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太陽光発電の適地を見出す取り組みPart2 農業用ため池のポテンシャル!

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カーボンニュートラル達成に向けたさらなる再生可能エネルギー導入と適地減少を解決するために、水上太陽光発電にも注目が集まっています。そこで今回は、補助事業の内容と水上太陽光発電の事例をご紹介します。

太陽光発電設備の適地が減少?その背景とは

太陽光の適地が少なくなっていることは前回のPart1にてご紹介をしました。そうした中で、水上太陽光発電のさらなる導入促進が期待されます。「水上」とは湖や貯水池(ため池)などのことです。これらの場所は、「水をためておく場所」としての本来の利用目的に加えて、「発電する場所」という新たな価値を見出されました。

ため池は、降水量が少なく、流域の大きな河川に恵まれない地域などで、農業用水を確保するために水を貯え取水ができるよう、人工的に造成されてきました。日本国内にため池は約 21 万カ所存在しています。

NEDO 再生可能エネルギー技術白書によると水上空間における太陽光発電の導入可能ポテンシャル量は、約 38,800MW と推定されています。現在の導入はその中の約 1%のみで、今後さらなる普及が見込まれています。

水上太陽光発電導入を促進するため、環境省の補助金事業も開始されています。令和4年度PPA活用等による地域の再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業の中の、「PPA活用等による地域の再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業のうち、(2) 新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業」です。補助金の交付額は補助対象経費の2分の1、補助金交付額の上限は3億円となっています。一次公募の締切は6月17日(金)午後5時までです。(ご参考: http://www.eta.or.jp/offering/22_08_shin2/220517.php

出典:環境省

NEDOでは2019年に公開した『地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン2019年版』に傾斜地設置型・営農型・水上設置型の特殊な設置環境の構造設計、電気設計・施工の項目を加えた3種類の『太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン2021年版』を公開しています。また、農林水産省では、「令和3年9月、農業用ため池における水上設置型太陽光発電設備の設置に関する手引き」を公開するなど、水上太陽光発電を安全に導入するための支援を行っています。

水上太陽光発電の特徴やメリットとは

これまでに、水上太陽光発電は農業用のため池が多い香川県や兵庫県、埼玉県などを中心に全国で少しずつ増えてきました。農水省中国四国農政局によると、香川県内にあるため池の数は1万4,619カ所で、全国1位です。基幹産業は農業ですが、雨が少なく、大きな河川がないため、各所に設けられたため池が農業用水を供給してきました。

水上太陽光発電のメリットは以下のような点があるとされています。

■パネルの温度が下がるため、陸上のものと比較して発電効率が良い

一般に太陽光発電は5月ごろに最も発電量が多くなり、真夏はパネルの温度が上がりすぎて発電効率が落ちてしまいます。ところが、水上なら水面の温度が地上より低いため、陸上設置型に比べて真夏の発電効率低下を抑えることができます。

■工事に伴う森林伐採や造成、整地が必要ない

山林に設置するとすれば木を伐採し、伐根しなければなりませんが、ため池の水面ならフロート式の太陽光発電を浮かべるだけで済みます。

■藻など水草の異常発生を抑制できる効果がある可能性がある

水面への日射をさえぎることによる水中の生態系を崩す可能性がある水草の過剰繁殖の抑制も期待できます。

一方で、鳥類や水生生物への影響、景観への影響は発生すると考えられますし、洪水や台風などの災害による被害は陸上同様に発生していくでしょう。

国内企業の事例をご紹介

それでは、ここで国内企業の事例を2社ご紹介します。

発電設備は全て水上発電、太陽ホールディングスグループ

米アップル向けの部品供給を行う太陽インキ製造をグループ会社にもつ、化学メーカーの太陽ホールディングスグループです。7県で計14基の水上太陽光発電所を持ち、年間想定発電量は25ギガワット時に達するということです。

2022年5月、子会社の太陽グリーンエナジーが兵庫県三木市に14カ所目となる水上太陽光発カ所を開設し、発電を開始したと発表しました。開設した「中央池水上太陽光発電所」は、年間発電量は一般家庭1000世帯分に相当する、約3013MWh(メガワット時)を見込んでいます。

同社が運用する発電設備は全て水上発電である点が特徴です。すでに、太陽ホールディングスグループの国内事業全体の消費電力の100%相当を賄える規模を実現したと発表しています。

中央池水上太陽光発電所 出典:太陽ホールディングス

金融・サービス事業が水上太陽光発電へ、東京センチュリー

2022年3月、金融・サービス事業を手掛ける東京センチュリーは、フランスのシエル・テールの発電事業会社への出資を通じ、関東や近畿、中国、四国にある計19カ所・22メガワットの水上型を運営すると発表しました。

両社の得意領域を組み合わせて水上太陽光発電に関わるということです。東京センチュリーは資金や顧客網など、シエル・テールは発電所開発や保守でそれぞれ補完し合います。同社では、固定価格買取制度(FIT)終了を見越して、リース会社などが利用者に電力提供するPPA(電力販売契約)の拡大などにつなげます。

同社は、今回の出資を機に水上型の規模も拡大し、中期で100メガワットに引き上げる計画ということです。

タイで世界最大規模の水上ソーラーファームが誕生

こうした水上太陽光発電は、海外でも普及が進んでいます。鉄鋼、産機・インフラなどの事業を手掛ける日鉄物産によると、「世界での施工数は 2014 年から 2018 年の間に 119 倍まで増加」しています。また、湖や貯水池に加えて、ダムでの利用も進んでいます。

タイ東北部ウボンラチャタニ県のダム(シリントンダム)に2021年10月、世界最大規模の水上ソーラーファームが稼働開始しました。海上に比べ水面が安定的なダム湖の特性を活かし、日中は太陽光発電、夜間は水力発電を行うハイブリッドシステムです。ダムに浮かべられた太陽光パネルは14万4000枚以上。サッカー場にすると70面分の面積に相当するといいます。

出典:Electricity Generating Authority of Thailand

タイでも2050年までにカーボンニュートラルを目指し、さらに2065年までには温室効果ガス排出量ゼロに向けた高い目標を掲げています。そのうえで、同国がいま力を注いでいるのが、こうしたダム湖に建設する水上ソーラーファームだということです。2037年までに建設をすすめ、最終的には同国内で15か所での稼働を実現させると公言しています。

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