中部電力、LNG火力発電所で発電効率63.08%を達成、世界一の効率でギネス認定
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3月27日、中部電力および東芝エネルギーシステムズは、中部電力西名古屋火力発電所7-1号において発電効率63.08%を達成し、世界最高効率のコンバインドサイクル発電設備としてギネス世界記録認定を受けたと発表しました。
LNG火力発電所で発電効率63.08%を達成
従来の方式による火力発電はCO2排出量が多いことから、より効率よく電気を作り、化石燃料の使用量を減らすことが求められています。⽕⼒発電技術については、⽯炭⽕⼒、LNG⽕⼒とも、単⼀タービンのシングルサイクル(第1世代)から、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたコンバインドサイクル(第2世代)、さらに燃料電池を組み合わせたトリプルコンバインドサイクル(第3世代)へと進展すると考えられます。
経済産業省がとりまとめた「次世代⽕⼒発電に係る技術ロードマップ」によると、第3世代のトリプルコンバインドサイクル発電については、2020年ごろから実用化が進んでいく見込みです(図1)。発電効率について、1950年代には30%程度であったものが、近年は50%を超えるようになってきており、今後さらに効率化していくと考えられます。

図1 ⽕⼒発電の⾼効率化に向けた技術開発の進展 出典:経済産業省
日本としても、2015年7⽉に決定された⻑期エネルギー需給⾒通しにおいて、⽯炭⽕⼒発電、LNG⽕⼒発電それぞれ⾼効率化を図ることとされています。こうした中、中部電力および東芝エネルギーシステムズは、中部電力西名古屋火力発電所7-1号において発電効率63.08%を達成し、世界最高効率のコンバインドサイクル発電設備としてギネス世界記録認定を受けたと発表しました(図2)。この記録は、2017年12月のFrost&Sullivanによる検証と、2018年1月のBureau Veritasによる測定に基づいています。

図2 ギネス認定された西名古屋火力発電所7号系列の外観 出典:東芝エネルギーシステムズ
前回ギネス記録から0.86%の効率向上
今回ギネス認定となった西名古屋火力発電所7-1号は、3台のガスタービンに対して1台の蒸気タービンを組み合わせた多軸式コンバインドサイクル発電方式を採用しています。多軸形は、スチームタービンの容量を大きくすることができるため、高い熱効率を得ることができます。2012年に株式会社東芝(現東芝エネルギーシステムズ)が中部電力より発電設備を受注し、建設工事を進め、2017年9月に営業運転を開始しました(図3)。

図3 西名古屋火力発電所7号系列の概要 出典:中部電力
今回の発電システムは、全体の設計が最適化されており、ガスタービン(GE社製)と蒸気タービンおよび発電機(いずれも東芝エネルギーシステムズ製)の組み合わせにより実現しています。前回の2016年に記録されたギネスにおいても、GE社製のガスタービンは利用されており、その際には62.22%を達成していました。そのため今回の記録は、前回よりも0.86%の効率向上を達成していることとなります。
前回の記録による発電所は、GEのHAガスタービンを用いた初のコンバインド・サイクル発電所であり、フランスのブシャンに建設されました。HAガスタービンのコンプレッサーはわずか10秒間でグッドイヤーの大型飛行船を膨らませるほどの空気を吹き込み、ガスタービンのブレードの先端は音速の1.5倍で回転するものでした。
経年劣化した発電所の更新によりギネス達成
西名古屋火力発電所は、1970年に石油火力発電所として営業運転を開始しましたが、設備の高経年化が進んでいました。そのため、二酸化炭素排出量と燃料使用量の削減を目的に、高効率発電設備への更新が進められ、その中でギネス認定を実現しました。
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