新電力

新電力とは

新電力とは、既存の大手電力会社の一般電気事業者(各地方の電力会社)と異なる特定規模電気事業者のことです。

背景

新電力は、1999年度成立した改正電気事業法で規定されました。当時は2000kw以上の特別高圧電力という需要家(主に企業などの業者)に多くの電力を売っていました。次第に2000kw未満の電力を使用する需要家が増えてきたので、2004年度に500kw以上の高圧大口需要、2005年度には50kw以上の高圧小口需要の電力プランができました。この時点で12社が市場に参入していました。

しかし2016年度の4月からは、特定規模電気事業者(=新電力)と一般電気事業者が統合され、小売電気事業者となります。そして50kw未満のコンビニ・小規模工場や一般家庭向けの電力プラン【低圧需要、電灯需要】が登場するのです。

3. 似ている概念との対比

特定規模電気事業者:新電力と同じ概念です。呼び名が覚えにくいため、新電力という呼称が用いられるようになりました。PPS:(Power Producer and Supplier):特定規模電気事業者、新電力と同じ概念です。小売電気事業者:新電力と既存の各地方の大手電力会社の一般電気事業者と結合されたものを指します。

また、実際に電気を供給できるのは、小売電気事業者というライセンスを取得できた事業者だけが、すべての需要家に電気を供給できます。

新電力の仕組み

小売

小売電気事業者は、電源調達をし、その電力を一般家庭を含むすべて需要家に電力を売ることができます。

電源調達について

・JEPX

JEPXは、一般社団法人日本卸電力取引所の略で、電力の現物取引を仲介する社団法人です。

・相対契約

会社間で1対1で取り決めた特別な料金での契約のことです。

・常時バックアップ

新電力の売る電力が不十分である際、一般電気事業者から卸売してもらうことです。

・自家発電

電力会社自らが電力を発電することです。

・入札

一つの発電所に対して多数の小売り電気事業者が電源調達をしたいとき、一番有利な条件を申し出たものと契約することです。

卸売り

新電力は小売のほかに、大手電力会社、他の新電力、卸電力取引所への卸売も行っています。

参入メリット

・電力不足対策

東日本大震災により電力不足が起こったことに対し、大手電力会社だけに頼ることに不安を感じる声が増えています。震災時に電力不足に備え、大手電力会社以外の新電力を一般家庭にも供給するのです。

・CSR対策

新電力には、水力・風力・太陽光といった自然エネルギーで発電しているところもあります。自治体や企業によっては、環境に配慮した新電力を自主的に利用する動きがあります。

・価格対策

新電力は自家発電設備を用い、安く電力を供給しています。

・マーケティングコンテンツ

オール電化を売りたい企業が、電気とのセット割引を強みとして各家庭を訪問するなど、マーケティングコンテンツとなります。

・地域活性化

地域内で電力を循環させることや、魅力発信のためのツールとして活用するなどの手法により、経済効果を生み出します。

関連した動き

電力だけではなく、2015年度には通信キャリアの自由化、つまりSIMフリーが解禁になり、さらに2017年度にはガスの自由化も施行される予定です。今後ますます企業が多様化されると期待されるででょう。

今後の展望、可能性

2016年度の電力小売自由化により、市場規模が新たに7兆5000億円以上誕生すると言われています。エネルギー関連会社だけではなく、料金徴収の面で通信キャリア、ネット販売、クレジットカードなどの金融機関も参入する余地があります。

懸念

今後下記の事情から、新たな電力の仕入先を探索していく必要があります。

JEPXのシェア少ない

JEPXは、一般社団法人日本卸電力取引所の略で、電力の現物取引を仲介する社団法人です。現在JEPXと取引している電力会社は、一般電気事業者と新電力会社、あわせて125社です。(2015年度12月現在)しかし販売電力量に対するシェアはたったの1.5%です。(2015年度3月現在)

発電所の権利問題

一般電気事業者は地域が所有する発電所を長期間で調達契約しています。そのため、新規参入企業は期限が過ぎるまでそれらの電源調達を見送る必要があります。

規模の経済

一般電気事業者は巨大な資本を軸にした発電所開発を長年継続しており、調達コストを低く抑えた有利な経営を実施しています。電気料金の大部分を発電コストが占めているため、新規参入事業者にとっては経済メリットを打ち出すための複雑な戦略が必要となります。