通年エネルギー消費効率(APF)
通年エネルギー消費効率とは
「APF(Annual Performance Factor)」のことで、JIS C9612に基づき、ある一定の条件(JIS C9612に明記)の元にエアコンを運転した時の消費電力1キロワット当たりの冷房・暖房の能力を表わしたものです。JIS C9612に基づき、小数点以下1桁まで表示しています。この値が大きいほど、省エネ性能が高いということになります。
APFの求め方
定められた条件下でエアコンを使用した場合、1年間でどれだけ電力を消費したかを「期間消費電力量」として算出します。そして、エアコンが1年で使用するエネルギーを期間消費電力量で割ってAPFが算出されます。つまり室温や外気の温度の影響を受けやすいエアコンではAFPの方がCOPよりも正確な値を得ることが出来ます。
算出計算例
APFの計算例: APF = 5611 / 850 = 6.6 (冷暖能力2.8kW、期間消費電力量が850kWhの場合)
冷房期間及び暖房機間に必要な冷暖房能力の総和(固定値)
冷房能力 (kW) |
冷暖房能力総和 (kWh) |
冷房能力 (kW) |
冷暖房能力総和 (kWh) |
---|---|---|---|
2.2 | 4408 | 4.5 | 9017 |
2.5 | 5010 | 5.0 | 10019 |
2.8 | 5611 | 5.6 | 11222 |
3.6 | 7214 | 6.3 | 12624 |
4.0 | 8015 | 7.1 | 14227 |
期間消費電力量(kWh)とは
日本工業規格JIS C9612:2005(ルームエアコンディショナ)「期間エネルギー消費効率算定のための試験及び算出方法」に基づくAPFから算出されています。
算出条件
外気温度 | 東京をモデルとしています |
---|---|
期間 | 冷房期間 3.6ヶ月(6月2日~9月21日) 暖房機間 5.5ヶ月(10月28日~4月14日) |
設定温度 | 冷房時:27℃/暖房時:20℃ |
時間 | 6:00~24:00の18時間 |
住宅 | 平均的な木造住宅(南向き) |
部屋の広さ | 機種に見合った広さの部屋(下記参照) |
冷房能力に対する部屋の広さの部屋の目安
冷房能力 (kW) |
畳数(畳) | 冷房能力 (kW) |
畳数(畳) |
---|---|---|---|
~2.2 | 6 | 5.6 | 18 |
2.5 | 8 | 6.3 | 20 |
2.8 | 10 | 7.1 | 23 |
~3.6 | 12 | 8.0 | 26 |
~4.5 | 14 | 9.0 | 29 |
5.0 | 16 | 10.0 | 32 |
COPとAPFの対比
APFと似た指標にCOPという指標があります。COPとはCoefficient Of Performance(成長係数)の頭文字をとったもので、エネルギー消費効率は成績係数とも呼ばれます。特に冷暖房器具の省エネ性能を表す際によく使われています。
電力1kWを使ってどれだけの効果を得られるかという指標です。現在一般にも普及していて、機器やカタログに記載されている場合もあります。
COPからAPFへの変化
2006年9月に改正された「省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)」でCOPと代わって省エネの指標の基準値と定められました。法改正後、エアコンではAFP表記が主流となり、COP表記が少なくなってきました。
使われる指標がCOPからAPFに変化した理由は、COPに対して、より実際に使用した状態に近い省エネ性能を示すためです。COPでは、その機械が同じ状況下で発揮できる性能は比較できますが、実際に1年間使用した時の省エネ性を正しくは表記出来ません。冷房や暖房の能力や消費電力は、使用時の室内や室外の気温に大きく影響を受けるため、APFの方が、COPよりも正確な値を得ることが出来ます。
生活への利用
エネルギー消費効率は、省エネラベルという形で製品に表示することが義務付けられているため、エアコンを買う時に目安として使うことができます。エネルギー消費効率の高い製品を使うほど、年間の消費電力は少なくなるので、省エネになり、電気代も安くなります。