法人向け 家庭向け

四国電力、太陽光発電では初めての海外発電(IIP)事業、チリ共和国で実施

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

四国電力、太陽光発電では初めての海外発電(IIP)事業、チリ共和国で実施の写真

6月23日、四国電力は双日およびフランスの大手建設会社であるEiffage S.A.社と共同事業体を結成し、チリ共和国における太陽光発電 事業に参画すると発表しました。四国電力にとっては4件目の海外発電事業であり、太陽光発電では初めての案件となります。

四国電力の4件目の海外発電事業は初の太陽光

チリでは、経済成長に伴う電力需要の堅調な伸びが期待されており、加えて再生可能エネルギーの導入に積極的に取り組んでいます。例えば、太陽光発電の拡大策については、2013年に電力入札法が改正されています。この改正により、発電事業者とチリ政府間の電力買い取りに関する契約における最長契約期間が15年から20年に延長されたほか、新規プロジェクトについては電力供給開始時期の先延ばしが可能になりました。

そのほか、2015年12月、チリエネルギー省はエネルギー政策「Energia 2050」を発表し、その中で2050年までに発電量の70%を再生可能エネルギーで構成する目標が示されています。2014年度の実績は約4割でしたので、今後35年間ほどで再エネ比率を大きく伸ばす方針です。また、チリは南米で唯一、経済協力開発機構(OECD)に加盟しており、安定した政治・経済運営から投資環境の面でも高く評価されております。

このような中、四国電力は双日およびフランスの大手建設会社であるEiffage S.A.社と共同事業体を結成し、チリ共和国における太陽光発電事業に参画すると発表しました。四国電力にとっては4件目の海外発電事業であり、太陽光発電では初めての案件となります。これまでの3件については、カタール国およびオマーン国において、3つのIPPプロジェクトに参画しており、合計約24万kWの持分容量となっています(表1)。

カタール オマーン
プロジェクト名 ラスラファンC バルカ3 ソハール2
事業内容 発電・造水プラントの建設・運営、電力・水の販売 発電プラントの建設・運営、電力の販売
発電容量 273万kW(GTCC) 各74.4万kW(GTCC)
造水容量 29万トン/日
四国電力出資比率 5% 7.15% 7.15%
総事業費 約39億米ドル 合計 約17億米ドル
事業期間 2011年4月(運転開始)~ 2036年3月 2013年4月(運転開始)~ 2028年3月

表1 これまでの四国電力の海外発電事業 出典:四国電力資料より作成

今回の事業は、世界有数の日射量を有するチリ北部のアタカマ砂漠において、設備容量9万8千kWの太陽光発電プラントを建設するものです(図1)。アタカマ砂漠は降雨量が極端に少なく、加えて平地が多くパネルが設置しやすい、大口ユーザーとなり得る銅産業が分布している、といった太陽光発電の好条件が整ってます。

今回のプロジェクトでは、当面はチリの卸電力市場にて全量が販売され、完工後3~5年以内に長期売電契約を締結する予定となっています。スケジュールとしては、本年6月中にはプラント設備の建設に着工し、2018年8月に営業運転を開始する予定です。

チリ共和国における太陽光発電事業の位置図

図1 チリ共和国における太陽光発電事業の位置図 出典:四国電力

四国電力は、市場成長が期待される海外事業において、さらなる収益の拡大を目指しています。海外事業における2025年度に実現すべき利益水準として、年間40億円(発電設備の持分容量150万kW程度)を目標に掲げ、今回の件も含め、その達成に向けた施策に取り組んでいます。

この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。

無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
電力の補助金

補助金情報

再エネや省エネ、蓄電池に関する補助金情報を一覧できます

統計情報

統計情報(Excel含)

エネルギー関連の統計情報をExcel等にてダウンロードできます

電力入札

入札情報

官公庁などが調達・売却する電力の入札情報を一覧できます

電力コラム

電力コラム

電力に関するコラムをすべて閲覧することができます

電力プレスリリース

プレスリリース掲載

電力・エネルギーに関するプレスリリースを掲載できます

電力資格

資格取得の支援

電験3種などの資格取得に関する経済支援制度を設けています

はてなブックマーク

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

政府も注目する次世代エネルギー  核融合の仕組みと可能性 【第5回】社会実装と中長期シナリオ 2030年代のロードマップと日本の戦略の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年12月27日

