電気自動車による気候変動対策、世界の約95%のエリアで効果的、ケンブリッジ大学など発表

2020年04月07日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

電気自動車による気候変動対策、世界の約95%のエリアで効果的、ケンブリッジ大学など発表の写真

エクセター、ナイメーヘン、ケンブリッジ大学は3月、電気自動車への移行により世界の95%のエリアで脱炭素化が実現するとの最新の研究結果を発表しました。研究では発電方法の違いを考慮して、世界を59の地域に分割した上で詳細なシミュレーションが行われました。

ライフサイクル全体における電気自動車の脱炭素効果、95%のエリアで有効

環境・健康問題への対策としてガソリン車から電気自動車(EV)への移行が国際的にも求められている中、車体の製造から廃棄までを考慮すると、気候変動への効果はあまりない、とする見解も一部の資料等でみられる状況です。

こうした中、エクセター、ナイメーヘン、ケンブリッジ大学による最近の研究では、たとえ電気がいまだ化石燃料に依存しているとしても、電気自動車は全体として二酸化炭素排出量を削減すると結論付けています。

研究では発電方法の違いを考慮して、世界を59の地域に分割した上で詳細なシミュレーションが行われました。研究者はライフサイクル全体の評価を実施し、各種自動車を使用したときに発生する温室効果ガス排出量だけでなく、生産チェーンと廃棄物処理においても計算しました。

その調査結果によると、世界の95%で電気自動車の方が従来のガソリン車よりも気候対策に対し優れていることが示されています。電気自動車からの全体排出量は、スウェーデンやフランスの場合はガソリン車よりも約70%低く、英国では約30%低くなっています。

しかし唯一の例外はポーランドのようなエリアであり、そうしたエリアでは発電は依然としてほとんどを石炭に頼っています。ポーランドは石炭の一種である「褐炭」の上に国土があるような国で、2018年度のデータでは石炭火力が電源の8割を占めます。つまり、そうしたエリアでは電気自動車の燃料となる電源のCO2排出量が多いため、ガソリン自動車との比較を元に気候変動対策効果はなしとの結論に至っています。

しかしながら、世界中でエネルギー生産の脱炭素化が進んでいるため、エクセター大学の上級著者であるJean-Francois Mercure博士は、「数件の例外的なケースはすぐになくなる」と述べています。例えば前述のポーランドについても、2030年には石炭が発電に占める割合を60%まで削減する計画を明示しています。

また、オランダのナイメーヘン大学の筆頭著者であるFlorian Knobloch博士は、「電気自動車や電気ヒートポンプが排出量を増加させるという考えは、本質的には間違いです。この洞察は政策立案者にとって非常に役立つはずです。」と述べました。

その他、ケンブリッジ持続可能性リーダーシップ研究所の共著者であるPablo Salas博士は、「低炭素イノベーションが経済関連セクターに及ぼす影響を理解することは、効果的な政策の開発にとって重要です。私たちの研究が、特にパリ協定の枠組みの下での新しい炭素目標の議論を中心に、ここ英国および海外の政策プロセスに情報を提供できることを願っています。」と述べています。

この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。

無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
電力の補助金

補助金情報

再エネや省エネ、蓄電池に関する補助金情報を一覧できます

電力料金プラン

料金プラン(Excel含)

全国各地の料金プラン情報をExcelにてダウンロードできます

電力入札

入札情報

官公庁などが調達・売却する電力の入札情報を一覧できます

電力コラム

電力コラム

電力に関するコラムをすべて閲覧することができます

電力プレスリリース

プレスリリース掲載

電力・エネルギーに関するプレスリリースを掲載できます

電力資格

資格取得の支援

電験3種などの資格取得に関する経済支援制度を設けています

はてなブックマークGoogle+でシェア

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

トヨタ自動車、船舶向けの燃料電池を初開発、再エネによる世界一周の航海を支援の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2020年02月13日

新電力ネット運営事務局

トヨタ自動車、船舶向けの燃料電池を初開発、再エネによる世界一周の航海を支援

トヨタ自動車は2月、トヨタの欧州事業を統括するToyota Motor Europeと共同で、燃料電池技術を初めて船舶向けに応用し、再エネで世界一周航海を目指しているフランスの「エナジー・オブザーバー号」向けのFCシステムを開発したと発表しました。

環境省が「木から作る自動車」を公開、2016年に世界初始動したNCVプロジェクトの成果の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2019年11月11日

新電力ネット運営事務局

環境省が「木から作る自動車」を公開、2016年に世界初始動したNCVプロジェクトの成果

環境省は「東京モーターショー2019」にブースを展開し、木から作る軽量化したコンセプトカーを展示しました。同時に、世界初となるGaNを用いた超省エネルギーコンセプトカーも同時公開しています。

旭タンカーなど4社、EV船の開発に向けe5ラボ設立、2021年半ばまでに「世界初」のゼロエミッションタンカーを目指すの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2019年08月07日

新電力ネット運営事務局

旭タンカーなど4社、EV船の開発に向けe5ラボ設立、2021年半ばまでに「世界初」のゼロエミッションタンカーを目指す

8月6日、旭タンカー、エクセノヤマミズ、商船三井、三菱商事の4社は、電気推進(EV)船の開発、およびEV船を中心とした新しい海運インフラサービスの構築に向けた戦略的提携に合意し、新会社「株式会社e5(イーファイブ)ラボ」を設立したと発表しました。

太陽光の逆潮流をEVで抑制、入札で充電時間シフト、PV出力抑制量を約半減、電力コストは約2割減の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2019年07月29日

新電力ネット運営事務局

太陽光の逆潮流をEVで抑制、入札で充電時間シフト、PV出力抑制量を約半減、電力コストは約2割減

科学技術振興機構(JST)は、早稲田大学と東京大学の研究グループにより、電気自動車保有者の充電時間帯に着目したオークション式エネルギーマネジメント手法が開発されたと発表しました。

日本初、CO2ゼロの都市型通勤電車が実現、世田谷線の運行が再エネ100%にの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2019年03月28日

新電力ネット運営事務局

日本初、CO2ゼロの都市型通勤電車が実現、世田谷線の運行が再エネ100%に

東急電鉄は、東北電力、東急パワーサプライの協力により、水力および地熱のみで発電した再生可能エネルギー100%による世田谷線の運行を2019年3月25日から開始すると発表しました。東急電鉄によると、都市型鉄軌道線における、日本初の再エネ100%の電力による通年・全列車の運行になるとしています。