国内の太陽光市場、2018年度は5460億円、2030年には3840億円まで縮小、富士経済が予測

2018年07月18日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

国内の太陽光市場、2018年度は5460億円、2030年には3840億円まで縮小、富士経済が予測の写真

7月12日、富士経済は太陽光発電関連市場を調査した結果を「2018年版 太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望」にまとめたと発表しました。国内市場においては、2018年度の5460億円から、2030年には3840億円まで市場規模が縮小するとしています。

富士経済が太陽光発電関連市場を調査・分析

国際連合環境計画(UNEP)が発表した報告書によると、世界の再エネ発電分野の投資額は、従来の化石燃料等の投資額を2015年に初めて上回りました。2015年時点で、再エネ投資額は2650億ドルであったのに対し、それ以外では1930億ドル(化石燃料:1300億ドル、原子力:200億ドル、大規模水力:430億ドル)でした。

UNEPの最新の報告書によると、2017年においては再エネに2798億ドルが投資され、中でも太陽光発電は世界的にも加速的に拡大を続けています(図1)。これを後押しているのは、COP21以降の世界の低炭素化・脱炭素化の流れだと考えられます。

2017年における世界の再エネ投資額(2016年比)

図1 2017年における世界の再エネ投資額(2016年比) 出典:United Nations Environment Programme

このような中、富士経済は太陽光発電関連市場を調査した結果を「2018年版 太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望」にまとめたと発表しました。国内市場においては、2018年度の5460億円から、2030年には3840億円まで市場規模が縮小するとしています。

調査方法としては、富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用したとしています。また、2018年3月~6月の期間において調査が実施されました。

国内市場は2018年度以降、縮小傾向

2017年度は、改正FIT法の施行に伴う混乱が生じました(認定の遅れや、施工・販売側で法改正の対応に追われるなど)。その影響を工期が短い住宅用や低圧用が受け、2016年度と比較し市場は縮小しました。

2018年度は出力ベースで7800MW、金額ベースで5460億円の市場規模となりました。2018年度以降は市場が縮小傾向にあり、出力ベースでは6000から7000MWで推移すると予想しています。金額ベースでは、2030年度を3840億円と見込んでおり、2018年度の約70%になると分析しています(図2)。

太陽電池(国内市場)

図2 太陽電池(国内市場) 出典:富士経済

富士経済の注目するビジネス①、PPA(Power Purchase Agreement)

PPA(Power Purchase Agreement)とは、大きな枠組みとしては、電気事業者と発電事業者の間で結ぶ「電力販売契約」の事です。富士経済が注目ビジネスとするPPAモデルでは、PPA事業者が第三者から資金調達し、建物所有者の屋根上に太陽光発電システムを設置します。契約期間後、あるいは買電が一定ラインに達した後は、設備は建物所有者に無償譲渡されることとなります。

市場は、2017年度に本格的に立ち上がりました。初期投資を事業者側が負担するため、建物の選別が重要となります。多くは新築、既築であっても築年数の浅い建物が適用されます。

PPAモデルは、FIT制度のない米国で普及した事業モデルのため、FIT価格に左右されにくい側面を持つとされます。そのため、脱FITの道を進む日本において、今後の普及が期待されます。

市場規模は、2018年度に12億円(2017年度比6.0倍)、2030年度に823億円(2017年度比411.5倍)まで拡大すると予測しています。ただし現状では、FIT売電を前提としたものが多く、いかに太陽光発電の導入コストを下げていくかが市場の動向を左右すると分析しています。

市場規模 2017年度比
2017年度 2億円
2018年度見込 12億円 6.0倍
2030年度予測 823億円 411.5倍

富士経済資料より作成

富士経済の注目するビジネス②、O&Mサービス

O&Mサービスとは、太陽光発電所の運用(オペレーション)と保守(メンテナンス)を行うことで、長期的な発電事業を可能とするスキームです。富士経済は、非住宅向けのサービスを注目ビジネスとしています。

サービス内容は、発電量の管理から法定点検、緊急時の電気工事対応、草刈りや太陽電池モジュールの洗浄など多岐にわたります。これまでは、発電事業における需要が大きかったのですが、今後は高圧ミドルや低圧ミドルにおける需要が増えると見込んでいます。

また、改正FIT法の施行により太陽光発電所の適切な運用・保守を求める項目が盛り込まれました。これは、O&Mサービスの需要増加につながるものです。

ただし、改正FITにおいて現状では適切な運用・保守について具体的な方法が定められていません。そのため今後は、運用・保守の方法について厳格化するなど、制度面の強化が考えられます。また、O&Mサービスのさらなる低価格化が進むと分析しています。

市場規模 2017年度比
2017年度 471億円
2018年度見込 567億円 118.1%
2030年度予測 1225億円 2.6倍

富士経済資料より作成

世界市場は金額ベースでは縮小傾向、しかし出力ベースでは増加との予測

世界市場は2014年以降、中国、米国、日本の3ヶ国がけん引してきました。しかし、モジュール価格の下落によって太陽光発電の導入ハードルが低くなり、需要地は新興国を含め世界各地に広がっています。

2017年は、中国が突出した導入量を達成したこともあり、出力ベースでは初めて100GWを突破しました。富士経済によると、参入企業の多くは、中国の需要が落ち着くことを予想しつつも、設備増強の計画を進めているとしています。

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