台風15号による停電、約80%が太陽光発電の自立運転機能を活用、JPEA調査

2019年10月28日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

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太陽光発電協会(JPEA)は、台風15号によって発生した大規模停電に際し、停電の規模が大きかった千葉県において「太陽光発電の自立運転機能」の活用についてのヒアリング調査を実施、10月17日に結果を発表しました。同調査のヒアリング対象は、JPEAの会員会社を通じて太陽光発電設備を設置している486件であり、調査期間は2019年9月20日(金)~10月10日(木)となります。

JPEAが「災害時における太陽光発電の自立運転についての実態調査」を実施

近年、急速なコスト低下により世界各地で導入が進む太陽光発電は、ケースによっては火力発電や原子力発電よりも高い経済性を確保することも可能になっており、今後ますますニーズが高まっていくものと考えられます。日本においては、固定価格買取制度による買い取り単価の下落や、製品自体のコストパフォーマンスの向上等により、初期費用無料のPPAモデルなど新しいビジネスモデルも生まれつつあります。

このようにニーズの高まる太陽光発電には、CO2排出の少ないクリーン電源としての役割だけではなく、停電時には非常用電源として活用することも可能であり、BCP対策として優れた機能を有します。

例えば、2019年9月発行の環境省の資料によると、太陽光発電の自立運転により、「ブラウン管のテレビ、携帯電話の充電器が使える」、「冷蔵庫・電気ポット・炊飯器・電子レンジも機種により、ほぼ使える。」、「場合によっては掃除機、洗濯機、井戸用のポンプも動かせる。」といった実験結果が得られています(図1)。

太陽光発電自立運転モードによる電気機器稼動実験結果(抜粋)

図1 太陽光発電自立運転モードによる電気機器稼動実験結果(抜粋) 出典:環境省

太陽光発電協会(JPEA)は、台風15号によって発生した大規模停電に際し、停電の規模が大きかった千葉県において「太陽光発電の自立運転機能」の活用についてのヒアリング調査を実施、10月17日に結果を発表しました。同調査のヒアリング対象は、JPEAの会員会社を通じて太陽光発電設備を設置している486件であり、調査期間は2019年9月20日(金)~10月10日(木)となります。

調査結果として、JPEAによると、今般の台風による停電において、蓄電池を併設しないケースでも約80%が自立運転機能を利用、停電時に有効に活用できたとしています。自立運転機能を利用された方の声としては、下記が挙げられます。

  1. 冷蔵庫を使うことができたので、中の食べ物を腐らせずに済んだ。
  2. 日中に冷蔵庫・洗濯機・扇風機・テレビが使えた
  3. 近隣の方へ携帯の充電等で貢献できたことが嬉しかった。

また、JPEAによると、太陽光発電に蓄電機能を併設されている方からは「1週間程度停電が続いたが太陽光(発電)のみで電気が供給できて大変助かった、夜電気が使用出来ることで子供も安心して過ごせた」等の声が寄せられたとしています。なお、今般の調査結果は下記の通りです。

調査結果(JPEA HPより)

1.蓄電機能を併設しない住宅用システム(太陽光発電システムのみ)へのヒアリング

ヒアリング件数:486件

自立運転機能を利用した件数:388件 (利用率:79.8%)

2.住宅用太陽光発電システムで自立運転を活用しなかった理由

①自立運転機能があることを知らなかった:24件

②運転方法が判らなかった:60件

③その他:14件

 ・携帯が使えず自立運転の方法が調べられなかった。

 ・年配のユーザーの方で調べる方法がわからなかった。

3.蓄電池・EV等の蓄電機能を併設したシステムの設置件数調査

1)住宅用太陽光発電システムの件数:1,799件

2)住宅以外の太陽光発電システムの件数:2件

 →これらの殆どは、自立運転機能をご利用いただいたと想定される

なお、太陽光発電の自立運転は万能ではなく、例えば自立運転コンセントの容量には限度があり、原則1500Wが上限です。そのためエアコンやオーブンレンジなど、大電力を要するものは起動しないか、動作が不安定になります。突入電流が大きな工業用ポンプや大型テレビなどの電気機器も、接続を避けたほうが良い電気機器とされています。

また、太陽光発電のため夜間は使用できません(図2)。加えて、雨天・曇天時には小容量の電気機器にしか使えません。そのため、電源が切れると故障する可能性が高い機器、例えばデスクトップ・パソコンは、特に雨天曇天時には接続を避けたほうが良いとされています。

日照変動による太陽光発電の発電量

図2 日照変動による太陽光発電の発電量 出典:環境省

JPEAは、運転方法が分からなかったとの声について、ホームページの改善等分かりやすい運転方法の周知についても対応を進めるとしています。なお、同協会のWEBサイトでは、太陽光発電システム各社の「自立運転機能」に関するリンク一覧を掲載しています。

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