2016年のCO2濃度、観測史上最高の405.1ppmに、南極では400万年で初めて400ppm到達

2017年03月14日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

2016年のCO2濃度、観測史上最高の405.1ppmに、南極では400万年で初めて400ppm到達の写真

米海洋大気局(NOAA)は10日、大気中の二酸化炭素濃度が観測史上過去最高の405.1ppmに達したと発表しました。産業革命前の水準と比較すると、CO2濃度が43%増加したことになり、2017年に入ってからも増加傾向にあります。

2年間でCO2濃度が6ppm増加、これまでにないピッチで急増

人間活動によって増加した主な温室効果ガスには、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガスがあります。米海洋大気局(NOAA)によると、2016年度における温室効果ガスの1つである二酸化炭素の大気中濃度は、これまでの観測史上で最大である405.1ppmに達しました。

NOAAによる大気中CO2の観測は、ハワイにあるマウナロア観測所で1974年から続けられています。精度を確保するために、ハワイの山頂から空気サンプルがコロラド州ボルダーにある国立地球物理データセンターに送付されます。

観測史上過去最高の405.1ppmに到達

CO2濃度は、1万年前から産業革命前の1760年ころまでは280ppm台で推移していました。しかし、全世界のCO2濃度は2015年に400ppmを超え、それによって産業革命前の水準を43%上回ることとなりました。直近の2016年度を見ますと、2015年度と比較して3ppmもの数値が増加し、観測史上過去最高の405.1ppmという値をマークしました。

ちなみに、マウナロア観測所における2015年度のCO2濃度は、2014年度と比較して3.05ppm増えており、過去56年で最大の上昇幅となります。つまり、2016年度における昨年度からのCO2増加である3ppmは、記録的な上昇幅となった2015年度に匹敵する値となります。

2015年から2017年までの2年間では6ppmもの温室効果ガスが増加しており、これは59年間の観測史上では前例のないものです(図1)。また、2017年度の直近の動向ですが、例えば2017年2月のデータを参照しますと、マウナロア観測所におけるCO2濃度は406.42ppmに上昇しています。そのほか、NOAAの「Global Greenhouse Gas Reference Network」の科学者であるPieter Tans氏によると、「過去10年間のCO2の伸び率は、直近の氷河期から暖かくなる移行中の時期と比較しても、100~200倍も早い勢いで伸びている」と指摘しています。

二酸化炭素の平均年間成長率

図1 二酸化炭素の平均年間成長率 出典:National Oceanic and Atmospheric Administration

南極で400ppmを超えるのは400万年ぶり

大気中のCO2n濃度は一年を通しますと、秋と冬に上昇し、夏には植物の光合成が活発になるため低下する傾向にあります。しかし、近年は植物がCO2排出量の回収しきれなくなっているので、大気中のCO2濃度が増加してきております。

2015年度はエルニーニョによって発生した熱波、干ばつなどによって温暖化が進み、前述の通りに記録的な3.05ppmの上昇となりました。また、「2ppmを超えての上昇」という条件であれば、2016年度で5年連続に到達しています。

このようにして、2016年度は405.1ppmまで到達したCO2濃度ですが、そんな環境でも南極は比較的にCO2濃度が低い地域です。その理由は、人類における活動が多い北半球から特に離れた場所であることが一因です。しかしNOAAは、南極において400万年ぶりに400ppmを超過(2016年5月23日時点)したと発表しました(図2)。

NOAAの科学者であるPieter Tans氏は、「南極は、CO2濃度が「400ppm超過」という基準を超えない地上で最後の地だった」と述べています。また、「私たちの寿命がある期間においては、400ppmを今後下回ることはないだろう」との予測もコメントしています。

南極における日別二酸化炭素濃度

図2 南極における日別二酸化炭素濃度 出典:National Oceanic and Atmospheric Administration

はてなブックマークGoogle+でシェア

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

ノーベル賞の有力候補に日本人、ペロブスカイト太陽電池とはの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年09月28日

新電力ネット運営事務局

ノーベル賞の有力候補に日本人、ペロブスカイト太陽電池とは

9月20日、米国の科学情報企業であるクラリベイト・アナリティクスは、2017年の「クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞」を発表しました。ノーベル賞クラスと目される研究者が選出されており、日本人では「ペロブスカイト」を太陽電池に応用できることを発見した宮坂力氏が選ばれました。

改正FIT法、太陽光発電の保守点検に対応する新資格、JPEAが認定の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年09月25日

新電力ネット運営事務局

改正FIT法、太陽光発電の保守点検に対応する新資格、JPEAが認定

9月14日、太陽光発電協会(JPEA)は新たに創設した「PVマスター保守点検技術者」制度に基づく第1回目の認定試験を、2018年2月25日に全国4会場で実施すると発表しました。改正FIT法の事業計画策定ガイドラインにおいて義務づけられた、太陽光発電設備の保守点検に必要な知識、技術の習得をJPEAが認定するものです。

使用済太陽光パネル、リサイクルシステムの構築などについて総務省が勧告の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年09月13日

新電力ネット運営事務局

使用済太陽光パネル、リサイクルシステムの構築などについて総務省が勧告

9月8日、総務省は使用済太陽光パネルの廃棄処分等の 実施状況を調査し、その結果を取りまとめ、必要な改善措置について勧告したと発表しました。環境省と経済産業省に対して、「災害による損壊パネルへの対処」や、「使用済パネルの適正処理・リサイクル」について勧告を行っています。

8月31日付のFIT法改正、「太陽電池の合計出力」の一定の増減で変更時の調達価格に、過積載は可能の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年09月08日

新電力ネット運営事務局

8月31日付のFIT法改正、「太陽電池の合計出力」の一定の増減で変更時の調達価格に、過積載は可能

9月5日、資源エネルギー庁は8月31日に公布・施行したFIT法改正のポイントを発表しました。ポイントは6つに分けられており、太陽光発電における調達価格の変更条件や、本人確認の書類の変更などについて説明が掲載されています。

エネルギーマネジメント関連市場、2025年度に約2700億円の予想、2016年度の2倍以上にの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年08月16日

新電力ネット運営事務局

エネルギーマネジメント関連市場、2025年度に約2700億円の予想、2016年度の2倍以上に

8月14日、富士経済は家庭分野と産業・業務分野におけるエネルギーマネジメント関連の国内市場を調査し、その結果を「2017 エネルギーマネジメントシステム関連市場実態総調査」にまとめたと発表しました。2025年度には約2700億円の市場となり、2016年度の2倍以上の規模となる予測となります。