店舗・ショップでポイント還元、新電力3社の料金プランをみる
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2016年04月04日
一般社団法人エネルギー情報センター

電力自由化が始まり、誰でも電力会社を選べる時代に突入しました。このコラムでは、生協やスーパーマーケットなどのショップでポイントが貯まるプランについて、新電力各社の概要を見ていきたいと思います。
買い物でポイントが貯まる、新電力3社のプランを概観
新電力の中には、店舗やショップと提携し、買い物でポイントの貯まるプランがあります。今回のコラムでは、「トドック電力」、「大阪いずみ市民生活協同組合」、「アイグリッド・ソリューションズ」の3社について、それぞれ特徴を見ていきたいと思います。
①コープさっぽろの店舗で使える、「トドック電力」の料金プラン
コープさっぽろは、北海道札幌市西区発寒に本部を置く生活協同組合です。1965年に北大生協の支援を受けて札幌市民生協という名前で誕生し、2000年に現在の名称へと変更されました。北海道において、古くから住民の生活を支えてきた歴史ある団体です。
コープさっぽろグループは、「トドック電力」として、離島を除く北海道全域の家庭に向けた電力の販売を開始します。電力プランの特徴としては、「コープさっぽろ」の店舗などでポイントが貯まるサービスや、灯油やトドックスマホとのセット割引など、各種オプションが揃えられています。「コープさっぽろ」をご利用の方にとってメリットを打ち出しているプランとなります(図1)。
図1 トドック電力プランのオプション 出典:トドック電力
再エネを利用したプランや、割安なベーシックメニューといた多様な選択肢
料金プランは、再エネを利用した「FIT電気メニュー」と、「ベーシックメニュー」があります。「FIT電気メニュー」は割高となりますが、再生可能エネルギーの普及に貢献したい方の期待に応える形となります。一方、「ベーシックメニュー」は価格の安さを打ち出した料金設定となっております。
料金プランの価格設定は、北海道電力より安い水準を目指しており、割高な「FIT電気メニュー」でも、節約できる数値となります。灯油とのセット割引を利用すると、280kWhを超える分は3%の節約となります。「ベーシックメニュー」ではさらに割安となり、280kWhを超える分は1割の節約となります。たくさん電気を使うほど節約額が増しますが、たとえ少ない電力使用量でも金額の削減が期待できます(図2)。
図2 トドック電力プランの料金 出典:トドック電力
②大阪いずみ市民生活協同組合、コープの宅配ショップ利用でポイント還元
大阪いずみ市民生活協同組合は、1974年に南大阪の主婦たちが「仮出資金」を出しあい、トラックを購入して共同購入を始めたことが設立のきっかけです。1973年のオイルショックによる物価値上がりを契機に、生活を守るための運動が結実した形となります。
大阪いずみ市民生活協同組合が提供するプランは、「コープの宅配」利用で節約できる内容です。「サンクスステージ」という枠組みが用意され、電気料金とコープの宅配を合算した金額利用が大きいほど、高いポイントが付与されます。加えて、20000円以上の利用であると、宅配手数料が無料となります。「コープの宅配」を利用している方にとってメリットを打ち出しているプランとなります(図3)。
図3 大阪いずみ市民生活協同組合プランのオプション 出典:大阪いずみ市民生活協同組合
料金設定は電気を大量に利用する需要家向け
大阪いずみ市民生活協同組合も、既存の電力会社と比較して価格メリットを打ち出す金額設定です。多くの電力を利用する「バリュープラン」と、少ない電力利用でもメリットを出しやすい「ベーシックプラン」があります。「ベーシックプラン」ですと、年間の電気代が約97000円の場合は、4040円(4.1%)の割引となります(図4)。ただし、少ない電力利用を想定した「ベーシックプラン」でも、目安として年間65000円を下回る場合は、関西電力よりも割高になります。
図4 大阪いずみ市民生活協同組合プランの料金 出典:大阪いずみ市民生活協同組合
提供地域は大阪全域ではなく、一部地域
電気の提供地域は大阪全域ではなく、下記のように限定されているので注意が必要です。
東大阪市/八尾市/柏原市/藤井寺市/羽曳野市/松原市/太子町/河南町/富田林市/千早赤阪村/大阪狭山市/河内長野市/堺市/高石市/和泉市/泉大津市/忠岡町/ 岸和田市/貝塚市/熊取町/泉佐野市 /田尻町/泉南市/阪南市/岬町
③スーパーマーケットと提携、アイグリッド・ソリューションズ
アイ・グリッド・ソリューションズは、電力エネルギー需要の最適化『eDCM』を推進し、「見える化」や「省エネ」などの事業を推進する企業です。流通業・小売業・アミューズメント業に対して強みがあり、スーパーマーケットと提携した料金プランで電力自由化に乗り込みます。
アイ・グリッド・ソリューションズが提供する「スマ電」は、スーパーマーケットで買える電気のブランドです。ポイント獲得や会員割引、新商品のプレゼントなど、提携しているスーパー独自のサービスが特典として付与されます(図5)。
図5 スマ電プランのオプション 出典:アイ・グリッド・ソリューションズ
電気の大量利用で価格メリット
スマ電は、東京電力エリア、中部電力エリア、関西電力エリアにてプランを提供しています。下記にて、関西電力エリアの料金について見ていきたいと思います
月の電気使用量が305kWh(目安:月額8203円)を超えた場合、電気料金がおトクになる料金設定です。428kWh(目安:12302円)の利用で、6.1%(750円)節約できます。ただし、305kWh以下のあまり電気を使わない家庭の場合は、割高になる可能性が高いです(図6)。
図6 スマ電プランの料金(関西) 出典:アイ・グリッド・ソリューションズ
7つのスーパーマーケットと提携
スマ電は下記のスーパーマーケットと提携しており、それぞれが独自のオプションを提供しています。そのため、下記のスーパーマーケットを利用している方に強みを打ち出しているプランとなります。今後も提携スーパーマーケットは増えていくことが想定され、より大勢の電力需要化に対応したプランになっていくことが期待されます。
- アピタ・ピアゴ
- にしがき
- 一号舘・ラッキーマート
- ベルクス・ベルスポ
- 生鮮館なかむら
- ボトルワールド OK
- いちやまマート
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執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センター
EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。
企業・団体名 | 一般社団法人エネルギー情報センター |
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所在地 | 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F |
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