新電力の実態調査、4分の1以上が売上100億円以上、帝国データバンクが分析
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帝国データバンクは9月、「登録小売電気事業者」に登録された全国508社(2018年8月9日時点)について、自社データベースである企業概要ファイル「COSMOS2」(147 万社収録)などを基に、都道府県別、設立時期、業種別、年売上高別、上場区分別等に集計・分析した結果を発表しました。
帝国データバンク、「登録小売電気事業者」に登録された全国508社を分析
2016年4月から始まった電力小売りの全面自由化に際して、「特定規模電気事業者」から「小売電気事業者」へと制度の枠組みが変更されました。全面自由化前までは、資源エネルギー庁への届け出により「特定規模電気事業者(PPS)」として参入が容易にできました。加えて、東日本大震災以降のエネルギー分野への注目の高まりとともに事業者数は急増しました。具体的には、2014年から2016年の2年間で約4倍もの増加をみせていました(2016年3月28日時点で799社)。
一方、2016年4月から始まった「小売電気事業者」ではライセンス制が導入されており、新電力事業への参入ハードルは上昇しました。このライセンス制により登録に際しては、PPSと比べると、電力供給量の確保など様々な要件を満たす必要が発生しました。
しかし、既に電力販売実績のある大手企業や、電力事業への意欲の高いベンチャー企業が参入するなど、競争は過熱しています。2016年4月1日までに小売り登録を完了した事業者は約200社ですが、それから2年半ほど経過した現在は約500社と、2.5倍ほどに増加しています。
このように登録数は増加傾向にある中、2018年8月8日には、福島電力が債権者からの申し立ての後に破産開始決定を受けました。制度変更前の参入ハードルの低い時期であれば、2016年3月に破産した日本ロジテック協同組合が注目されましたが、今回は全面自由化後のケースという事で、新電力会社の経営状況が注目されています。
こうした中、帝国データバンクは、「登録小売電気事業者」に登録された全国508社(2018年8月9日時点)について、自社データベースである企業概要ファイル「COSMOS2」(147 万社収録)などを基に、都道府県別、設立時期、業種別、年売上高別、上場区分別等に集計・分析した結果を発表しました。
設立時期、2010年以前が半数以上
2018年8月9日時点で経済産業省に届け出がある「登録小売電気事業者」は全国に508社あります。その内、設立時期を見ると、2010年までに設立された企業が269社(構成比53.0%)となり、半数以上を占めました。
全面自由化が始まる直前の2015年、事業者としての登録が必要になる事を受けて、新電力会社を新設する動きが急増しました。そのため、全面自由化前の2015年が、単年での設立社数としては64社(構成比12.6%)で最多となっています(図1)。

図1 設立時期 出典:帝国データバンク
業種別、電力小売メインが約4分の1
508社の主業を帝国データバンクの分類する業種別に見ると、「電気事業所」「ガス事業所」「発電所」を含む「その他」(171社、構成比33.7%)が最多となります。以下、「サービス業」(71社、同14.0%)、「卸売業」(58社、同11.4%)、「小売業」(44社、同8.7%)と続きます。
業種の詳細を見ると、最多は「電気事業所」(123 社、同 24.2%)で、4 社に 1 社が主業としていることが判明しました。次いで「有線テレビ放送」(27 社、同 5.3%)、「石油卸」(23 社、同 4.5%)、「燃料小売」(23 社、同4.5%)、「ガス事業所」(20 社、同 3.9%)などが上位を占めました(図2)。

図2 業種別分類 出典:帝国データバンク
非上場が9割以上
508社の上場区分を見ると、未上場企業が463社(構成比 91.1%)にのぼり、90%を超えました。これに対し、上場企業は 45 社(同 8.9%)と 1 割未満に留まりました(図3)。

図3 上場区分別 出典:帝国データバンク
売上高100億円以上の企業数、PPS時代とほぼ変わらず
508社を年売上高別に見ると、「10 億円以上 100 億円未満」(127 社、構成比 25.0%)が最多となります。以下、「100 億円以上 1000 億円未満」(83 社、同 16.3%)、「1 億円以上 10 億円未満」(61 社、同12.0%)と続きます。全面自由化前のPPSと比較すると、年売上高100億円以上の企業数はほとんど変化がないのに対し、100億円未満の企業数は半数以下に減少しており、売上規模の大きい企業の占める比重が増している状況が分かります(図4)。

図4 年売上高別 出典:帝国データバンク
登録企業の約4分の3に販売実績あり
508社のうち、2018年4月の電力販売実績があるのは、みなし小売電気事業者を除くと374社(構成比 73.6%)です。PPSにおいては、2016年1月時点で販売実績があったのは全体の 14.8%であったので、その数値と比較すると、大幅に増加しています。ライセンス制の導入により小売登録のハードルが高まったため、登録全体に占める販売割合が高まったものと考えられます。
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