日本初、排出権などの「環境価値」と「ネガワット」の私設取引プラットフォームが創設予定

2017年03月30日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

日本初、排出権などの「環境価値」と「ネガワット」の私設取引プラットフォームが創設予定の写真

3月27日、楽天はグローバルエンジニアリングと協力し、排出権などの「環境価値」と「ネガワット」の私設取引プラットフォーム創設に向け、共同で取り組むことに合意したと発表しました。国内では初の事例となり、取引活性化や各分野におけるイノベーティブな技術の導入促進を目的としています。

国内初、楽天とグローバルエンジニアリングが「環境価値」と「ネガワット」プラットフォーム創設

楽天とグローバルエンジニアリングは3月27日、「環境価値」と「ネガワット」の私設取引プラットフォーム創設に向けて共同で取り組むことに合意しました。今回の合意に基づき、両社は今秋に私設取引プラットフォームを創設する予定です。

なお、今回のプラットフォームは国内初の事例となり、①J-クレジット、②排出権、③非化石証書といった「環境価値」のほか、「ネガワット」の取引を行うことができます(図1)。

近年、CO2排出オフセットツールとしてJ-クレジットや排出権取引が注目される一方、価格が相対取引等で不透明な部分も多く、活発な取引がなされておりません。また、IoTや太陽光発電などを活用し、節電した電力量を売買できる「ネガワット取引市場」は、取引が活性化されるかは不透明な状況です。

そうした環境の中、今回のプラットフォームの目標の1つは、各取引におけるオープンな価格設定を実現するものです。それにより、取引活性化や各分野におけるイノベーティブな技術導入の促進が見込まれてます。このプラットフォームは、これから創設に向けて検討などが進められますが、「J-クレジット」については、プラットフォーム創設に先行し、3月27日より楽天ウェブサイトにおいて取引仲介サービスが開始されます。

私設取引プラットフォームの概要

図1 私設取引プラットフォームの概要 出典:楽天

なお、今回のプラットフォーム創設に関わる2社は、電力ビジネスに関する蓄積があり、グローバルエンジニアリングは、デマンドレスポンスサービスや発電設備の販売・メンテナンスを事業として展開しています。そのほか、経済産業省の実証事業「バーチャルパワープラント構築事業費補助金(アグリゲーター事業)」に参加する1社として、社会に分散するエネルギーリソースを統合的に制御し、あたかも一つの発電所のように機能する仮想発電所の構築を推進しています。

楽天に関しては2013年6月、電力を中心としたエネルギーソリューションサービスを提供する「楽天エナジー」を立ち上げています。楽天エナジーは2013年より「iシェアリングサービス」を開始、電気の使用状況に応じて電力使用料金やインセンティブなどが変わる「デマンドレスポンス」や、新電力活用のコンサルティングといった様々な手法で、コスト削減を提案しています。

J-クレジットについて

今回のプラットフォームの概要を把握するためにも、まずはプラットフォームで取引されるJ-クレジットの概要を見ていきます。J-クレジット制度とは、CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度です。省エネルギー機器の導入や再生可能エネルギーの活用、森林経営などの取組が対象となります。本制度は、国内クレジット制度とオフセット・クレジット(J-VER)制度が発展的に統合したものです。

一定基準を満たした「J-クレジット」は売却、購入が可能です。本制度により創出されたクレジットは、低炭素社会実行計画の目標達成やカーボン・オフセットなど、様々な用途に活用できます。今回の私設取引プラットフォームでは、クレジットの売買を通じ「楽天の森」をはじめとする環境保全活動が推進される予定です(図2)。

私設取引プラットフォームによるJ-クレジット取引

図2 私設取引プラットフォームによるJ-クレジット取引 出典:楽天

ネガワット取引について

次にJ-クレジットと同様、プラットフォームで取引されるネガワットについて見ていきます。ネガワットとは、需要家が節電したことによって余った電力量を、発電した電力とみなすことにより得られる付加価値です。

