世界初、窓を「ガラス」から「樹脂」で3割軽く、国産EVのスポーツカー量産モデルに

2017年06月29日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

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6月28日、京都大学発の電気自動車(EV)メーカーであるGLMは、車の軽量化を実現する樹脂製のフロントウインドーを「トミーカイラZZ」に搭載することに成功したと発表しました。市販車としては世界初であり、従来の窓より3割以上軽いのが特長です。

京都大学発の電気自動車メーカー、軽量化を実現する樹脂製のフロントウインドーを搭載

ポリカーボネート樹脂はガラスに比べて半分ほどの重さで、車体の軽量化に寄与する素材として期待されてきました。しかし、ガラスに比べて耐摩耗性が低く、窓の開閉やワイパー等により表面が傷つきやすいことが大きな課題で、これまでのハードコート技術だけでは、保安基準に対応する耐久性を満たすことができませんでした。

そのため、樹脂製窓の車への使用は摩耗の少ないサンルーフや後部の固定窓などに限られており、フロントウインドーは認められていませんでした。しかし、2017年7月から導入される新保安基準により、法規的にフロントウインドーへの搭載が認められるようになります。

そうした中、京都大学発の電気自動車(EV)メーカーであるGLMは、車の軽量化を実現する樹脂製のフロントウインドーを「トミーカイラZZ」に搭載することに成功したと発表しました。市販車としては世界初であり、従来の窓より3割以上軽いのが特長です。

強化ガラス並みに傷つきにくい窓

新保安基準では、これまで以上に厳しい耐摩耗性が求められるようになり、ゴムと窓をこすりあわせて摩耗を調べる試験で、2%未満にする必要があります。これは、耐摩耗性が5~7%であった従来の樹脂の加工法では満たせませんでした。

そのため、トミーカイラZZに搭載された樹脂製窓は帝人の技術が活用されることで、0.5~1.5%の耐摩耗性を実現しました。これは強化ガラス(耐摩耗性0.5~1.0%)並みに傷つきにくい高い性能であり、透明性が高いPC樹脂にさらに保護層を作る技術を加えて実現したものです。

また、前述のように、今回の樹脂製フロントウインドーは、従来の窓より3割以上軽いのが特長です。標準装備であるAピラーやガラス窓、ルームミラーを合わせた重量(18.4kg)に比べて、樹脂ウインドーを搭載した車両は6.6kg軽くなっています。

加えて、樹脂製の窓はガラスに比べ高い強度があるため、窓周辺のフレーム枠を必要としません。窓枠がないので、運転中の視界を遮る要素がなくなり、快適に走行できるメリットもあります。また、サイドミラーで十分な視界が確保できるため、ルームミラーは設置不要となります(図1)。

樹脂ウインドーが搭載されるトミーカイラZZ(上・下左)。標準仕様のトミーカイラZZ(下右)

図1 樹脂ウインドーが搭載されるトミーカイラZZ(上・下左)。標準仕様のトミーカイラZZ(下右) 出典:GLM

高い加速性能、時速100kmに到達する時間は3.9秒

「トミーカイラZZ」は、スポーツカータイプの電気自動車(スポーツEV)です。国産のEVとして初となるスポーツカーの量産モデルで、2015年10月から京都府舞鶴市の専用ファクトリーで本格的な量産を開始しています。

車台に高剛性アルミを、外装フレームに繊維強化製プラスチックを採用、総重量は850kgと一部のガソリン軽自動車より軽いです。軽量化の工夫もあり、発進から時速100kmに到達する時間は3.9秒を記録、その加速性能はガソリン車の高級スポーツカーを凌ぐほどの性能です。また、最高速度は180km/hに達し、1回の充電による航続距離は120kmとなっています。

人とくるまのテクノロジー展名古屋2017で初公開

今回の試作車は6月28日、「人とくるまのテクノロジー展名古屋2017」で初めて公開されました。車両展示は30日(金)までとなっています。

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