郵便配達に利用する85000台の二輪車を電動バイクに、本田技研工業と日本郵便が協業

2017年03月27日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

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3月23日、本田技研工業と日本郵便が、郵便配達に利用する二輪車を電動化し、それを用いた郵便配達による社会インフラ整備に向け協業すると覚書を締結しました。この協業では、電動バイクの導入だけではなく、郵便局への充電ステーション導入なども検討されることとなります。(一般社団法人エネルギー情報センター 新電力ネット運営事務局)

日本郵政グループ、2008年から電気自動車の実証実験を開始

日本郵政グループは、車両が排出するCO2を削減するため、電気自動車やハイブリッド車などを導入しています。2008年度からは電気自動車の実証実験を開始し、環境面や業務面での効果と課題を様々な角度から検証し、車両メーカーに開発協力を要請するなど、本格導入に向けて準備を進めていました。

2009年7月からは、リチウムイオン電池を搭載した量産型電気自動車の販売が始まったことを受け、本格的に配備開始しています。そして2016年3月末現在、郵便局に営業用車両として電気自動車(自家用軽四輪)17台、集配用車両として電気自動車(事業用軽四輪)50台および電気自動車(事業用貨物)20台を配備しています。

さらに、2015年には全国で初めて「超小型モビリティによる集配作業の実証実験開始」を始めているほか、リヤカー付き電動アシスト自転車の導入も行うなど、低炭素社会に向けて環境対応車両の導入を積極的に進めています(図1)。

日本郵便による低公害車への切替

図1 日本郵便による低公害車への切替 出典:日本郵便

日本郵便と本田技研工業が二輪車の電動化で協業

環境対応車両の導入を進めている日本郵便ですが、現行の二輪車を電動化するために、本田技研工業と協業します。3月23日、覚書を締結したと発表があり、電動二輪車等や郵便局での充電ステーションの実証実験が行われます。

日本郵便と本田技研工業は、約半世紀にわたり二輪車の開発・運用を通じて、効率的な郵便配達業務の協力関係を築いてきました。今回の電動化における実証実験では、日本郵便は、本田技研工業の開発する電動二輪車等を用いた実証実験を行います。そうすることで、郵便配達業務への電動二輪車等の導入の可能性が検討されます。

また、今回の実証実験は日本郵便が保有する85000台以上の二輪車が電動化するだけではなく(図2)、郵便局への充電ステーション導入も検討が行われます。将来的には、充電ステーション機能を通じて郵便局が、より利便性の高い「人々の集う場所」として、地域にさらに貢献できる存在となることも目標となっています。

郵便事業用車両の保有台数

図2 郵便事業用車両の保有台数 出典:日本郵政

GPS機能で、近距離移動における業務を支援するクラウドサービスを利用

本田技研工業は、二輪車などの近距離移動における業務効率向上を支援するクラウド型ソリューションサービス「Honda Biz LINC」を開発してきました。「Honda Biz LINC」はスマートフォン等の位置情報(GPS機能)を活用するものです。

例えば、本部や店舗がタブレットに受注内容や配達先をインプットすると、配達員はスマートフォンで受注内容などを確認し、表示される最適ルートで配送することができます(図3)。今回の実証実験では、郵便配達業務の車両で「Honda Biz LINC」が利用されます。車両の位置情報を把握できる機能等を活用することで、車両をより効率的で安全に運用することを目指す、としています。

そのほか、郵便配達用二輪車に関する保守体制も構築されます。現在、本田技研工業が日本郵便に納入し配達業務に使用されている郵便配達用二輪車を、安心して業務に使用できることを目的とした保守体制を全国で強化するとしています。

Honda Biz LINCの機能の一部

図3 Honda Biz LINCの機能の一部 出典:本田技研工業

Hondaの電動バイク、2018年には国内で販売予定

Hondaのスーパーカブは、1958年の発売以降、延べ160ヵ国以上で販売され、世界で最も使われている二輪車となりました。その後も、それぞれの国や地域に根付いたモノづくりをグローバルな展開につなげ、2014年9月にはHondaの二輪車は世界生産累計3億台を達成しました。

このHondaの原点ともいえるスーパーカブにモーターを搭載したのが、「EV-Cub」です。第44回東京モーターショー2015において、「EV-Cub Concept」が発表され、2018年を目途に国内でも販売開始される予定であり、ASEANでの普及に挑戦する計画も進められています。

今回の実証実験で利用される電動バイクにも、こうしたEV-Cub等で培われたノウハウが投入されるものと考えられます。本田技研工業は、電気自動車など先進環境対応車の研究開発に、2015年度では約3000億円もの環境保全コストを負担しており、こうした投資で得られる知見が、今回の実証実験でも活用されること期待されます(図4)。

本田技研工業による環境保全コスト

図4 本田技研工業による環境保全コスト 出典:本田技研工業

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