新電力ネット運営事務局

政府も注目する次世代エネルギー  核融合の仕組みと可能性 【第5回】社会実装と中長期シナリオ 2030年代のロードマップと日本の戦略

これまで4回にわたり、核融合という次世代エネルギーの可能性を、研究・技術・制度の観点からたどってきました。長らく“夢のエネルギー”と呼ばれてきた核融合は、いま確実に社会の現実へと歩みを進めています。 最終回となる今回は、社会実装に向けたロードマップと、日本が描くべき中長期戦略を考えます。 核融合が“希望の象徴”で終わらず、私たちの暮らしに息づくエネルギーとなるために、次の時代に向けた道筋を描きます。

政府も注目する次世代エネルギー  核融合の仕組みと可能性 【第4回】制度設計・安全規制・地域産業化 社会実装に向けた最新動向の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年12月17日

新電力ネット運営事務局

政府も注目する次世代エネルギー  核融合の仕組みと可能性 【第4回】制度設計・安全規制・地域産業化 社会実装に向けた最新動向

第1回では核融合の基本、 第2回では国内研究基盤、 第3回では民間企業による産業化の動きを整理してきました。 こうした技術・ビジネス面の進展を踏まえ、2025年後半には「社会実装」に向けた制度づくりや安全規制の検討が政府内や国際機関で動き始めています。国際基準への日本の参画や、地域での研究・産業活動の広がりなど、核融合を社会に組み込むための枠組み形成が進みつつあります。 本稿では、制度・安全・産業の三つの観点から、この転換点の現在地を整理します。

政府も注目する次世代エネルギー  核融合の仕組みと可能性 【第3回】民間企業が牽引する核融合ビジネスの現在地  国内外で加速する産業化の動きの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年11月30日

新電力ネット運営事務局

政府も注目する次世代エネルギー  核融合の仕組みと可能性 【第3回】民間企業が牽引する核融合ビジネスの現在地 国内外で加速する産業化の動き

第1回では核融合の基本原理と方式を、第2回ではJT-60SAやLHDを中心に日本の研究基盤を整理してきました。近年は研究成果が民間へ移行し、実証炉開発や供給網整備が本格化しています。高温超伝導やAIなどの技術進展により小型化と効率化が進み、投資も拡大。本稿では国内外スタートアップの動向と商用化に向けた論点を整理します。

政府も注目する次世代エネルギー  核融合の仕組みと可能性 【第2回】国内研究最前線 JT-60SAとLHDが描く日本の核融合ロードマップの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年11月24日

新電力ネット運営事務局

政府も注目する次世代エネルギー  核融合の仕組みと可能性 【第2回】国内研究最前線 JT-60SAとLHDが描く日本の核融合ロードマップ

地上に“小さな太陽”をつくるという挑戦が、いま日本の研究現場で確実に動き始めています。 第1回では、核融合がどのようにエネルギーを生み出すのか、その基本原理や世界的な動向について整理しました。今回はその続編として、日本が持つ二つの主要研究拠点、「JT-60SA(大規模トカマク型装置)」と「LHD(ヘリカル方式の大型装置)」に焦点を当て、国内で進む最前線の取り組みを詳しく解説します。 どちらも世界トップクラスの規模と技術を誇り、2030年代の発電実証を目指す日本の核融合開発に欠かせない“橋渡し役”として国際的にも注目されています。

政府も注目する次世代エネルギー、核融合の仕組みと可能性  【第1回】核融合“超入門” 地上に「小さな太陽」をつくる挑戦の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年11月13日

新電力ネット運営事務局

政府も注目する次世代エネルギー、核融合の仕組みと可能性 【第1回】核融合“超入門” 地上に「小さな太陽」をつくる挑戦

地上に“小さな太陽”をつくる、そんな壮大な計画が世界各地で進んでいます。 核融合とは、太陽の内部で起きているように、軽い原子が結びついてエネルギーを生み出す反応のことです。燃料は海水から取り出せる水素の一種で、CO₂をほとんど出さず、石油や天然ガスよりもはるかに効率的にエネルギーを取り出すことができます。 かつては「夢の発電」と呼ばれてきましたが、近年は技術の進歩により、研究段階から実用化を見据える段階へと進化しています。 2025年6月当時は、高市早苗経済安全保障担当大臣のもと、政府が核融合推進を本格的に強化しました。 同月に改定された「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」では、研究開発から産業化までを一貫して支援する体制が打ち出されています。 今回はその第1回として、核融合の基本的な仕組みや核分裂との違い、主要な研究方式をわかりやすく解説します。

 5日間でわかる 系統用蓄電池ビジネス