RPS制度

RPS制度とは

Renewables Portfolio Standardの略で、再生可能エネルギー利用割合基準制度とも呼ばれています。電気事業者に対し、一定割合以上の新エネルギーから発電される電気の利用を義務づけることにより、新エネルギーの普及を図る制度です。

背景

「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」に基づいています。エネルギーの安定供給を図ること、環境の保全に努めること、国民経済の健全な発展を目指す役割にあります。

FIT制度との違い

類似した用語としてFIT(Feed-in Tariff)制度があり、固定価格買取とも呼ばれています。こちらでは再生可能エネルギーによる発電に対して、通常の電気料金より高い料金を設定し、非再生可能エネルギー事業者への買取を義務付ける制度のことを言います。

一方でRPS制度では、非再生可能エネルギーによる発電事業者に対し、再生可能エネルギーによる発電を義務付けるものです。

現状

RPS制度は2002年公布、2003年から施行されましたが、2012年6月末で廃止となりました。しかし2012年7月以降もFIT法として、実質継続状態になっています。

履行状況

2003〜2005年においては、すべての電気事業者が義務履行を行いました。RPSの導入により新エネルギーの供給総量・設備容量は着実に増加しており、3年間で新エネルギー等の電気供給量は約87%増加しました。特に風量・太陽光によるものが中心となっています。

対象エネルギー

  1. 風力
  2. 太陽光
  3. 地熱(熱水を大幅に減少させないものが対象)
  4. 水力(1000Kw以下・水路式発電・ダム式従属発電)
  5. バイオマス(廃棄物発電燃料電池による充電のうちのバイオマス成分も含む)

 問題点

電力の買取価格による配慮が足りず、大手電力会社の意のままに設定されている点が挙げられます。結果としてゴミ発電からの電力が新エネルギーとして重視され、自然エネルギーによる発電が軽視されています。

海外での動向

RPS制度を導入している国は、イギリス、オーストラリア、韓国などがあります。イギリスのようにFIT制度と併用している国もあります。欧州では近年FIT制度が重視される動向があり、固定価格よりも先が読める点がその理由とされています。

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