日本のIoT国際競争力は世界2位、スマートエネルギー分野は3位、総務省発表
| 政策/動向 | 再エネ | IT | モビリティ | 技術/サービス | 金融 |
一般社団法人エネルギー情報センター

1月5日、総務省は日本のICT産業の国際競争力の強化に向けた測定指標である「IoT国際競争力指標(2016年実績)」を公表しました。日本はスマート工場では世界1位、スマートエネルギー分野は3位、総合順位で2位となりました。
「デジタルファースト」から「IoTファースト」へ、日本のIoT国際競争力は世界2位
あらゆるものをIoTでネットワークにつなぎ、ビッグデータを収集し、AIにより解析することで、様々な社会課題の解決が可能となる時代が到来しています。近年の技術進展の後押しもあり、現代社会はIoTソリューションが導入可能なフェーズに突入しつつあります。
経済産業省では「デジタルファースト」から「IoTファースト」への移行を掲げており、環境整備に向けた議論が進んでいます。その中では、初期市場創出と制度的な社会実装策が重要とされており、個別分野での具体的施策と、分野横断的な仕組みの両面の検討が進められています(図1)。

図1 「デジタルファースト」から「IoTファースト」へ 出典:経済産業省
そうした中、総務省は日本のICT産業の国際競争力の強化に向けた測定指標である「IoT国際競争力指標(2016年実績)」を公表しました。日本はスマート工場では世界1位、スマートエネルギー分野は3位、総合順位で2位となりました(図2)。なお、「ICT国際競争力指標」は総務省が2008年から公表しており、今回で9回目となります。

図2 2016年のシェアを基にした順位及びスコア 出典:総務省
今回の順位は、主要10か国・地域の企業1500社を対象としたものです。IoT市場(スマートシティ等)とICT市場(半導体等)とにカテゴライズされています。2016年のサービス・商品の金額ベースのシェアと、研究開発やM&A等潜在的な競争力の指標を基に、国・地域ごとのスコアが算出されています(図3)。

図3 IoT国際競争力指標(2018.1公表版)の調査項目(太線赤枠内はIoT市場の調査項目、下線付きは今回からの追加項目、※付は前回と別の中項目に移動した小項目) 出典:総務省
総合1位は米国であり、IoT市場、ICT市場ともにシェアが高いサービス・製品が多いため、スコアも他国企業を圧倒しています。
総合2位は日本ですが、前年比でスコアは微減しており、多くのサービス・製品でシェアは低下傾向です。ICT市場は2位から3位となり、中国と順位が入れ変わっています。日本のシェアが1位のものは、スマート工場(37%)、家電・OA機器(39%)、半導体(29%)などです。
3位は中国です。ICT市場ではシェアが上昇し3位から2位となり、今回日本と順位が入れ変わっています。総合スコアでも日本との差を縮めています(図4)。

図4 スコアの推移 出典:総務省
総合スコア4位以下は、平均的なシェアは低いですが、韓国の情報端末(19%)や、ドイツのスマートエネルギー(13%)など、特定のサービスでシェアが高い国があります(図5)。

図5 各中項目のシェア推移 出典:総務省
2016年度のIoT市場規模は900億ドル
市場規模については、2016年度のIoT市場(約900億ドル)は、ICT市場(10000億ドル)と比較し規模は小さいものの、成長率は高いです。2013年度の約600億ドルと比較すると、2016年度のIoT市場はは1.5倍程度まで伸びています。一方でICT市場は、クラウド及び固定系ネットワーク機器は市場規模が若干拡大しているものの、その他の項目は横ばいか、もしくは縮小傾向です(図6)。

図6 世界市場規模の推移 出典:総務省
研究開発費、日本は世界2位
IoTの研究開発費について、2016年度は世界(160社)において2000億ドルでした。開発費のトップは米国であり、全体の44%という割合でした。日本は2位に位置付けており、全体の20%を占めています。
研究開発の拠点数では、2016年度ではIoTが約1800拠点となり、日本はその内の7%を占め2位となりました。1位は米国の19%であり、2倍以上の開きがあります。
この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。
無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センター
EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。
| 企業・団体名 | 一般社団法人エネルギー情報センター |
|---|---|
| 所在地 | 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F |
| 電話番号 | 03-6411-0859 |
| 会社HP | http://eic-jp.org/ |
| サービス・メディア等 | https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET |
関連する記事はこちら
一般社団法人エネルギー情報センター
2025年09月22日
電力市場の収益ブレを見える化する──リスク管理の標準化を支えるEneRisQ®
本記事では、電力市場におけるリスク管理の課題を解決するソリューション「EneRisQ®」をご紹介します。大阪ガスとオージス総研の知見を融合し、収益のブレを定量的に把握し、最適なヘッジ戦略を支援。属人的なExcel管理から脱却し、リスク管理業務の高度化を実現します。
一般社団法人エネルギー情報センター
2025年05月19日
【第3回】電気主任技術者の人材不足とは? 〜効率的な保安制度の構築と今後の展望〜
これまで2回にわたり、電気主任技術者の人材不足に関する背景や、業界・行政による育成・確保の取り組みを紹介してきました。最終回となる今回は、『制度』の観点からこの課題を詳しく見ていきます。特に、保安業務の効率化やスマート保安の導入、制度改革の現状と課題を具体例とともに解説し、今後の展望を詳しく見ていきます。
一般社団法人エネルギー情報センター
2025年04月30日
【第2回】電気主任技術者の人材不足とは? 〜人材育成の最前線、業界と行政が進める具体策〜
電気主任技術者をめぐる人材不足の問題は、再生可能エネルギーやEVインフラの急拡大と相まって、ますます深刻さを増しています。 こうした状況に対し、国や業界団体は「人材育成・確保」と「制度改革」の両面から対策を進めており、現場ではすでに具体的な動きが始まっています。 第2回となる今回は、人材不足に対し、業界や行政がどのような対策を講じているのか、具体的な施策を、実例を交えながら、詳しくお伝えします。
一般社団法人エネルギー情報センター
2025年04月29日
日本の電力インフラは現在、大きな変革期を迎えています。再生可能エネルギー(以下、再エネ)の導入拡大やEV(電気自動車)充電施設の増加に伴い、電力設備の管理・保守の重要性が一層高まっています。その中で、電気主任技術者は電力設備の安全を確保し、安定した電力供給を支える要となる存在です。 しかし近年、電気主任技術者の人材不足が深刻化しており、電力業界全体に影響を及ぼしています。特に、高齢化による人材減少、資格取得の難しさ、再エネ・EV充電施設の急増がこの問題を加速させる要因となっています。 本コラムでは、電気主任技術者の人材不足の背景と現状を明らかにし、今後の電力業界における影響についてお伝えします。
一般社団法人エネルギー情報センター
2025年04月25日
蓄電池、給湯器などを活用したDRready対応の新たなビジネス創出、2029年度にはDR対応のヒートポンプ給湯器が導入見込み
日本においては再エネの急速な導入拡大に伴い、発電量過多によって電力の無駄が発生する時間帯が頻発することが課題となっています。そのための対策の一つとしてデマンドレスポンス(DR)が挙げられ、本記事では低圧分野における給湯器・蓄電池を活用した今後のDRの市場や可能性について見ていきます。




























