2018年度の再エネ賦課金が6年連続の上昇で2.90円に、FIT単価は小型風力が55円から20円に確定

2018年03月26日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

2018年度の再エネ賦課金が6年連続の上昇で2.90円に、FIT単価は小型風力が55円から20円に確定の写真

3月23日、経済産業省は、FITの2018年度の買取価格及び賦課金単価等を決定したと発表しました。買取価格については、小型風力の区分がなくなり、55円から20円になったことが大きな変化といえます。再エネ賦課金については、2.90円/kWhとなり、前年度から0.26円(約10%)増加しました。

2018年度のFIT単価、再エネ賦課金が決定

経済産業省が、調達価格等算定委員会がまとめた「平成30年度以降の調達価格等に関する意見」を尊重し、2018年度のFIT単価、再エネ賦課金を決定したと発表しました。買取価格については、小型風力の区分がなくなり、55円から20円になったことが大きな変化といえます。

また、2018年度から入札制に移行する電源として、一般木材等(10,000kW以上)とバイオマス液体燃料(全規模)があります。賦課金については、6年連続で上昇し、2.90円となりました。今回の決定の概要について、以下にて見ていきたいと思います。

再エネ賦課金、買取費用が3兆円を突破

FITによる再エネ電気買取の費用は、電気を使う需要家から回収する仕組みとなっています。その賦課金単価について、2018年度は1kWh当たり2.90円と決定しました。1ヶ月間で300kWh(概ね月に7000円程度)の電力を利用する場合、月額では870円、年間では10440円となります。

賦課金単価の増加の理由は、主としてFITによる再エネ電気の買取量の増加が要因となります。賦課金の算定根拠となる、国全体のFIT買取費用が増えることで、前年度から+0.26円(約10%増)となりました。FITが10~20年の期間で価格固定されるという特性もあり、6年連続で賦課金単価は上昇しています。

年度 買い取り単価 昨年度比 標準家庭の負担(300kWh/月)
平成24年度 0.22円/kWh 年額792円、月額66円
平成25年度 0.35円/kWh 0.13円(約60%)増 年額1260円、月額105円
平成26年度 0.75円/kWh 0.4円(約115%)増 年額2700円、月額225円
平成27年度 1.58円/kWh 0.83円(約110%)増 年額5688円、月額474円
平成28年度 2.25円/kWh 0.67円(約42%)増 年額8100円、月額675円
平成29年度 2.64円/kWh 0.39円(約17%)増 年額9504円、月額792円
平成30年度 2.90円/kWh 0.26円(約10%)増 年額10440円、月額870円

賦課金の単価を変動させる要素は、FIT買取価格だけではなく、回避可能費用や電力需要といったものがあります(図1)。回避可能費用は、再生可能エネルギーが増えることで上昇しており、これは賦課金を下げる要因となります。しかし、FIT買取費用の増加を補うほどの数値とはなりません。また、FIT運用等にかかる費用を、電力需要で除した数値が賦課金となりますが、電力需要は前年度から大きな変更はなく、賦課金に影響を与えませんでした。

賦課金単価算定根拠

図1 賦課金単価算定根拠 出典:経済産業省

小型風力発電、20kW以上と同様の買取単価に

2018年度の買取価格について、大きな変更点として挙げられるのが小型風力の区分撤廃です。これまで、20kW未満の小型風力発電は55円/kWhという金額が設定されていましたが、20円/kWhと半分以下になりました。

風力発電 規模 2017年度(参考) 2018年度 2019年度 2020年度
陸上風力 全規模 20kW以上:21円+税、20kW未満:55円+税 20円+税 19円+税 18円+税
陸上風力(リプレース) 全規模 18円+税 17円+税 16円+税 16円+税
着床式洋上風力 全規模 36円+税 36円+税 36円+税
浮体式洋上風力 全規模 36円+税 36円+税 36円+税 36円+税

20kW未満の小型風力発電については、昨年度の委員会において、「設置期間が短い上、まだ得られているデータも少なく、コスト動向を注視すべきことから、予め3年間の調達価格を定めず、今後データ収集を進め、来年度以降、調達価格の見直しについて議論を深めるべき」とされていました。

その後、小型風力のFIT認定が大幅に進み、2017年9月末時点で339件(5400kW)が導入されたことから、検討材料となるデータが集まってきました。そのため、今年度の委員会においては、その取扱いについて議論が行われました。

FITの買取価格については、再エネ発電に係る費用などが考慮され、決定されます。その点で、小型風力の資本費については、平均値は137万円/kW、中央値は128万円/kWとなっており、大型の風力発電と比較すると、発電規模に対する費用がより必要なことが分かります。例えば、20kW以上の風力発電については、平均値35.0万円/kW、中央値33.1万円/kWと、小型の4分の1程度です。

小型風力の運転維持費については、平均値は2.7万円/kW/年、中央値は1.8万円/kW/年となっています。20kW以上の風力発電の場合、平均値1.61万円/kW/年、中央値1.23万円/kW/年のため、小型である方が運転維持費が大きいという結果となっています。

設備利用率については、認定データ及び費用負担調整機関に報告された発電電力量から、中央値は7.6%となっています。一方、20kW以上の風力発電の場合、中央値は26.8%という数値が出ており、小型と比較すると3倍以上効率が良い結果となっています。

このように、発電量に対する費用が大きいため、小型風力発電の投資回収可能な調達価格を機械的に算出すると、120円/kWh程度となります。そのため、小型風力を設置した発電事業者に利潤が生まれるようにするには、FIT買取価格を高く設定する必要があります。一方で、FIT買取価格を高くすると、再エネ賦課金に反映され国民負担が大きくなります。

小型風力の価格低減については、今年度の委員会で、日本小形風力発電協会から「2030年に小形風車の発電コスト30円/kWhを下回る」という目標が提示されました。しかし、30円/kWhという目標を達成できたとしても、現在の電力市場価格等を考慮すると、FIT制度からの自立化を見通すことは困難と考えられます。

そのため、委員会では、FIT制度の趣旨を踏まえると、FIT制度からの自立化が困難である小型風力発電は、これまでの55円/kWhといった高価格での新規認定を行い続けることは適当とはいえないと結論付けています。そのため、コスト効率的な小型風力の案件を支援する形となるよう、20kW以上の風力発電と同じ買取区分に設定されることとなりました。

海外では大型と小型は同区分の買取価格設定となっているか、小型区分を設定している場合でもその価格は安いです(図2)。そのため、日本の買取価格・発電コストは高止まりしていると考えられます。今後、小型風力発電の費用対効果の向上のほか、自家消費や防災用、離島等での活用といった特殊用途での利用が広がっていくことが期待されます。

小型風力の買取価格(100kW以下、価格は2016年12月時点)

図2 小型風力の買取価格(100kW以下、価格は2016年12月時点) 出典:経済産業省

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