電力システム改革

電力システム改革とは

電力の完全自由化に向け、政府主導で進められている改革で、2015年~2020年の間で3段階に分けて行われる予定となっています。この改革は、「電力の安定供給の確保」、「電気料金上昇の抑制」、そして「需要家の選択肢の拡大と事業者へのビジネスチャンスの創出」を主な目的としています。

背景

東日本大震災や原子力事故を契機として、電力の安定供給への不安が生じたために、多様な電源と全国的な電線網を活用することが不可避となり、また原子力発電への依存度が下がった事による電気料金の上昇圧力を抑制する必要性が生じた事から、改革が提言されました。

改革の内容

電力システム改革は、3つの段階に分けられています。

①電力広域的運営推進機関の設立(2015年)

電力広域的運営推進機関の設立によって、それまで地域間を越えた電力輸送を困難にしていた地域ごとに異なる周波数が調整され、また、送電設備の運用を見直されることになっています。これによって、広域的な系統運用を拡大して発電所を全国レベルで活用することが可能になると考えられています。

②小売・発電の全面自由化

2000年以降、小売分野の自由化を段階的に実施してきましたが、2016年を目途に自由化の最終段階である家庭への小売の参入を自由化する予定で、これにより電力の完全自由化を達成しようとしています。それまでの、供給原価に基づき自動的に電気料金が決定される総括原価方式を段階的に撤廃する事で、価格の面での競争を促進させ、また、全国規模で安い電源から順に使うメリットリターンを徹底させることにより電気料金の最大限の抑制が可能となると考えられています。

法的分離の方式による送配電部門の中立性の一層の確保

電力事業への参入の自由化に伴い、既存の電力事業者が、新規参入者に対し、送電線の利用を制限したり、使用料金を過度に高くしたりするなどの不公平な扱いをすることが想定されます。そこで2018~2020年を目途に、既存の電力会社が所有している送配電網を、参入してきた発電会社が平等に活用できるよう送配電部門の別会社化を実施する予定です(法的分離)。これにより、新規参入者が電力市場に入りやすくなるというメリットがあります。

課題

大いに期待されている改革ですが、実際のところ、いまだ新電力の割合が低く、電力需要の4.2%にとどまっている(2013年)という事、更に電力自由化先進国のドイツでは、改革以降、電気料金の上昇が続いている事など、様々な課題も残されています。