中国電力、カープ応援メニューで野球ファンの需要取り込み、首都圏にも進出

2016年03月08日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

中国電力、カープ応援メニューで野球ファンの需要取り込み、首都圏にも進出の写真

3月7日、中国電力は首都圏の需要家に対し、新プランの提供を発表しました。野球球団(広島東洋カープ)とのコラボが特徴的であり、カープの公式戦勝利や年間成績に応じた追加特典ポイントを進呈する内容です。

中国電力の首都圏向けプラン、「ぐっとずっと。プラン シンプルコース」

中国電力は、電力の小売全面自由化が開始される4月から首都圏(栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県、千葉県,離島を除く東京都、神奈川県、山梨県、富士川以東の静岡県)において、「ぐっとずっと。プラン シンプルコース」を提供します。申込み受付は、3月8日(火)から中国電力のWEBサイト上にて開始されます。

プロ野球チームである広島東洋カープとのタイアップを実現した料金プランとなっており、野球ファンの需要取り込みが期待されます(図1)。

中国電力の料金プラン概要

図1 「ぐっとずっと。プラン シンプルコース」の概要 出典:中国電力

電気料金は基本料無料、従量料金のみのシンプルな構成

「ぐっとずっと。プラン シンプルコース」は、基本料金がない部分が特徴的です。電気の使用量に一律の料金単価(25.62円/kWh)を乗じて料金を算定する形となります(図2)。

中国電力の料金プラン詳細

図2 料金プランの単価 出典:中国電力

東京電力の従量電灯と比較し料金を安く設定

月の電気使用量が600kWh(60アンペア)の場合、東京電力の従量電灯Bと比較して、年間約17000円(9%)安い金額となります。電気の利用量が多くなるほど、メリットが発生する構成となっております(図3)。

中国電力の料金と東京電力の料金比較

図3 中国電力と東京電力の比較 出典:中国電力

野球とポイント、2つのお得なサービス

「ぐっとずっと。プラン シンプルコース」では、ポイントが貯まる「エネルギアポイントサービス」と、成績や記録達成などでポイントが貯まる「カープ応援メニュー」で料金メリットを打ち出します。

エネルギアポイントサービス

「エネルギアポイントサービス」は、毎月の電気料金やコンテンツへの参加でポイントが貯まります。貯まったポイントは、中国地域の特産品や、カープ応援メニューをはじめとするコラボレーションメニューなど、中国地域の魅力を集めた商品やサービスと交換することが可能です(図4)。

エネルギアポイントサービスの概要

図4 エネルギアポイントサービスの概要 出典:中国電力

「コラボレーションメニュー」(カープ応援メニュー)

プロ野球チームと電力会社がコラボレーションした、全国初のサービスとなります。カープの公式戦勝利や年間成績に応じた追加特典ポイントを進呈する内容です。また、黒田投手の200勝、新井選手の2000本安打の際にも、イベントポイントを進呈することとなっています。加えて、応募者を対象に抽選で500名を「エネルギア ぐっとずっと。 ナイター」に招待するキャンペーンを発表しました。当日の始球式やCCダンスなどにも参加可能なイベントを用意する、としています(図5)。

カープ応援メニューの概要

図5 カープ応援メニューの概要 出典:中国電力

ドイツでは、サッカーで再エネの関心を高める事例も

これまで見てきたように、中国電力は野球という観点から需要家にアプローチしました。スポーツを利用したプログラムとして、以下ではドイツにおけるサッカーを活用した再エネ普及の手法をご紹介したいと思います。

ドイツのフライブルクには、プロサッカーチームであるSCフライブルクのスタジアムがあり、このスタジアムの屋上に設置された太陽光パネルは市民が一口5000ユーロ程度で購入できます。一口当たりの発電量は500W程度であり、発電した電気は固定価格買取制度を活用して売電され、出資者は配当を得ることができます。

このシステムはレギオ・フライブルク・エネルギー&ソーラー振興協会によるものであり、市民出資の太陽光発電プロジェクトの一環で行われています。このプロジェクトは、無料で屋根を提供した団体の屋上に太陽光発電装置を設置し、設置費用を出資した市民に対し、売電による配当金を支払うものです。この中でもフライブルクスタジアムの出資は、チケットを優先的に入手できるなどの特典もあり、人気がありました。これは、スポーツを活用し再生可能エネルギーに全く関心のない層にアプローチすることができた結果であるといえます。

この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。

無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
電力の補助金

補助金情報

再エネや省エネ、蓄電池に関する補助金情報を一覧できます

電力料金プラン

料金プラン(Excel含)

全国各地の料金プラン情報をExcelにてダウンロードできます

電力入札

入札情報

官公庁などが調達・売却する電力の入札情報を一覧できます

電力コラム

電力コラム

電力に関するコラムをすべて閲覧することができます

電力プレスリリース

プレスリリース掲載

電力・エネルギーに関するプレスリリースを掲載できます

電力資格

資格取得の支援

電験3種などの資格取得に関する経済支援制度を設けています

はてなブックマーク

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

蓄電池×エネルギーマネジメント 第1回の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2024年03月06日

新電力ネット運営事務局

蓄電池×エネルギーマネジメント 第1回

EVと並んで蓄電池と大きな関わりのある「エネルギーマネジメント」にテーマを絞って、蓄電池の今と未来を全6回に渡ってご紹介していきます。

エネルギー革命の中心を担う蓄電池 第4回の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2023年11月23日

新電力ネット運営事務局

エネルギー革命の中心を担う蓄電池 第4回

今注目を集める「リチウムイオン電池」について、その概要を全4回にわたってご紹介します。

エネルギー革命の中心を担う蓄電池 第3回の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2023年11月06日

新電力ネット運営事務局

エネルギー革命の中心を担う蓄電池 第3回

今注目を集める「リチウムイオン電池」について、その概要を全4回にわたってご紹介します。

エネルギー革命の中心を担う蓄電池 第2回の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2023年10月08日

新電力ネット運営事務局

エネルギー革命の中心を担う蓄電池 第2回

今注目を集める「リチウムイオン電池」について、その概要を全4回にわたってご紹介します。

ワイヤレス化など、進化するEV充電器。国内外のビジネス事例は?最新動向②の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2023年09月27日

新電力ネット運営事務局

ワイヤレス化など、進化するEV充電器。国内外のビジネス事例は?最新動向②

これまで遅れをとっていると指摘されてきたEV充電インフラですが、2030年までの充電インフラ15万基設置目標を政府が掲げ、民間での動きが活発になっています。国内外のビジネス事例の最新動向をご紹介します。

 5日間でわかる 系統用蓄電池ビジネス ビジネス屋と技術屋が一緒に考える脱炭素