東京電力と中部電力が火力発電事業を統合、5年以内に1000億円/年の効果を目指す
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6月8日、東京電力フュエル&パワー(東京電力ホールディングス株式会社の100%子会社)と中部電力は、JERAへの統合に係る合弁契約書を締結したと発表しました。JERAは「国内発電事業の競争力強化」などの方策を進め、統合後5年以内に1000億円以上/年の効果創出を目指します。
東京電力と中部電力が火力発電事業を統合
世界的な資源獲得競争が激化する中、国際競争力あるエネルギーの安定的な供給を実現するには、世界で戦うグローバルなエネルギー企業の創出は重要です。そうした世界で戦えるグローバル・エネルギー企業を目指す企業の1つとして「JERA」が挙げられ、東京電力と中部電力(以下、両社)が2015年4月に設立以来、事業領域を拡大してきました。
JERAの事業領域としては、国内火力発電所の新設・リプレース事業や、燃料調達事業などがあります。2016年7月には、既存燃料事業(上流・調達)、既存海外発電・エネルギーインフラ事業について統合が完了しました。これにより、LNG調達数量約3900万トンとなり、世界最大規模となりました。
そのほか、2016年12月には、JERA子会社とフランスの電力会社EDFの子会社であるEDF Tradingが保有する石炭トレーディング事業の統合について最終合意しました。これにより、JERAグループは太平洋および大西洋地域において年間約6000万トンという世界最大規模の石炭現物取引を行うことが可能となりました。また、2017年3月にはインドの大手再生可能エネルギー発電事業者であるRenew社の株式10%を取得し、インドにおける再生可能エネルギーの開発を行うことが可能となりました。
そして6月8日に、両社はJERAへの統合に係る合弁契約書を締結したと発表しました。これにより、燃料上流から発電、電力・ガスの販売に至るバリューチェーンが完成し、チェーン全体を通じた利益創出が図られます(図1)。

図1 包括的アライアンスの範囲と統合後の取り組み 出典:東京電力
5年以内に1000億円/年の効果見込み
今回の統合によって、国内火力発電設備の合理化や、電源のスクラップ&ビルドが戦略的に行われ、再生可能エネルギーを含めた全体での「最適な電源ポートフォリオの構築」が図られます。また、両社の保有するノウハウ・事業基盤に、IoT技術や外部リソースが加わることにより、国内火力発電事業の競争力向上と環境負荷を低減することが想定されています。
また、海外のエネルギー市場で培ったトレーディングのノウハウを国内で応用するほか、グローバルレベルのO&Mビジネスなど、新たな事業領域を展開していく予定です。こうした統合によるシナジー効果により、両社は統合後5年以内に、年間で1000億円以上の効果創出を目指すとしています(図2)。

図2 統合によるシナジー効果 出典:中部電力
中部電力は今回の合弁契約締結に伴い、グループ経営戦略本部管下に「アライアンス推進室」を設置しています(図3)。設置の理由は、調達から発電までのバリューチェーン全体に係るJERAの事業モデルの検討を円滑に進めていくため、としています。

図3 グループ経営戦略本部の組織図 出典:中部電力
今後の予定としては、まず2017年度~2018年度に資産査定/価値評価や資産移管手続きなど、事業統合に向けた取り組みが行われます。そして2019年度上期には、既存火力事業との統合が実現する見込みです。
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