東京電力と中部電力が火力発電事業を統合、5年以内に1000億円/年の効果を目指す

2017年06月13日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

東京電力と中部電力が火力発電事業を統合、5年以内に1000億円/年の効果を目指すの写真

6月8日、東京電力フュエル&パワー(東京電力ホールディングス株式会社の100%子会社)と中部電力は、JERAへの統合に係る合弁契約書を締結したと発表しました。JERAは「国内発電事業の競争力強化」などの方策を進め、統合後5年以内に1000億円以上/年の効果創出を目指します。

東京電力と中部電力が火力発電事業を統合

世界的な資源獲得競争が激化する中、国際競争力あるエネルギーの安定的な供給を実現するには、世界で戦うグローバルなエネルギー企業の創出は重要です。そうした世界で戦えるグローバル・エネルギー企業を目指す企業の1つとして「JERA」が挙げられ、東京電力と中部電力(以下、両社)が2015年4月に設立以来、事業領域を拡大してきました。

JERAの事業領域としては、国内火力発電所の新設・リプレース事業や、燃料調達事業などがあります。2016年7月には、既存燃料事業(上流・調達)、既存海外発電・エネルギーインフラ事業について統合が完了しました。これにより、LNG調達数量約3900万トンとなり、世界最大規模となりました。

そのほか、2016年12月には、JERA子会社とフランスの電力会社EDFの子会社であるEDF Tradingが保有する石炭トレーディング事業の統合について最終合意しました。これにより、JERAグループは太平洋および大西洋地域において年間約6000万トンという世界最大規模の石炭現物取引を行うことが可能となりました。また、2017年3月にはインドの大手再生可能エネルギー発電事業者であるRenew社の株式10%を取得し、インドにおける再生可能エネルギーの開発を行うことが可能となりました。

そして6月8日に、両社はJERAへの統合に係る合弁契約書を締結したと発表しました。これにより、燃料上流から発電、電力・ガスの販売に至るバリューチェーンが完成し、チェーン全体を通じた利益創出が図られます(図1)。

包括的アライアンスの範囲と統合後の取り組み

図1 包括的アライアンスの範囲と統合後の取り組み 出典:東京電力

5年以内に1000億円/年の効果見込み

今回の統合によって、国内火力発電設備の合理化や、電源のスクラップ&ビルドが戦略的に行われ、再生可能エネルギーを含めた全体での「最適な電源ポートフォリオの構築」が図られます。また、両社の保有するノウハウ・事業基盤に、IoT技術や外部リソースが加わることにより、国内火力発電事業の競争力向上と環境負荷を低減することが想定されています。

また、海外のエネルギー市場で培ったトレーディングのノウハウを国内で応用するほか、グローバルレベルのO&Mビジネスなど、新たな事業領域を展開していく予定です。こうした統合によるシナジー効果により、両社は統合後5年以内に、年間で1000億円以上の効果創出を目指すとしています(図2)。

統合によるシナジー効果

図2 統合によるシナジー効果 出典:中部電力

中部電力は今回の合弁契約締結に伴い、グループ経営戦略本部管下に「アライアンス推進室」を設置しています(図3)。設置の理由は、調達から発電までのバリューチェーン全体に係るJERAの事業モデルの検討を円滑に進めていくため、としています。

グループ経営戦略本部の組織図

図3 グループ経営戦略本部の組織図 出典:中部電力

今後の予定としては、まず2017年度~2018年度に資産査定/価値評価や資産移管手続きなど、事業統合に向けた取り組みが行われます。そして2019年度上期には、既存火力事業との統合が実現する見込みです。

この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。

無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
電力の補助金

補助金情報

再エネや省エネ、蓄電池に関する補助金情報を一覧できます

電力料金プラン

料金プラン(Excel含)

全国各地の料金プラン情報をExcelにてダウンロードできます

電力入札

入札情報

官公庁などが調達・売却する電力の入札情報を一覧できます

電力コラム

電力コラム

電力に関するコラムをすべて閲覧することができます

電力プレスリリース

プレスリリース掲載

電力・エネルギーに関するプレスリリースを掲載できます

電力資格

資格取得の支援

電験3種などの資格取得に関する経済支援制度を設けています

はてなブックマークGoogle+でシェア

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

証書等を用いた再エネ調達の価格、「Jクレジット」「グリーン電力証書」「非化石証書」の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2018年02月07日

新電力ネット運営事務局

証書等を用いた再エネ調達の価格、「Jクレジット」「グリーン電力証書」「非化石証書」

自然エネルギー財団は1月、自然エネルギーの電力を効率的に調達するためのガイドブック発行しました。今回の記事では、代表的な自然エネルギーの発電設備による証書・クレジットである「Jクレジット」「グリーン電力証書」「非化石証書」について見ていきます。

カーボンフットプリントの今後、炭素の「消費税」で製品に低炭素価値、経済同友会が提言の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2018年01月23日

新電力ネット運営事務局

カーボンフットプリントの今後、炭素の「消費税」で製品に低炭素価値、経済同友会が提言

1月18日、経済同友会はカーボンフットプリントのあり方などに関する提言を発表しました。温室効果ガス排出削減に向けた内容であり、発表ではカーボンフットプリントの活用など3つの提言が示されました。

2018年度のバイオマス入札、一般木材等では10000kW以上が対象、事業計画の受付締切は7月予定の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2018年01月05日

新電力ネット運営事務局

2018年度のバイオマス入札、一般木材等では10000kW以上が対象、事業計画の受付締切は7月予定

12月27日、調達価格等算定委員会にて2018年度バイオマス発電入札の対象規模や入札量について議論が行われました。対象規模は一般木材等では10000kW以上、入札量については200MWとなる見込みです。

再エネの大量導入における4つの課題と2030年に向けた取組の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年12月21日

新電力ネット運営事務局

再エネの大量導入における4つの課題と2030年に向けた取組

再エネ大量導入においては、大別すると①発電コスト、②系統制約、③調整力、④事業環境といった4つの課題があります。また、国際競争力という観点では、それらの課題を解決し、世界に通用するエネルギー企業を創出する必要があります。今回のコラムでは、国の議論から再エネ大量導入における4つの課題を整理し、2030年に向けた取り組みの方向性を見ていきたいと思います。

電力関連ビジネスの国内市場の予測、容量アグリゲーションは2017年の65MWから2020年には230MWにの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年12月11日

新電力ネット運営事務局

電力関連ビジネスの国内市場の予測、容量アグリゲーションは2017年の65MWから2020年には230MWに

12月4日、富士経済は電力関連システム・サービスの市場を調査し、その結果を報告書「電力システム改革で動く設備・システム・サービス市場の全貌 2017年版」にまとめたと発表しました。調査対象は、「電力小売全面自由化」による市場競争の進展や、それに伴う新ビジネスの創出が期待される分野であり、報告書では電力関連システム・サービスにおける複数分野の市場を分析しています。