つまり、需要側の努力で節電することによって、それは発電した電気と見なされるので、需要側は報奨金を得ることができる新しい取り組みとなります(図3)。欧米等の先進国ではすでに導入されており、例えば仏国の「FRRm」や米国の「Synchronized Reserves」があります。

私設取引プラットフォームとネガワット取引

図3 私設取引プラットフォームとネガワット取引 出典:楽天

環境価値やネガワット、国としても推進

今回のプラットフォームで取引される「環境価値」と「ネガワット」について、近年の動向を簡単に見ていきます。まず、環境価値の動向の1つとして、「非化石価値取引市場」のFIT電源分が2017年(全非化石電源は2019年度)に導入される目安です。

この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。

無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
電力の補助金

補助金情報

再エネや省エネ、蓄電池に関する補助金情報を一覧できます

電力料金プラン

料金プラン(Excel含)

全国各地の料金プラン情報をExcelにてダウンロードできます

電力入札

入札情報

官公庁などが調達・売却する電力の入札情報を一覧できます

電力コラム

電力コラム

電力に関するコラムをすべて閲覧することができます

電力プレスリリース

プレスリリース掲載

電力・エネルギーに関するプレスリリースを掲載できます

電力資格

資格取得の支援

電験3種などの資格取得に関する経済支援制度を設けています

はてなブックマークGoogle+でシェア

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

グローバル規模で進む温暖化対策、注目される技術やこれからの新規事業の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2018年07月24日

新電力ネット運営事務局

グローバル規模で進む温暖化対策、注目される技術やこれからの新規事業

経済産業省は7月、「平成29年度新エネルギー等の導入促進のための基礎調査」を公表しました。パリ協定によりグローバル規模で温暖化対策が求められていますが、注目技術や新規事業について見ていきます。

注目が集まるデジタル技術の活用、 エナリスが進める電力×デジタルの取り組みの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2018年07月02日

新電力ネット運営事務局

注目が集まるデジタル技術の活用、 エナリスが進める電力×デジタルの取り組み

技術進歩が「電力×デジタル」の価値を日々高める中、ブロックチェーン活用への期待が高まっています。今回の記事では、「ブロックチェーンを活用した電力取引サービス」の検証を進めている株式会社エナリスの南昇氏と盛次隆宏氏に話を聞きます。

海洋エネルギー発電の資源量が分かる「海洋エネルギーポテンシャルマップ」、九州大学など公開の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2018年06月20日

新電力ネット運営事務局

海洋エネルギー発電の資源量が分かる「海洋エネルギーポテンシャルマップ」、九州大学など公開

九州大学は6月、みずほ情報総研や鹿児島大学と協力し、日本の海洋エネルギー発電に資する資源量分布図「海洋エネルギーポテンシャルマップ」を開発したと発表しました。公開されたポテンシャルマップは、「波力発電・潮流発電・海流発電・海洋温度差発電」の4種類が対象となっています。

数秒で充電が可能な3D螺旋構造の蓄電池、米コーネル大学発表の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2018年05月25日

新電力ネット運営事務局

数秒で充電が可能な3D螺旋構造の蓄電池、米コーネル大学発表

米コーネル大学は5月、数秒でフル充電が可能な蓄電アーキテクチャを開発したと発表しました。アノード、カソード、セパレータを自己集合性の3D螺旋構造とすることで、構造をナノスケールに縮小し電力密度を大幅に高めています。

パナソニック創業100周年、「無電化ソリューションプロジェクト」開始の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2018年04月24日

新電力ネット運営事務局

パナソニック創業100周年、「無電化ソリューションプロジェクト」開始

パナソニックは4月、社会貢献活動の一環として創業100周年を機に、電気の知識などの啓発・教育の実践と商品寄贈を組み合わせた「無電化ソリューションプロジェクト」を開始したと発表しました。十分な電力供給がない地域に対して、太陽光発電などの寄贈に加え、人材育成や地場産業モデルの開発などが行われます。