大阪ガス、海外スタートアップへ初投資、VPPや蓄電池制御の新サービスにつなげる
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2018年08月29日
一般社団法人エネルギー情報センター
大阪ガスは8月、米国スタートアップ企業であるGrowing Energy Labs, Inc.と、蓄電池の最適運用に関する実証を日本において共同で行うことについて合意したと発表しました。8月から大阪ガス保有の実験集合住宅「NEXT21」及び今津グラウンドにおいて、蓄電池を利用した新サービスの実現に向けた実証試験を行うとしています。
大阪ガス、蓄電池を利用した新サービスの実現に向けた実証試験を開始
これまで大阪ガスは、家庭向けには燃料電池「エネファーム」を、法人向けには「コージェネレーション」を提供し、分散型エネルギーシステムの普及、環境負荷の低減、エネルギーセキュリティの向上等に取り組んできました。
「エネファーム」については2018年3月、新型「エネファームtype S」を発売すると発表しています。新製品は、定格出力で運転した際の発電効率が53.5%であり、発表当時の世界最高発電効率52%を更新するものです。これにより、従来の給湯暖房システムと比べると、年間の光熱費を約11.3万円、CO2排出量を約2.4トン削減できるとしています。なお、2018年2月28日、大阪ガスの「エネファーム」の累計販売台数は8万台を達成しました。
法人向けには、タイ国Yokohama Tire Manufacturing社向けオンサイトエネルギー供給プロジェクトの建設工事を竣工しました。このプロジェクトは、総合エネルギー効率約90%のコージェネレーションシステムの導入により、15年間にわたり安価な電気と熱(蒸気)の供給を行い、工場内エネルギーの省エネとコストダウンを図るものです。環境面においては、一次エネルギー削減率24%、CO2削減量18,000t-CO2/年といった効果が期待できます。
このような活動を展開している大阪ガスは、米国スタートアップ企業であるGrowing Energy Labs, Inc.と、蓄電池の最適運用に関する実証を日本において共同で行うことについて合意したと発表しました。8月から大阪ガス保有の実験集合住宅「NEXT21」及び「今津グラウンド」において、蓄電池を利用した新サービスの実現に向けた実証試験を行うとしています。
海外のエネルギー関連スタートアップ企業への投資第一号
今回の実証試験では、実験集合住宅「NEXT21」において、PVと蓄電池を効果的に組み合わせ、経済性の向上と系統の需給バランス調整の両立の検証が行われます。検証により蓄積するノウハウにより、家庭向けサービスの向上が期待されます。
「今津グラウンド」においては、蓄電池を用いて、受電のピークカットと系統の需給バランス調整の両立の検証が行われます。こちらは、産業・業務向けのソリューションを対象とした実証となります(図2)。
大阪ガスは、VPPや蓄電池制御のノウハウ獲得のため、2018年3月にGeli社に対し出資を行い、実証試験を行う準備を進めてきました。Geli社は、分散電源等の制御用ソフトウェア開発企業で、特に蓄電池の制御に強みを持っています。また、米国・豪州において、電力系統の需給バランス調整を、多数の蓄電池で構成したVPPで実現するプラットフォームを提供しています。これまでは大型電源で行われてきた需給調整を、VPPにより実現するシステムとなります。
今後日本においても、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、VPPの活用ニーズが高まっていくことが予想されます。また、家庭用の太陽光発電の固定価格買取期間終了に伴って、自家消費ニーズが高まり、蓄電池の活用が広がっていくことが想定されます。
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一般社団法人エネルギー情報センター
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