンテナハウスの屋根の載せています。太陽光と蓄電池の組み合わせによって電気を創る・貯める・使う「オフグリッドコンテナハウス」となっています。
容量としての課題はあるようですが、災害時の停電対応や仮設トイレや休憩所として活用できます。平時にはアウトドアやイベントなどにも使え、コロナ禍によってテイクアウトやデリバリーが流行し、フードトラックとしてキッチンカーや移動式カフェなどの用途としての狙いもあります。
個別配布型電源「非常用電源ステーション」
NTTアドバンステクノロジ株式会社が2020年10月から日本初の「非常用電源ステーション」を販売開始します。同社はトータルソリューションやクラウド・IoT、AI×ロボティクスなどの事業を行っている会社です。「非常用電源ステーション」はリチウムイオン蓄電池で親機と子機で構成されています。子機は親機から取り外してポータブル電源として利用でき、親機内蔵の電池も持ち運び可能です。親機1台につき子機が最大30台収納することができます。
子機からの給電で、機械にもよりますがUSB機器のファンやヒーター、LED照明機器は12時間動作が可能です。またスマートフォン 3 台の充電を満タンにすることができます。同社は災害時などの避難所において新型コロナウイルスなどの影響を考慮し、被災者の安心・安全を確保するため、ソーシャルディスタンスを保ったまま電源が利用できる「非常用電源ステーション」を販売することとしています。
ポータブル電源「LiB-AID E500 for Work」
車、バイクを手掛ける本田技研工業株式会社が電気設備の点検業務等の業務用蓄電機「LiB-AID(リベイド) E500 for Work」を10月6日に発売しました。「LiB-AID E500 for Work」はハンディータイプ蓄電機「LiB-AID E500」の電源の品質や拡張性の基本性能をそのままで、持ち運べる軽量で小型な電源というコンセプトで開発されました。運搬時や作業時の使い勝手を考慮し利便性や堅牢性が向上されています。また国内初のポータブル電源を対象とした補償が付帯されています。
「LiB-AID E500 for Work」は充電式リチウムイオン電池で、運転時間は300W:約1時間、500W:約35分です。良質な電気の安定供給や、電装部品を一体成型されたモノコックフレームでのカバー、電圧などの情報をもとにバッテリーを常に監視し過負荷などの異常から電装部品を保護、2台目と繋いで並列運転する際に一時的に定格電力を超過した場合の不足分を補助、20kgまでの機材載荷が可能などの特徴があります。
電気とセットで蓄電池を提供する新サービス「EnneBattery」
小売電気事業や省エネルギーに関するコンサルティングなどを行っている株式会社エネットが新サービス「EnneBattery」を開始しました。「EnneBattery」は電気と蓄電池をセットで提供し、初期費用ゼロでBCP対策ができるサービスです。「EnneBattery」は岐阜県加茂郡白川町の4箇所で採用されています。
「EnneBattery」の対象機種はエリーパワー社製の可搬型蓄電池POWER YIILE3(容量:2.5kWh、出力:1.4kW)とNTTファシリティーズ社製の無停電電源装置(UPS)FU-α3シリーズ(容量:1~3kVA、出力:0.7~2.1kW)です。採用している白川町からは蓄電池を移動して使用できること、停電時に複数のスマートフォン等の電源を確保し初動を早く開始できること、蓄電池の管理のしやすさが特に評価されています。
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執筆者情報
一般社団法人エネルギー情報センター
EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。
企業・団体名 | 一般社団法人エネルギー情報センター |
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