太陽光発電の新規開拓方法、金融機関との協力業務に新たな道、金融庁が回答
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2018年10月02日
一般社団法人エネルギー情報センター
金融庁は9月14日、金融機関が太陽光発電事業に関わる顧客マッチング業務について、銀行法の「その他の付随業務」として取り扱うことが可能との見解を示しました。この回答により、太陽光発電事業者が、金融機関と協力して顧客開拓していくビジネスモデルが広がっていく可能性があります。
金融庁が回答、金融機関の太陽光発電マッチング業務は「可能」
現在、銀行に対しては、他業禁止規制が課されています。この規制の目的は、銀行業務に専念することによる効率性の発揮、利益相反取引の防止等というものです。
しかしながら、どういった業務が他業禁止規制の対象となるかは、判断が難しいケースもあります。一見すると、銀行業務と関連しないと考えられる業務であっても、銀行法第10条第2項の「その他の銀行業に付随する業務」に該当する可能性もあります。
こうしたケースの判断方法の一つとして、「グレーゾーン解消制度」があります(図1)。「グレーゾーン解消制度」は、事業に対する規制の適用の有無を、事業者が政府に照会することができる制度です。これにより、現行の規制の適用範囲が不明確な場合においても、安心して新規の事業活動を行えるようになります。企業ごとに照会・申請が可能であり、正式申請後、原則1ヶ月以内に回答が得られます。
この「グレーゾーン解消制度」を活用し、太陽光発電関連事業を請け負う事業者が、8月17日付で照会を行いました。照会の内容は、提携先金融機関が顧客である土地所有者及び太陽光発電事業を希望する事業者を紹介し、ビジネスマッチング手数料を収受することが「その他の銀行業に付随する業務」に該当するかを確認するものです。
9月14日に回答が行われ、金融庁は、金融機関が太陽光発電事業に関わる顧客マッチング業務について、銀行法の「その他の付随業務」として取り扱うことが可能との見解を示しました。この回答により、金融機関は太陽光発電事業を顧客に紹介することで、ビジネスマッチング手数料を得ることが正式に認められるようになります。これにより、太陽光発電事業者が、金融機関と協力して顧客開拓していくビジネスモデルが広がっていく可能性があります。
照会が行われた事業の概要
今回の「グレーゾーン解消制度」による照会が行われた事業概要は、太陽光発電関連業を請け負う事業者(当該事業者)が、新規需要の獲得のため、①太陽光発電事業を行いたいが土地を持っていない者と、②太陽光発電に適した遊休土地を所有しているが自身では発電事業を行う予定のない者とを結びつけるものです。
当該事業者による顧客開拓の方法として、提携先金融機関から上記①②に該当する顧客の紹介を受け、①の顧客が太陽光発電事業を開始した、又は②の顧客からの土地の取得が成約した場合、当該事業者から当該金融機関にビジネスマッチング手数料を支払うことが可能であるか照会が行われています。なお、今回の紹介業務では、宅地建物取引業法第2条第1号に規定する宅地は対象外となります。
金融庁による回答
金融庁による回答では、当該事業者及び当該事業者へ紹介する顧客が提携先金融機関の「取引先企業」である場合、銀行法第10条第2項柱書の「その他の付随業務」として取り扱うことが可能であるしています。
また、提携先金融機関が紹介する顧客が「取引先企業」ではない場合であっても、以下のような観点を総合的に考慮した上であれば、「その他の付随業務」として取り扱うことも可能であるとしています。
考慮すべき観点
- 当該業務が銀行法第10条第1項各号及び第2項各号に掲げる業務に準ずるか。
- 当該業務の規模が、その業務が付随する固有業務の規模に比して過大なものとなっていないか。
- 当該業務について、銀行業務との機能的な親近性やリスクの同質性が認められるか。
- 銀行が固有業務を遂行する中で正当に生じた余剰能力の活用に資するか。
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執筆者情報
一般社団法人エネルギー情報センター
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