水不足のサウジアラビアで海水淡水化技術の実証開始、逆浸透膜と比較し約2割の省エネ
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一般社団法人エネルギー情報センター

1月15日、NEDOはサウジアラビア海水淡水化公社(SWCC)と共同で、省エネルギー型の海水淡水化技術の実証事業を実施することに合意したと発表しました。淡水資源が乏しいサウジアラビアにおいて、日本国内で確立された省エネルギー型の海水淡水化システム「Mega-ton Water System」が活用されます。
水需要の増加するサウジアラビア、日本技術の海水淡水化で省エネ目指す
サウジアラビアは世界トップクラスの原油生産量を誇る資源国である一方で、降雨量が少ないため淡水資源が乏しいです。そのため、国土の慢性的な水不足が問題となっています。
降雨などでの水資源に期待できないため、、都市部に供給する水の大部分が海水淡水化に依存していますが、現状で主流である蒸発法は多くのエネルギーを必要します。蒸発法は、石油などの化石資源を燃焼させ海水を熱し、気化した水を再度冷却することで淡水を得る方法です。サウジアラビアをはじめ、中東地域において主流となっていますが、淡水生産量あたりのエネルギー消費量が大きいことが課題です。
サウジアラビアは原油だけではなく、天然ガスも世界有数の規模を誇り、2015年度の生産量は世界9位です(図1)。しかし、自国内で全量を消費しており、それは上述の海水淡水化、そして発電や石油化学原料利用により利用されています。

図1 サウジアラビアの原油・天然ガス 出典:在サウジアラビア日本国大使館
また、IMFの資料によると人口が2000年の約2000万人から、2016年には約3200万人と増加しており、それに伴い水需要も増大し続けています。より少ないエネルギーでより多くの淡水を生産する技術が求められおり、そこでNEDOはサウジアラビア海水淡水化公社(SWCC)と共同で、省エネルギー型の海水淡水化技術の実証事業を実施することに合意したと発表しました。
淡水資源が乏しいサウジアラビアにおいて、日本国内で確立された省エネルギー型の海水淡水化システム「Mega-ton Water System」が活用されます。2017年12月11日に基本協定書(MOU)が締結されました。
従来の逆浸透膜法と比較し2割の省エネ
中東地域において主流となっている蒸発法よりもエネルギー消費量が少ないとされる海水淡水化に、逆浸透膜法(RO膜法)があります。海水をRO膜で濾過することで淡水を得るため省エネとなります。そして、この省エネとされるRO膜法をさらに省エネ化する技術に、「低圧多段高収率海水淡水化システム」があります(図2)。
「低圧多段高収率海水淡水化システム」は、NEDOが2009~2013年度に「Mega-ton Water System」プロジェクトに研究支援機関として参画した際に生まれました。「Mega-ton Water System」は、内閣府が実施した「最先端研究開発支援(FIRST)プログラム」における研究開発テーマのひとつであり、そこで開発された省エネルギー型の海水淡水化・水循環システムの総称です。
新型RO膜法の使用や、膜ユニットの配置を多段とするなどにより、従来のRO膜において必要であった高圧ポンプの稼働等によるエネルギー消費を約2割削減することが可能です。
今回の事業では、今後3年間でサウジアラビアのウムルジに、日量1万トンの飲料水を海水から生産する設備が建設されます。そして、サウジアラビアで定められている飲料水質基準を満たす水を安定的に生産できることが検証されます。
また、従来のRO膜法に比べ、約2割の省エネルギー化と建設コスト低減など、システムの優位性が実証されます。なお、今回の事業の委託予定先は日立製作所、東レとなっています。
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一般社団法人エネルギー情報センター
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