経産省とNEDO、世界初となる「水素閣僚会議」を東京で開催、Tokyo Statement(東京宣言)発表

2018年11月08日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

経産省とNEDO、世界初となる「水素閣僚会議」を東京で開催、Tokyo Statement(東京宣言)発表の写真

10月23日、経済産業省及びNEDOの主催の下、世界で初めて閣僚レベルが水素社会の実現をメインテーマとして議論を交わす「水素閣僚会議」が東京において開催されました。その成果として「Tokyo Statement(東京宣言)」が示されました。

世界初の水素閣僚会議、300人以上が参加

温暖化対策の国際枠組みであるパリ協定の発効を受け、脱炭素化への取組が世界中で進んでいます。そうした中、水素活用に対する期待が高まっており、日本においては2018年7月にとりまとめたエネルギー基本計画の中で、脱炭素化に向けた取組として水素活用を位置づけています。また、昨年12月には世界で初めての水素基本戦略を策定し、供給・利用両面の取組を一体的に進めています。

水素は、化石燃料と二酸化炭素回収・貯留、あるいは再エネなどのリソースを結びつけ、脱炭素化を実現するキーテクノロジーです。世界各国で水素利用に向けた様々な取組が進められています。日本においては、27万台を超える家庭用燃料電池、約2800台の燃料電池自動車が普及しており、水素ステーションは世界最多の100カ所が整備済みです。

今後、水素の利活用をグローバルな規模で推進していくためには、関係各国が歩調を合わせ一層連携していくことが重要です。このため、経済産業省及びNEDOの主催の下、10月23日に世界で初めて閣僚レベルが水素社会の実現をメインテーマとして議論を交わす「水素閣僚会議」が東京において開催されました。

今回の会議では、経済産業省の世耕経済産業大臣が議長を務め、21カ国・地域・機関より閣僚等が集まり、300人以上の水素に関連する企業・政府関係者及び研究者が参加しました(図1)。

水素閣僚会議 集合写真

図1 水素閣僚会議 集合写真 出典:経済産業省

「Tokyo Statement(東京宣言)」発表

当日の午前中は閣僚会合が開催され、世耕経済産業大臣による開会挨拶では、「エネルギー転換、脱炭素化に向けては、多くの選択肢があるが、水素こそが、新たなエネルギーの未来を切り開く鍵となると確信。」「水素を新たなエネルギーの選択肢とするためには、水素がビジネスとして自立できるマーケットが創出されることが必要不可欠。」といった旨を述べました。

閣僚会合では、国際的な水素社会実現に向けた課題や政策の方向性について議論が行われました。その成果として、技術のコラボレーションや国際共同調査の必要性など、各国の共通認識の下、世耕経済産業大臣より議長サマリーとして以下の4項目から成る「Tokyo Statement(東京宣言)」が示されました。水素エネルギー担当の各国大臣及び担当代表者は、これらの項目に関して協力する重要性を共有しました。

  1. 技術協力及び、規制、規格・基準のハーモナイゼーション、標準化の推進
  2. 水素の安全性及びサプライチェーンに関する情報共有及び国際共同研究開発の推進
  3. CO2及び他の汚染物質を削減する水素の可能性調査・評価
  4. コミュニケーション、教育及びアウトリーチ

その後、午後は民間セッションとして、民間・国際機関によるプレゼンテーションが行われました。Tokyo Statement(東京宣言)を踏まえ、IEAやIPHEなどの国際機関が世界の最新動向を解説するとともに、世界のリーダー企業が水素の利用拡大の道筋などについて講演しました。

ニュージーランドとの間で「水素に関する協力覚書」署名

世耕経済産業大臣は、今回の会議に参加したニュージーランドのビジネス・イノベーション・雇用省のミーガン・ウッズ大臣と、水素に関する協力を促進することを目的とする覚書(MOC)の署名を行いました。

この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。

無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
電力の補助金

補助金情報

再エネや省エネ、蓄電池に関する補助金情報を一覧できます

電力料金プラン

料金プラン(Excel含)

全国各地の料金プラン情報をExcelにてダウンロードできます

電力入札

入札情報

官公庁などが調達・売却する電力の入札情報を一覧できます

電力コラム

電力コラム

電力に関するコラムをすべて閲覧することができます

電力プレスリリース

プレスリリース掲載

電力・エネルギーに関するプレスリリースを掲載できます

電力資格

資格取得の支援

電験3種などの資格取得に関する経済支援制度を設けています

はてなブックマーク

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

物流業界の脱炭素化と中堅・中小企業のGX事例の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2023年12月29日

新電力ネット運営事務局

物流業界の脱炭素化と中堅・中小企業のGX事例

持続可能な未来に向けて物流業界の脱炭素化は急務です。その中でも大手物流企業のGX事例は注目すべきアプローチを提供しています。今回は、脱炭素化の必要性と大手物流企業が果敢に進めるGX事例に焦点を当て、カーボンニュートラル実現へのヒントを紹介します。今回は中堅・中小企業のGX事例です。

スコープ3の開示義務化が決定、脱炭素企業がとるべき対応とはの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2023年11月02日

新電力ネット運営事務局

スコープ3の開示義務化が決定、脱炭素企業がとるべき対応とは

2023年6月にISSBはスコープ3の開示義務化を確定。これを受けて、日本や海外ではどのような対応を取っていくのか注目されています。最新の動向についてまとめました。

電力業界の最新動向について/新電力の撤退等はピークアウト、3割が値上げへの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2023年09月12日

新電力ネット運営事務局

電力業界の最新動向について/新電力の撤退等はピークアウト、3割が値上げへ

厳しい状況が続いた電力業界ですが、2023年に入り、託送料金引き上げと規制料金改定により、大手電力7社が値上げを実施。政府は電気・ガス価格の急激な上昇を軽減するための措置を実施しています。値上げを実施する新電力企業も3割ほどあり、契約停止、撤退・倒産等もピークアウトしています。

“脱炭素先行地域”に62地域が選定。地域のエネルギーマネジメント推進や課題解決のキーワードになるかの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2023年08月31日

新電力ネット運営事務局

“脱炭素先行地域”に62地域が選定。地域のエネルギーマネジメント推進や課題解決のキーワードになるか

2030年度目標のCO2排出量2013年度比46%減を実現するために、地方から脱炭素化の動きを加速させています。今回は、事例を交えて脱炭素先行地域の取り組みについて紹介をします。

水素エネルギーの可能性に目を向け、各国が巨額投資!?海外の最新動向についての写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2023年07月11日

新電力ネット運営事務局

水素エネルギーの可能性に目を向け、各国が巨額投資!?海外の最新動向について

6年ぶりの改訂が注目を集めた「水素基本戦略」。同資料の中でも、各国の水素エネルギーに関する動向がまとめられていました。世界で開発競争が激化してきた水素エネルギーについて最新の海外動向をご紹介します。

 5日間でわかる 系統用蓄電池ビジネス ビジネス屋と技術屋が一緒に考える脱炭素