急増する英国の電動自動車マーケット、日本メーカーがシェア6割に、英国の業界団体が発表

2018年10月03日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

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英国の業界団体であるSMMTは、今年に入り英国の購入者が新車登録した電動自動車の内、10台中6台が日本車であったと発表しました。英国で新車購入された日本メーカーの電動自動車は、2017年1~8月が45751台であったのに対し、2018年1~8月は54000台を超え、需要が昨年から18.5%増加しています。

英国で進められる自動車の電動化、新車の6割が日本メーカー

持続的な社会発展のため、地球温暖化への対応を求める声が急速に高まってきており、その対策の一つとして世界各国で自動車の電動化の流れが進んでいます。英国はEV推進を進める国の1つで、英国のゴーブ環境相は2017年7月26日、ガソリン車とディーゼル車の新規販売を2040年から禁止すると正式発表しています。また、2030年までに新車の50%を「超低排ガス車」にすることを目指しています。

こうした政府のイニシアチブが、業界戦略や自動化・電気車両法案に影響を与えています。例えば、英国政府の資金援助プログラムとして、2018年からファラデー・バッテリー・チャレンジ(Faraday Battery Challenge)が始まっています。このプログラムは、新しいバッテリー技術の開発と産業化を支援するもので、2億4600万ポンドの資金が充てられています。

こうした中、英国の業界団体であるSMMT(Society of Motor Manufacturers and Traders)は、今年に入り英国の購入者が新車登録した電動自動車の内、10台中6台が日本車であったと発表しました。なお、この集計の中で定義する「電動自動車」は、ハイブリッドカー、プラグインハイブリッドカー、バッテリー式電気自動車、燃料電池自動車を指します。

SMMTによると、英国で新車購入された日本メーカーの電動自動車は、2017年1~8月が45751台であったのに対し、2018年1~8月は54000台を超え、需要が昨年から18.5%増加しています。

とりわけ大きな伸びを見せたのは、ハイブリッド車と、プラグインハイブリッド車です。ハイブリッド車では、トヨタ・ヤリス(前年比+47.9%、2017年:6626台→2018年:9801台)と、レクサスNX(同+24.7%、2365台→3013台)の需要が増加しました。プラグインハイブリッド車では、トヨタ・プリウス(同+109.4%、256台→535台)が2倍以上の新車登録数となりました。

そのほか、ヨーロッパ向けに英国で生産された日産リーフは、英国市場をリードする純粋な電気自動車であり、電動自動車の新車登録数の5分の2以上に相当します。

英国と日本の自動車業界

日英間の自動車製造の関係には強固な伝統があり、ホンダがブリティッシュ・レイランドとの合弁事業を立ち上げた1981年にさかのぼります。1989年までにホンダはSwindonでエンジンを製造するようになり、5年後に同プラントはシビックの製造を開始しました。

日産は1986年に日本のメーカーで初めて、サンダーランドに工場を設立しました。現在はそこでキャシュカイ、ジューク、そして世界のベストセラーEVであるリーフを製造しています。

トヨタは1992年にダービーシャー州バーナストンの工場から市場参入しました。以来、日本の部品メーカーが後に続き、今では50社ものサプライヤーが英国に拠点を置いています。

自動車業界は英国経済において重要なセグメントであり、SMMTによると、売上高820億ポンド、85万6000人の雇用を実現しています。英国の総貨物輸出の12.8%を占めており、自動車研究開発に年36億5000万ポンドが投資されています。

英国自動車の業界にとって日本市場は重要であり、英国からアジアに輸出している国の内、日本は中国に次ぐ第2位の市場規模となります。英国メーカーの自動車を選ぶ日本人ドライバーも増加しており、2018年1月から8か月の期間で、前年比60.5%増しています(2017年:17704台→2018年:28414台)。

SMMT最高責任者のマイク・ハウズは、「日本との貿易関係を強化するための政府による投資は、間違いなく両国に多大な利益をもたらすことでしょう。先ごろ締結した日英自由貿易協定(EU-Japan Free Trade Deal)が貿易を増加させる一方、英国がEU離脱後の自由貿易で利益を上げるためには、EU、日本双方との長期合意が必要です」と述べています。

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