中部電力、北陸電力、関西電力の3社が連携、送配電部門の効率化に向けた検討開始

2017年06月07日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

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6月2日、中部電力、北陸電力、関西電力の3社は、送配電部門において相互連携による一層の効率化に向けた検討を行うと発表しました。広域的なインバランスネッティングや広域メリットオーダーを考慮することにより、効率的な調整が推進される予定です。

広域メリットオーダーを実現する送配電部門の効率化の検討開始

2016年4月から始まった電力小売の全面自由化に伴い各種制度が見直され、それは電力業界全体に波及する大きな改革となりました。制度変更の面では、例えば実同時同量制度から計画値同時同量制度と移行し、小売事業者は取引を行う発電事業者の電源を特定することが不要となりました。これは小売だけではなく発電事業者にも影響があり、発電事業者は市場等に自社電源より限界費用の安い電源があれば、電源の差し替えを自由に行うことができるようになりました。

つまり、2016年4月以降、発電事業者は市場等も活用して、コストを最小化する運用を行うことが可能となり、広域メリットオーダーが実現できるようになりました。広域メリットオーダーとは、エリアを越えて、限界費用の安い順に電源が稼働している状況をいいます。これを全国大で行えば、理論上では日本全体の電力供給コストを最小化できます。

この広域メリットオーダーの経済効果として、みなし小売事業者が限定された地域で個別にメリットオーダーを行った場合に比べて、全国大にまで拡大すると限界費用が年間1100億円(約12銭/kWh)削減されるとの試算もあります。また、市場分断が全て解消されると合計で年間1700億円(約19銭/kWh))程度の経済効果が見込まれます(図1)。

広域メリットオーダー、連系線制約解消による経済効果の簡易試算

図1 広域メリットオーダー、連系線制約解消による経済効果の簡易試算 出典:経済産業省

こうした中、中部電力株式会社、北陸電力株式会社および関西電力株式会社の3社は、送配電部門の相互連携による一層の効率化に向けた検討を行うと発表しました。3社の送配電部門は、各社の送配電設備が混在している地域の設備形成の最適化をはじめ、電力需給調整や電力系統の運用面などにおいて、相互連携により一層の効率化を推進していく予定です。

大まかな内容としては2つに分けられ、一つ目は設備形成を最適化するものです。3社の送配電設備が混在している地域において、経年取換等のタイミングで、設備のスリム化と最大限の有効活用などが図られます(図2)。

設備形成の最適化

図2 設備形成の最適化 出典:関西電力

二つ目は、調整力の相互活用となります。従来は各社ごとに調整力を活用して需給バランス調整が実施されてきましたが、広域的なインバランスネッティングや広域メリットオーダーを考慮することにより、効率的な調整が推進されます(図3)。なお、インバランスネッティングとは、エリア間で発生する余剰・不足インバランスを相殺することです。

広域的な需給調整の検討イメージ

図3 広域的な需給調整の検討イメージ 出典:中部電力

広域メリットオーダーの取り組みは海外でも実施されており、例えば1990年代の後半から多くの州で小売り自由化された米国においては、パワープールの事例が挙げられます。パワープールとは、複数の電力会社が広域運用のために作る組織のことです。複数の電力会社が集まって共同で大規模発電所や基幹送電系統を建設・運用することで、供給予備力のシェアや広域メリットオーダーが実現し、経営効率化・高信頼度化が図られます。

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