降雪から電気を生み出す新デバイス、太陽光発電への統合で天候変化に対応、UCLA発表
| 政策/動向 | 再エネ | IT | モビリティ | 技術/サービス | 金融 |
一般社団法人エネルギー情報センター

雪が積もると、太陽光パネルに到達する日光の量が減り、パネルの出力が制限されます。こうした中、UCLAの研究者らは、雪が降ると電気を発生させる新しい装置を設計しました。プラスチックシートのように安価で、小さく、薄くそして柔軟なデバイスとなります。
プラスチックシートのように安価で柔軟な雪専用発電装置
世界中で急拡大する自然エネルギー市場の中で、汎用性の高さから太陽光発電の普及が飛躍的に進んでいます。ただ、太陽光発電は、比較的場所を選ばず、少ない投資からでも設置しやすい利点はあるものの、発電量が天候に強く影響される部分が今後の課題となっています。
太陽光発電の出力に影響する要素は複数ありますが、その中の一つとして「雪」があります。カリフォルニア大学の資料によると、毎冬、地球の表面の約30%は雪で覆われており、その間はソーラーパネルの機能が著しく低下することとなります。
雪が積もると、太陽光パネルに到達する日光の量が減り、パネルの出力が制限されます。こうした中、UCLAの研究者らは、雪が降ると電気を発生させる新しい装置を設計しました。
新しい装置は「snow TENG」と研究チームにより命名されました。雪が降る間において連続的な電力供給を可能とするため、ソーラーパネルに統合することで、太陽光発電の欠点を抑えることができます。研究チームは、「snow TENG」はプラスチックシートのように安価で、小さく、薄くそして柔軟だとしています。
「snow TENG」は、静電気を通して電荷を発生させる摩擦電気ジェネレータであり、電子の交換からエネルギーを生成します。雪は正に帯電しておりますが、雪がシリコンの表面に触れることで、電荷が発生し、それがデバイスによって電気に変換されます。
研究チームは、3D印刷を使用してデバイスを設計しました。デバイスには、シリコン層と電荷を捕捉するための電極があります。デバイスに関する調査報告書を執筆したRichard Kaner氏によれば、「製造の容易さとシリコンの入手可能性」を考えると、このデバイスは恐らく低コストで製造できる、としています。シリコンは、潤滑剤、電線絶縁材、生物医学的インプラントなど、幅広く使用されています。
研究助手であるMaher El-Kady氏は、「アルミホイルやテフロンを含む多数の材料をテストした結果、シリコンは他のどの材料よりも多くの電荷を生成することが判明した」としています。
Kaner氏は、「「snow TENG」はスキーなどのウィンタースポーツの監視に使用することが可能であり、ランニング、ウォーキング、ジャンプといったアスリートのパフォーマンスをより正確に評価できる」と述べています。
この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。
無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
執筆者情報
一般社団法人エネルギー情報センター
EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。
| 企業・団体名 | 一般社団法人エネルギー情報センター |
|---|---|
| 所在地 |
〒160-0022 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F |
| 電話番号 | 03-6411-0859 |
| 会社HP | http://eic-jp.org/ |
| サービス・メディア等 |
https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET |
関連する記事はこちら
一般社団法人エネルギー情報センター
2026年01月12日
【第1回】AIデータセンター時代のシステム設計:ワット・ビット連携、GX戦略地域、PPA・電源ポートフォリオの実務論点
データセンターは、地域の電力インフラ設計を左右する存在へと変わりつつあります。背景には、需要施設の増加や、高負荷率・増設前提という運用特性に加え、脱炭素の要件も加わり、結果として、電力の「量」だけでなく「確実性」と「環境価値」が事業の成否を分ける事が挙げられます。
こうした状況の中で、日本でも制度設計が大きく動いています。具体的には、系統用蓄電池における系統容量の「空押さえ」問題に対して規律強化が議論される一方、国としてはワット(電力)とビット(通信)を一体で整備する「ワット・ビット連携」を掲げ、自治体誘致やインフラ整備を含めた「GX戦略地域」等の枠組みで、望ましい立地へ需要を誘導しようとしています。さらに、需要家側では、脱炭素要請の高まりを受けて、PPAなどを通じた環境価値の調達や、電源ポートフォリオ(再エネ+調整力+バックアップ等)をどう設計するかが、契約論を超えて運用設計のテーマになっています。
本シリーズでは「AIデータセンター時代のシステム設計」を、①ワット・ビット連携、②GX戦略地域、③PPA・電源ポートフォリオの実務論点――という3つの観点から、全3回で整理します。日本の最新の制度設計と接続して、実装するなら何が論点になるかに焦点を当てるのが狙いです。
一般社団法人エネルギー情報センター
2025年04月30日
分散型エネルギーとV2G(Vehicle to Grid)の可能性|Nuvve社 CEO来日特別対談 レポート
世界最先端のV2G(Vehicle to Grid)技術を有するNuvve社のCEO、Gregory Poilasne氏が来日し、東京で特別セッションが開催されました。本セッションでは、一般社団法人エネルギー情報センター理事であるRAUL株式会社の江田とGregory氏が対談を行い、日本のエネルギーシステムの未来とNUVVE JAPANの戦略について語られました。本記事では、当日のイベントの様子を時系列に沿ってご紹介します。
一般社団法人エネルギー情報センター
2025年03月26日
系統用蓄電池のアグリゲーションについて|系統用蓄電池ビジネス参入セミナーアーカイブ
2025年2月26日開催のオンラインセミナー「系統用蓄電池ビジネス参入セミナー」にて、デジタルグリッド株式会社の豊田祐介氏が講演した「系統用蓄電池のアグリゲーション」について、その要約をご紹介します。
一般社団法人エネルギー情報センター
2025年03月18日
系統用蓄電池での安全面や各種補助金について|系統用蓄電池ビジネス参入セミナーアーカイブ
2025年2月26日開催のオンラインセミナー「系統用蓄電池ビジネス参入セミナー」にて、電気予報士の伊藤 菜々 氏が講演した「系統用蓄電池での安全面や各種補助金」について、その要約をご紹介します。
一般社団法人エネルギー情報センター
2025年03月18日
系統用蓄電池の導入事例について|系統用蓄電池ビジネス参入セミナーアーカイブ
2025年2月26日開催のオンラインセミナー「系統用蓄電池ビジネス参入セミナー」にて、株式会社パワーエックスの小嶋 祐輔 氏が講演した「系統用蓄電池の導入事例」について、その要約をご紹介します。







