100%電気の力で走る自動車のみ販売できる法案、オランダで可決可能性

2016年04月25日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

100%電気の力で走る自動車のみ販売できる法案、オランダで可決可能性の写真

オランダにおいて、2025年までに電気自動車以外の車両販売を禁止する法案が可決する見込みです。ガソリン車やディーゼル車だけではなく、ハイブリッド車までも規制の対象となる可能性がある内容となっています。(一般社団法人エネルギー情報センター 新電力ネット運営事務局)

ハイブリッドカーさえも禁止、電気自動車のみ販売できる法案の可決見込み

今回の法案は、オランダにおいてガソリンなどの化石燃料を利用する自動車の新規販売を、2025年までに禁止するものです。環境に優しいとされるハイブリッドカーでさえも、化石燃料を利用するので規制の対象となります。

この電気自動車に関する法案は、オランダの下院議会に提出され、賛成多数の状況にあります。上院議会でも通過すれば、強制力のある法として施行される可能性があり、化石燃料による自動車の新規販売を完全に禁止する世界初の事例となります。

仮に、法案の内容が変更されずに施行されると、100%電気の力で走る電気自動車のみが新規販売可能となります。水素を利用して電力を取り出す燃料電池を搭載した車両は、規制の対象にはならない見込みです。ただし、2025年度は「期間が短すぎる」として実現可能性を疑問視する意見もでており、今後も引き続き法案の詳細や採用の可否そのものが議論されます。

電気自動車の販売に適した条件を持つオランダ

オランダは、日本と異なり土地が狭いため、電気自動車の普及に有利な地域条件となっています。電気自動車の航続距離は短く、充電にも時間がかかるため、国土が狭いほど電気自動車の普及が容易となります。オランダにおける主要都市間の距離は、200キロメートル未満であり、国の東西間の距離は約160kmであり、総面積は九州程度と非常にコンパクトです。

「Inside EVs」によると、2015年にオランダ国内で販売された電気自動車は約4万3000台で、全自動車の販売台数約45万台の9.6%を占めており、世界の中でも高い割合です。

自動車の国内販売台数のうち、約22%を電気自動車が占めるノルウェーには及びませんが、米国の0.66%、英国の1.1%、カナダの0.35%などと比較すると、オランダは電気自動車の割合が高いです。オランダは、今回の法案以外にも、2018年までに電車に供給する電力を全て風力発電とする計画を立てるなど、化石燃料を排除するための計画を立てています。

日本における電気自動車の割合は0.1%程度

一般財団法人自動車検査登録情報協会のデータによると、平成28年1 月末時点で、2輪車を除く自動車の日本における保有台数は、77,660,051台でした。

一方で、平成26年度における「電気自動車・プラグインハイブリッド自動車・燃料電池自動車」の全てを合計した保有台数は 114,868台であり、約0.14%です。オランダなどと比較すると、まだまだ低い割合であり、今後の普及が期待されます。

年度末  H22  H23 H24  H25 H26
EV 乗用車  4,636  13,266  24,983  38,794  52,639
貨物車  7  11  25  31  384
乗合車  11  15  22  28  37
特種車  16  30  31  34  35
軽自動車 4,360  8,940  13,646  15,870  17,611
PHV 乗用車  379  4,132  17,281  30,171  44,012
FCV 乗用車  –  –  –  –  150
EV・PHV 合計 9,409 26,394 55,988 84,928  114,868
HEV 乗用車 1,404,137  2,012,559  2,833,443  3,792,886  4,640,743
貨物車 9,717  11,118  12,204  13,200  13,727
乗合車  677  738  857  969  1,036
特種車 3,464  4,243  5,313  6,144  6,907
軽自動車 405  351  288  188  54,931
HEV 合計 1,418,400  2,029,009  2,852,105  3,813,387  4,717,344
EV・PHV・FCV・HEV 合計  1,427,809  2,055,403  2,908,093  3,898,315  4,832,212

表1 日本における次世代自動の保有台数 出典:一般社団法人次世代自動車振興センター

日本においては、電気自動車などの割合はまだまだ低いですが、年々と保有台数を伸ばしてきています。平成22年度の保有台数は約9400台であったのに対し、平成26年度は約11万4000台と、4年間で18倍近く伸びています(図1)。

日本国内の自動車メーカーにおいても、例えばトヨタは「新車CO2ゼロチャレンジ」として、2050年に販売する新車のCO2排出量を、2010年比で90%削減する目標を掲げています。ガソリン車から電気自動車などの次世代機へと開発・販売主軸を転換する方針であり、電力を利用した自動車の躍進が期待されます。

電気自動車・プラグインハイブリッド自動車・燃料電池自動車

図1 電気自動車・プラグインハイブリッド自動車・燃料電池自動車 出典:一般社団法人次世代自動車振興センター

はてなブックマークGoogle+でシェア

執筆者情報

新電力ネット運営事務局の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0858
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

大分県、藻場などの環境情報や水質の調査結果などが分かる地理情報システムを提供開始の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2016年07月05日

新電力ネット運営事務局

大分県、藻場などの環境情報や水質の調査結果などが分かる地理情報システムを提供開始

7月4日、大分県は県などが保有している自然環境に関する情報を重ね合わせ、地図表示で提供するシステムを公開しました。藻場、干潟などの環境情報、温泉規制図や自然公園図などの規制情報、大気や水質の調査結果などさまざまな情報を確認することができます。

七夕や夏至にライトダウンの全国キャンペーン、4時間の消灯で700万円の節電見込みの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2016年06月19日

新電力ネット運営事務局

七夕や夏至にライトダウンの全国キャンペーン、4時間の消灯で700万円の節電見込み

「ライトダウンキャンペーン」は、環境省の提唱したもので、施設や家庭の照明を消すことを呼びかけるものです。6月21日(夏至の日)及び7月7日(クールアース・デー、七夕)の夜8時から10時までの2時間、ライトダウンを実施するプロジェクトとなります。

スマートメーターの導入計画についての写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2015年08月13日

新電力ネット運営事務局

スマートメーターの導入計画について

スマートメーターとは、通信機能を備えた電力メーターのことです。電力事業者にとっては、事業の経済性向上に繋がり、電力利用者に対する新たなサービス提供にも繋がります。

凸版印刷が電子ペーパーPOP開発、電気代いらずで販促強化の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2016年03月10日

新電力ネット運営事務局

凸版印刷が電子ペーパーPOP開発、電気代いらずで販促強化

3月10日、凸版印刷(本社:東京都千代田区)は、屋内の光だけで稼働する電子ペーパーPOPを開発したと発表しました。スーパーやドラッグストアなどの店頭販促向けPOPとして、2016年度内のサンプル出荷を目指します。

ドイツのダイムラー社、「メルセデスベンツ」エンブレムの蓄電池をグローバル販売の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2016年06月14日

新電力ネット運営事務局

ドイツのダイムラー社、「メルセデスベンツ」エンブレムの蓄電池をグローバル販売

メルセデスベンツなどの高級車を手掛けるドイツのダイムラー社が、オフィスや家庭で使える定置型のリチウム蓄電池をグローバル展開します。ダイムラー社ではすでに、国内では4月から販売を開始していましたが、国際展開に踏み出すことを発表しました。